《家庭訪問はのはじまり【完】》第94話 瀬崎幸人編 結婚

今、思えば、酩酊狀態のはずの彼が、立ち上がり、抱きついて、を重ね、俺の服をがせ、あれこれ出來るはずがない。

俺は、まんまと酔ったふりに騙されて、簡単に落とされたんだと思う。

それでも、四面楚歌の狀況にある俺にとって、彼は唯一の安らぎだったし、心からしてた。

10ヶ月後、彼籠もると、俺はプロポーズをし、家族の反対を押し切って結婚した。

俺の家は無駄に広かったが、結婚に反対した両親との同居は彼が嫌がった。

まあ、その気持ちは俺も分かるし、両親と同居ではイチャイチャしにくいので、俺は実家近くの父の土地を借りて新居を建てた。

土地は借りたが、家は全て俺の貯金とローンで賄った。

結婚して間もなく、嘉人が生まれ、俺たちは幸せな結婚生活を送っていた。

父は、結婚祝いか出産祝いのつもりだったんだろう。

俺は程なく、本社勤務になった。

父の息子である事を明かされ、書としてあらゆる所に同行させられた。

そうして、28歳の時、専務に抜擢され、30歳で社長になった。

父は會長になり、経営の一切を俺に委譲した。

本社勤務なってから、仕事は多忙を極め、子育てのほとんどを彼に任せきりにした。

それがいけなかったんだと思う。

いつの頃からか、彼は男遊びを始めた。

気づいたのは、些細な偶然だった。

視察に訪れたホテルのレストランから帰ろうとした時、男と腕を組んでエレベーターに乗り込む彼を見てしまった。

初めは信じられなかった俺だが、家の中をよく見ると、買ってやった覚えのないブランドの服やバッグがそこかしこに転がっている。

渡している生活費では、そんなに買えないはずだ。

これも男か?

疑いを持った俺は、興信所に依頼した。

依頼する時、興信所の擔當者は、証拠が摑めるまで、1ヶ月かかる事もあると言っていたが、わずか1週間で結果は出た。

は複數の男と関係を持っていた。

離婚しようかとも思った。

だけど、嘉人を手放す気にはなれない。

俺が黙っていれば、それでいい。

俺は、そのままの関係を続ける道を選んだ。

だけど、その日、別の男と寢たかもしれない彼を抱く事は出來なかった。

それ以來、俺は彼に指一本れなくなった。

嘉人が保育園の年長の時、児相談所の職員がやってきた。

嘉人が待されてる疑いがあると言う。

俺はもちろん、嘉人に手をあげた事はないし、彼も泣きながら、そんな事はしていないと言う。

嘉人は、かなり落ち著きのない子供だったし、常に走り回っていたので、転んだりぶつけたりしたんだろうという結論に至った。

その頃になると、俺がやりたかった改革も軌道に乗り、仕事も落ち著いてきた。

仕事の合間、移中などに、嘉人の保育園が配信している教室の畫を見ていると、嘉人だけ他の子と違う事に気付いた。

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