《妹は兄をする》2―電話―

いや、もしかしたら只のイタズラかも知れない。誰かが投げ込んだのは確かだ。

俺はあの時、人影を見たからな。

ついでに追いかけたら、マッハで走って

逃げて行った。

この弾丸の鉄人と呼ばれる俺の走りでさえも、追いつけずにまかれたんだ。

もしかしたら陸上部の奴かも知れない。

あの走りだったら間違いなくインターハイ出場出來るだろう。

…なんて俺は、冗談混じりにそんなことを考えた。

真面目な話し、あのあと大騒ぎになったらしい。俺は真っ先にその場を立ち去ったから知らないけど、教師と教頭と校長が騒ぎまくった。ついでに生徒達も大騒ぎした。

風紀委員まで出てくる始末だった。彼らが犯人探ししても、結局みつからなかった。

そして二宮金次郎の銅像はまだ、あの廊下に放置されている。

理由は一つ、現場保存のためだ。犯人を捕まえたら、それを元の場所に戻させる為に、校長がそう指示を出したらしい。

それがいつになるか解らないが、

二宮金次郎の銅像はきっとあのままだろう――。

 

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