「ぐっ…がべとべとする」

「此処は地ですから…仕様がないですの、あたしもが汚れて嫌になりますわ」

「いやがべとべとって……お前は元から……いや何でもない」

夜……枯れ木が生えるじめじめとした場所、地に俺とラムがいた、何故急にこんな所に來たのか？ それはし時間を遡る。

「おっおい！ いいっ！ かげんっにっ！ はなっ！ れっろぉぉ！」

途切れ途切れに話す俺、それを無視するラムは城下町を出てずりずりと平原を歩いていた、俺はと言うと大きくなったラムの中にすっぽりとっている、顔を出してるから息は出來る。

ぐっ……全くすぐられてるじがして変なじがする。

「シルクさん、離れたら逃げるのでしょう？」

「…にっ逃げないから離れろ」

「今、目線を反らしましたね？ 絶対に逃げきですわ！ よって答えはのーですの！」

「あんまりだろ！」

何時も通り俺に拒否権等無かった……悲しいがこうなったらすがままに連れていかれるしかないのだ、と言うかこいつは何処に俺を連れてく気だ？ そう思った時だ、急にラムがまん丸く膨らみ始めた……語で良く見るスライムの大きい版っと言った所か……々と姿が変えられるんだな……とか呑気に思ってる場合じゃないな。

「……何をする気だ？」

俺はラムに問う、するとシンプルにこう答えて來た。

「跳びます」

「は？ いっいや……意味が分からないんだが？」

「ですから目的地まで跳びますの」

目的地まで跳ぶだと？ こいつは一何を言っている……って！ なっなんだこのの震えはっ！ こっこれは俺が震えてるんじゃない……ラムが震えてるんだ！ まん丸くなったラムがを震えさせる、心なしか俺のにまとわりつくがよりピッタリとくっついて來た気がする、もしかして……凝してるのか？

「スライム屬に伝わる移手段っ、凝じゃんぴんぐぅっですの！」

「よし、名前で大想像がついた！ 今すぐやめろ！ いや、止めてください！」

「うふふ…もうっどうにもっ止められませんわっ！」

が締め付けられる、と言っても痛くは無いんだが……と言うかさっきからもがいてるが離れる気配がしない、早く離れないと恐ろしい事が起きると言うのに……。

「ぐぬぬ……くそっ！ 離れられない！」

俺がジタバタしている間に『その時』はやって來た。

「あっ……あっ……あぁぁっ！」

「らっラム？ 何だそのっぽい聲は……まっまさか！」

「とっとんじゃいますわ……」

「ごっ誤解を招く言葉は止めろ！ それ冗談だよな？ そうだと言ってくれ！」

恐怖を現する時はもう目の前、逃れるは勿論無い俺は突如これまでの思い出が脳裏に過った、楽しかった思い出や辛かった思い出全てを……。

「あっあたし……」

「くっ苦しいなら止めろ！ 今すぐ城にかえ……」

「とんじゃいますのぉぉぉぉ！」

「ろぉぉぉぉぉぉっ！？」

びゅばぁぁぁぁぁっーー

と言う音共に勢い良く水がラムのから噴される、向きは下向き……俺とラムはジェット噴よろしく上へと打ち上げられた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ！！」

けなく恐怖の絶を上げる俺。

「あぁぁんっ、がじんじん痺れますのぉぉ！」

艶っぽくぶドM……茜の空に水柱が空高く出來上がり、水飛沫は茜とマッチし、幻想的な風景を描いていた、あぁ、なんてしいんだろう……。

「あっああっあぁぁぁぁぁ！！」

心の中では余裕そうに見えるだろ？ だが腹の底から恐怖を聲に出している、簡単に言えば超怖いんだ。

凄いスピードで空高く打ち上げられた俺、まだスピードが衰える事なく跳んでいる、と言うかこれ……跳ぶレベルを越えてるだろ！！

「さぁっ、次はこっちですのっ！」

びゅるんっーー

ラムはそんな音を立てて元の人間の姿になる、何時ものドレス姿だ……俺を腕に乗せる、いわゆるお姫様抱っこだ。

そしたらなんか、むにょむにょーーとしたがした、それが何なのか？ 今の俺はそんな事を考えている余裕は無い！ と言うかさっき「次はこっちですのっ」って言ったよな？ ……っ！ まさか！

「そぉれっもう一発いっぱぁつですのぉ」

ばしゅんっーー

再びラムが水を噴した、その勢いで、俺のががくんっと揺れる。

「…………」

この時俺は気を失っていたらこんな験をすれば普通の人間は絶対にこうなる、で……気付いたら地にいた、眼が覚めたらラムが俺を膝？枕で寢かせてくれてたと言う訳だ。

眼が覚めたらがべとべとで心はくたくた、こう言う事は２度と験したく無いと思ったが……きっと帰りも同じ事をするんだろうな……。

と言う訳で今に至る……。

「で？ 何を探してるんだ？」

雲に覆われた地の夜、暗くて何も見えないので、ラムが背負っていたリュックサックの中から『勝手に火が出るカンテラ君』と言う魔界でポピュラーであるカンテラを取りだし、それを燈りにしている。

ネーミングはもうし何とかならなかったのか？ と思いつつカンテラに火を付けるとビックリした、通常のカンテラのり3倍明るかったからだ……これは凄いな、一家に１臺しいだな。

「先ずは窟ですの！ そこにある魔界の鉱石を手しますわ！」

ビックリしているとラムが行き先を説明してくれる、る程……窟に行って魔界の鉱石を探すんだな……ん？ ちょっと待てそれはおかしくないか？

「おい、此処は人間界だろ？ 魔界の鉱石なんて無いだろ」

前に山に行った時はヘッグが魔界の木を植えたから魔界の木が生えた、だが魔界の鉱石なんて多人がどうこう出來るじゃ無いだろ……疑問を浮かべていると何故かラムがを張る。

「それは、あたし達が人間界に來た影響で様々な地に魔力が流れてしまいましたの、その影響がこの地にも來ていますの」

「なっる程……それで？」

「その魔力が人間界の石や木に染み渡って魔界の鉱石や魔界の木が出來るのですわ！」

うーん、良く分かった様な分からない様な……。

「まぁ大分かったが……何で誇らしげなんだ？」

「うふふ……ただのノリですわ」

「そっそうか……」

まぁ良く分からんノリだが……今はその窟とやらを探そうか。

「ではシルクさんっ、行きますわよ！」

ラムが俺の前を進む、あいつはだから、すぅーっと進んでいく。

「おっおい、待てよ！」

雨で濡れた泥々の地を早足で進みラムを追い掛ける、こんな所に迷ったら間違いなく風邪をひいてしまうな、不本意だがラムから離れない様にしよう……ん？ なんか変なのがある、一旦立ち止まって"それ"を見てみる。

「なんだこの茸きのこ？」

紫と黒の縞模様の茸、明らかに猛毒持ってます！ と言う様な茸きのこだな、俺はしゃがんでそのキノコをろうと思ったが止めておく。

「らない方が良いよな……」

茸にはるだけで害のある毒茸があると聞いた事がある、これもそうかも知れない……らぬ茸に祟り無しって奴だ、だから俺は先に進もうと１歩足を進めたその時だ……。

ぼふんっーー

「なっ……っ！ ぶはっ！ げほっげほっ！」

急にキノコから煙が吹き出た！ こっこれは胞子か？ なんだか知らないが思いっきり吸い込んでむせてしまった、うぇ……変な臭いがする。

「シルクさぁん、何してますの？」

そんな事をしているとラムが呼んできた、気付けばラムは遠くに行っている。

「なっ何でもない！ し待ってくれ！」

俺は気にも止めずにラムを追い掛ける、謎の茸の胞子を吸い込んだが大丈夫だよな？ 俺の脳裏にそんな事が思い浮かんだが、きっと大丈夫だろう……そう決め付けラムの後ろを付いて行く、さぁこんな所さっさと用事を済ませて帰るか。

帰ったらぐっすり寢たいないや、その前に食事と風呂だな…何も食べてないから腹が減った、それに雨で溫が下がっているから風呂で暖めなくちゃな……。

「って、大分この狀況に毒されつつあるよな、俺って……」

周りの奴等が強すぎて逃げると言うのを諦めてる俺、それにヴァームや鬼騎、ラムに言われたあの言葉、今逃げるのはいけない……そうじてしまっている、帰ったらそこら辺の事を考えるとしよう、そう思いながら俺は足を進めるのであった。