《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》9
「はぁ……はぁ……」
「興してるんですか? もしかして裝の気持ちよさに気付いたんですか?」
「…………」
城下町を出て山を目指して歩く、ヴァームの言った通り目的地の山は近くにあった、徒歩30分と言った所か? そしてその山を登り始めて1時間が経った頃だ、木々が生い茂る緑かな場所を歩き続ける、小鳥の囀りや木々の香りが鼻孔をくすぐりながら俺は息を切らして前を進むヴァームに付いていった、この靜かで神聖な雰囲気をぶち壊すヴァームの一言をスルーすると、頬を膨らまし俺に向かって歩いて來た。
「無視は良くないですよ?」
「変な事言うからだろ…あと、何度も言うが近いから離れろ!」
「むむっ、突っ込みに切れがありませんね……」
「疲れたんだよ」
俺の額からは汗が流れている……やはり山登りと言うは過酷だ。
凄くしんどいぞ…。
「でしたらし休憩しましょう」
ヴァームは木の近くへ行き座る、その橫をぽんぽんと叩き隣に座る様に促してくる、斷っても強引に座らせに來るんだろうな……そんな事を思いつつ渋い顔で俺はヴァームの隣に座る、背後の木に腰掛け深く深呼吸……あぁ空気が味しい。
「すぅぅ……はぁぁ……ああっ素晴らしい匂いですねぇ」
ヴァームは俺の元に顔を埋め呼吸してきた、こいつ本當にいい加減にしろよ、躊躇ちゅうちょなく変態行為してくるんじゃない!
……って危ない! ヴァームの角が顔に當たりそうだ。
「角が當たりそうなんだが……」
「あっ、申し訳ありません」
パタパタと尾を揺らしながらヴァームは離れて行く……し微笑んで俺を見つめてくる、何だよその視線は……。何か企んでるのか?
「あっ! 乾きませんか? はい飲みです」
「あぁっ、有り難う……ってまた元からだしたよな?それ、明らかにしまえ無いよな?」
「うふふふ……」
不気味に笑うヴァーム……4次元のポケットか何かか? こっこれ以上は深く考えてはではいけない、見なかった事にしよう。
「はい、どうぞ」
そんな事を考えていた時だ、飲みのった小さなボトルを渡される、中は水、んな意味で疲れたに冷たい水は有り難い、俺はボトルに口をつけゆっくり飲む……うん普通の水だが冷たくて味しいな。
「飲み終わったらそのボトルを下さい、後で売りますから」
髪のをりながら語るヴァーム、ん? 今変な事を言わなかったか?
「いや、こんなの売れる訳ないだろ?」
俺の言葉を聞いてくすくす笑って、わっ訳が分からない……。まぁ多分ろくでも無い事なんだろう、きっとそうに違いない、そう自己解決する、その時ヴァームの瞳がきらりっとる。
「とんでもないっ、このボトルは高値で売れますよ!口をつけた人が重要なんですっ」
そして突然の力説! ……なっ何を言ってるんだこいつは。
「えっえと……ヴァーム?」
ふんすーっ、と勢いよく鼻息を出すヴァーム……この流はまた長い話を聞かされるんだろうな……あぁ聞きたくないなぁ。
「その理由はずばりっ『男の娘』が口をつけたと言う事ですっ、それだけでボトルの値段が一気に羽上がります!」
聞いてもいないのに理由を話始めたぞ? しかもその理由……納得できない箇所があるな。
「殘念ながらそんな事は無い! それにっ、俺は男の娘じゃないっ!」
ぶり手振りで訴える俺、ヴァームは俺の肩をがしっと摑み再び顔を近付けてくる、つっ角が危ないっ!
「何を言うんです! 自覚して下さいっ、シルク様は男の娘です」
「そんな不快なを自覚出來るか! それとっ危ないから離れろ!」
俺の肩を持ってがくがくと揺らしてくるヴァームを引き剝がす、これは相手に合わせた方が良いな……。
「まぁ、高くなるんだな?」
「はい、高くなりますっ」
理解不能だがここは理解したふりをしておこう、分からないと言った瞬間何が起きるか分からないからな、て言うか凄く目が輝いてる……よしっ、いきなりだが話を変えよう、この空気が苦しすぎて嫌だ……俺に萌え要素等無いと言うのに。
「ヴァーム……聞いていいか?」
「はい、なんなりとお聞きください」
ここは一番気になってる事を聞いて見る事にしよう。
「ロアは何で俺の事が好きなんだ?」
「ふふふ……さぁ、何ででしょうね?」
自分で考えろって事か……悪戯っ娘の様に笑うヴァーム、ロアが俺を好きな理由……全く検討がつかないな、目を瞑って深く考え込んでも當然検討が付かない、俺が思考していた時だ、ヴァームが思い詰めた顔で俺を見てくる。
「私が言える事は、ロア様は本當にシルクさんの事が好きで行を起こしたんです……その為に々な努力をしているんですよ?」
「そっそれは、ない時間だが見ていれば分かる……」
あのハードスキンシップをけていれば俺の事が好きな事は誰にでも分かる、だが々な努力……ってなんだ? それを考える時間を與えぬ間にヴァームの話は続く。
「シルクさんを拐する計畫を経てた時にもロア様は頑張ったんですよ?」
「いや、そこは止めてくれよ……」
何を黙って拐計畫を見守ってるんだ! お前が止めればこうはならなかっただろう……。
「いえいえ、止められません……に走るですよ? 止める事は不可能です」
ぽっーーと顔を赤く染め頬に手を當てるヴァーム、に走るか……。
「そこまでされてるのは素直に嬉しい……だが俺には!」
これはロア本人に言うべきなんだろうが……今言っておこう、そう思った時だ、ヴァームが口を挾んでくる。
「私だって……シルク様の事を狙ってるんですよ?」
……!? なっ何か今凄い事をさらっと言わなかったか?
「いっ今……なんて?」
「シルク様を狙ってると言いました」
うん、聞き間違いじゃなかった、はっははは、狙ってるか……!っ ねっねねねっ狙ってるだと!? 急に変な汗が出てくたぞ!やっヤバい、俺、今絶対に変な顔してる!
「ふふふ……そんな顔しないで下さい、狙ってると言うのは的でも命を奪う的なではありませんよ?」
「……だっ、だったら何だよ?」
おっ恐ろしい……凄く妖しい顔をしてる、くっ……何度目だ? ヴァームの発せられることばに恐怖をじる事は……たらたらと汗が流れ出て変な張が生まれてくる、唾を飲み込み覚悟を決める、此処まで変な事が起きて來たんだ、今更何を聞いても驚かないっ筈だ!
「わたくしが言う狙ってると言う意味は自分の夢の為なんです」
「? すまん理解出來ないんだが……」
ヴァームは、にたぁと口許を緩ませる、こっこれはあれだ……何か嫌な事が起きる前兆だ! ぐっ、これ以上俺にストレスと言う名の心のダメージをけさせるな!
「今、シルクさんが著ているメイド服に加え幾つか造った服があるんです……その全てをシルクさんに著てしいんです! そしてっわたくしは、シルク様の専屬デザイナーのポジションを狙ってるんですっ、こんな素晴らしい男の娘っ誰にも渡しません! あら? どうしたんですかシルクさん? 急にうずくまって……お腹が痛いんですか?」
「あぁ痛いよ……このままストレスで死んでしまう位にな!」
ざっけんな! 何だその夢……迷なだけじゃないか! と言うかロアの話から何でヴァームの夢の話しになってるんだよ!
「では、もうし休憩しましょうか」
その満面の笑みを止めろ…今そんな顔されたら余計に疲れるだろう。
「その間にシルク様が次に著て貰う服を考えていますね」
「だったら男で頼む」
「解りました、ボーイッシュ系が良いんですね? 次はそれにしましょう! うふふふっ」
うん、全然分かってない……そのお気楽な頭を叩いてやろうか? まぁ今はそんな気力がない、と言うかそんな事出來る訳がない、今俺が願う事はただ1つ、ヴァーム……暫く黙ってくれ。
「あっ! すっかり忘れる所でした、シルクさんに1つ聞きたい事があります」
「なっ何だよ聞きたい事って……」
気だるそうな顔をヴァームに見せる俺、するとヴァームはいきなり手を振りかざし始める……なっなんだ? 何をするんだ? そんな疑問が浮かんだ時だ、ヒュゴォッ!ーー風の切る音が聞こえる、その直後、ドゴォォォンッ!ーーと轟音が響き背もたれにしていた木がズシィィンっーーと倒れる、あまりに衝撃的な事態に表が固まる。
そんな俺にヴァームは笑顔で問い掛けてくる。
「男の娘の事を不快と言った事はどう言う事でしょうか? 納得出來る説明してください……」
本日2度目の恐怖の時間がやって來た、ヴァーム口は笑ってるのに目が笑ってない……凄く恐い! この後俺は恐怖の余りまり腰が抜けた狀態で男の娘についてを長々と聞かされたのであった。
血が繋がってないからあなたに戀してもいいよね
頑張ってみましたが変だと思います そんなでも見てくれたら嬉しいです
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