《妹は兄をする》8―渇き―『に飢えた獣』

「クスクス、そんなに焦らないの。私は逃げたりはしないわよ。だって貴方が私に夢中になる姿をみていると楽しいわ」

「っ…!」

「俺を茶化すなっ…!」

「もしかして怒ったの?」

恭香がそう話すと、蓮一はイラッとした表を見せた。

「ねえ、いまの貴方の瞳に映ってるのは私かしら?それとも――」

そう言いかけると、蓮一は彼から離れて背中を向けた。

「…てる。どうかしてる――」

「やっぱり俺には無理だ。こんなこと…――」

そう言って呟くと、恭香は何も言わずに彼の右手をとった。

「どうかしてる?違うわ。貴方は自分の気持ちから開放されたいのよ。だから私が貴方を開放してあげる」

「っ…」

「ほら、素直になって。私が貴方を開放してあげるわ。貴方の心に燻っている炎は他の子じゃ消せないわよ」

「っ…黙れ…!!」

蓮一は心の奧を彼に見かされていた。葉わなかった「想い」を彼に重ねることで、心に空いたを埋めようとしていた。

躊躇いと迷いが差する中、彼は蓮一の心を自分に向かせようとみずから迫った。

彼の右手を手にとると、その指先を彼は舌で舐めた。指先からつたわる彼らかな舌のが彼の心を煽った。

ジリジリと絡みつき、それは彼の心を燻らせた。恭香は挑発することを楽しんでいた。彼を椅子に座らすと、その上にがって怪しく迫った。

制服のネクタイを摑むと、それをゆっくりと彼は外した。首もとから抜かれたネクタイは、するりと床に落ちた。

そして彼の著ているYシャツのボタンを

は外してきた。

拒むことはできたのに、目の前にいる

が笑いかけると、蓮一はただ呆然と

息を飲んだ。

目の前にいる彼が「彼」に見えてくる。

その錯覚が、彼をそこでかなくさせた。

Yシャツのボタンを全部外されると、著ているYシャツを彼がしてきた。

した男のには程遠いが、

その板は男らしさを表していた。

の白い手がれると、蓮一はが反応した。

ただ黙っていたが、その表

固まっていた。

恭香は彼の首元にキスをすると、続けて

元にキスをしてきた。

蓮一は目の前にいる彼

弄ばれた。

突き放すことはできたのに、その手は

けずにいた。

ただ呆然とかない彼を見ながら恭香は

クスリと笑って挑発したのだった。

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