《家庭訪問はのはじまり【完】》第92話 木村武編 誰よりも幸せに

だが、その翌日、校長に呼び出された。

夕凪先生の學校に、児の保護者から、結婚式を見に行ってもいいかという問い合わせが來ているという。

だから、希者を募ってサプライズで歌いたいと、うちと同じ事を考えているらしい。

夕凪先生から、結婚相手はうちの児の保護者だと聞いてるから、新郎の許可を取りたくて校長に連絡があったとの事。

だから、うちを代表して俺が、先方の代表の學年主任と打ち合わせるようにと指示をけた。

俺は、放課後、先方の松井先生に連絡をする。

職員室の電話では、夕凪先生に聞かれないとも限らないので、飲み屋で待ち合わせて、打ち合わせをする。

その結果、先に現在擔任する子供たちが歌い、後から嘉人を中心に元1年1組の子供が歌う事にした。

會場にピアノがあるのか、CDを流すのか、瀬崎さんに確認する事を洗い出していく。

夕凪先生の好きな曲、瀬崎さんが歌ってほしい曲、リクエストも聞こう。

俺たちは、今後の打ち合わせのために、連絡先を換して、その日はお開きにした。

翌日の放課後、瀬崎さんに必要事項を確認していく。

瀬崎さんは、嘉人に「向日葵の約束」を歌わせたいとの事。

ひまわり…

確かに、俺から見ても、夕凪先生のイメージそのままの曲だな。

それから、披宴で使う曲を選ぶ時に、夕凪先生が使いたいと言っていた曲のリストを送ってもらう。

そのリストの中から、子供が歌えそうな曲を音楽科だという松井先生に選んでもらう。

松井先生は、學校で子供たちに練習させるという。

俺が驚いた聲を上げると、全校で毎朝歌う歌に指定すると説明してくれた。

伴奏は、2曲とも松井先生がしてくれるらしい。

そんな話をしながら、上品でふわりとした雰囲気のお嬢様然とした松井先生が學年主任だという事を思い出し、年齢が気になった。

どう見ても、俺より年下、20代に見える。

夕凪先生と同じくらいか?

だけど、まだ知り合って間もないに本題から外れて年齢を聞く事もできず、謎だけが殘る。

松井先生、瀬崎さんとの打ち合わせを繰り返し、念に準備した結婚式當日、夕凪先生は、泣きに泣いた。

サプライズは大功だと言っても過言ではないと思う。

これは、最初で最後の俺から神山夕凪へのプレゼント。

させる事が出來たから、俺はこれでようやく諦められる気がする。

俺もいい歳だし、いつまでも未練たらたらで引きずってる訳にもいかない。

神山夕凪の幸せを願って、俺は長い片思いに終止符を打つ。

Yuna, be happier than anyone.

───  Fin. ───

この後、瀬崎幸人編へと続きます。

続けてお読みください。

    人が読んでいる<家庭訪問は戀のはじまり【完】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください