《妹は兄をする》6―渇き―『に飢えた獣』

「…それで俺は貴に救われるんですか?」

「救われるわよ。ホラ、貴方のみがまた一つ葉った」

はそう言って俺の目の前に立つと、手を上に重ねてきた。

それは不思議な気持ちだった。

まるで「彼」の手にれてるような、じがした――。

俺は汚い。

そんなやり方ですがっても、救われないのは解ってるのに、俺は彼れようとしていた。

まるで心に空いたを埋めるようなそんな剎那だ。

どうかしてる…―――。

「彼が亡くなってから、10年くらいになるかしら?」

「今生きてれば、ちょうど私と同じくらいね。もちろん見た目も中も、そんなに変わらないわ」

「――沙織里は私の雙子の姉ですもの。當然よね?」

はそう言って俺の前で、したたかに笑ってみせた。

は恭香。亡くなった沙織里の雙子の妹だ。

俺は彼の中に、亡くなった沙織里を重ねて見ていた――。

葉うはずもなかった「」。それは俺の中で、今もくすぶる火ののように燃えていた。

數週間前、彼が俺の前に現れてから、余計にそれに拍車がかかったじだ。 一番タチが悪い。

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