《妹は兄をする》3―電話―

「なあ、二宮金次郎の銅像が勝手にくと思うか?」

「なに?」

「だから金次郎の銅像が――」

「またその話しか?」

「お前も好きだな、そんなワケがあるはずがないだろう。考えすぎだ」

俺は蓮一の後ろでそう話すと、あいつは前で自転車をこぎながら、呆れたように言い返した。

「気のせいじゃない。だって俺、あの銅像に下敷きにされそうになったんだぞ?」

「本當か?」

「ああ、だってあの時、銅像が目の前に……」

俺がそう話すと蓮一は突如、自転車を

急に止めた。

「なんだよ、急に止めるなよ。危ないだろ?」

「優斗…!!」

その瞬間、あいつは俺を抱き締めた。

 

「よかったお前が無事で…!」

「れっ、蓮一?」

「お前まで失ったら俺は耐えられない…!」

「あ、あのなぁ……」

「ましてや金次郎に下敷きにされそうになったなんて…!!」

「お前を"下"にするのは、俺だって決めてるからな。お前が無事で本當によかった」

「おいっ…!!」

蓮一はそう話すと優斗の手を摑んで、

泣いたフリをした。

「蓮一、誰が誰を下にするって?」

「お前のその歪んだ友、どうにかならないのかよ」

優斗は顔をひきつらせると、軽く彼と

距離をとった。

「歪んだ友?」

「違う、これはただのだ。友と言うしい形の名な――」

「それって俺はお前のしい友謝するべきなのか?」

「優斗、俺はお前に謝している。お前と友を育めて栄だ」

「育んでねーよ」

蓮一のキツい冗談に優斗は半笑いを浮かべると、彼の摑んできた手を然り気無く振りほどいた。

 

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