《妹は兄をする》4―憂鬱な雨―『忘れられない人……』

隣に住んでいたの子、お姉さんみたいに俺のことを優しく面倒をみてくれた彼は、もうこの世にはいない。

初めて""を知って、それと同じく、絶を知った。

沙織里ちゃんがいなくなってからは、俺の世界はを失った灰の世界のようだ。

あの時のトキメキも、まるで噓のようだ。

俺だけあの時のまま、取り殘されているじだ。

きっともう、なんてしない。

一生このままだ。

そう、このまま…――。

「フッ…」

のお墓の前で、フと笑った。俺もいい加減、諦めがつかない男だ。

忘れようと思えば、簡単に忘れられる。

なのに忘れらない。

もしかしたら彼がまだどこかにいて、

生きてるのかも知れないなんて、都合の良いことさえ思ってしまう。

そんな自分に呆れる。

救いようもない、あわれな男だ。

きっと俺のこのにあいたは、埋まることもない。

ずっと俺はこのまま、彼に縛られているのかも知れないな。

 

 

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