《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》30

「服、此処に置いておくからな」

篭かごに俺の服をれつつ風呂場にいるナハトに聲を掛ける。

「了解した」

風呂場からシャワーの音が聞こえる、磨りガラスごしにナハトの姿が見える、一糸纏わぬ姿……まさに生まれたままの姿だ、ナハトは斜め上を向いてシャワーを浴びている様だった。

「……くっ」

こっこれ以上見てはいけない……そう思って場から出る、その後俺はリビングに行き椅子に座ってナハトを待つ事にした。 

「うふふぅ、楽しみだわぁ、なっちゃんのお風呂上がりの火照った姿っ」

「……」

その橫で頭が痛くなる事を言う奴がいるが放っておこう、母さんが楽しそうに小躍りしてくる、全く……何が楽しいんだ?

「しぃ君の服……サイズが合うかしらぁ」

「どう…だろうな」

そう言えばそうだ……ただ服を置いて來たが……ちゃんと切られるよな?

「やっぱり私のを貸して上げれば良かったかしらぁ、お気にりのぉバニースーツっ」

「あーはいはい、そうだなぉー、貸してあげたら良かったな」

「むぅ……思いっきり棒読みぃ、しぃ君ったら酷いわ」

酷いのはどっちだ……全く何時までも子供みたいな親だ、と言うかバニースーツ持ってたのかよ!

「ねぇ、しぃ君」

「なんだよ……」

「あれぇ? 何か疲れてなぁい……肩でもこったの?」

肩がこってるのは、あんたのだよ! と言ってやりたいが……我慢しよう! 言ったら多分泣きじゃくる、そしたら面倒くさくなる!

「何でもない」

「まぁ良いわぁ、なっちゃんとは知り合いなの? 何か親しげだけどぉ……」

「親しげだったか? 1週間前に會ってそれっきりの相手だぞ?」

「えぇ!? 1週間前に會ってそれっきり! もぅっ、しぃ君ったらおませさんで酷いわっ! の子を1週間も放っておくなんて!」

母さんは腰をくねくねかして、ぽっと頬を染める、一何を考えてるのか知らないが絶対に母さんが考えてる様な事はしていない、酷いのは母さんの考えだ。

「ただ街を案したんだよ、その間し話をしただけの関係だ」

「そうなの? つまんないのぉ……てっきり母さんはぁ、なっちゃんのばーじ……」

「聞こえなかったのか? 街を案して話をしただけだって!」

がっーー

と母さんの頭を摑んでがくがくっーーと揺らす、そんな事しか話せないのかあんたの口は!

「ふわぁぁっ! やっやめてぇっ、しぃ君が暴力振るうよぉ! 親不孝者ぉ!」

わんわんと泣き喚き俺をぽかぽか毆ってくる、忘れた方にもう一度言おう、俺の母さんは現在38歳である。

「あっあの……すまない、もう風呂を使わせて貰ったんだが……」

ん? どうやらナハトから風呂から出て來たみたいだ、見苦しいを見せてしまった……。

「あぁ……そうか、わか」

振り替えってナハトを見た俺は言葉を詰まらせた、何故かって?

「ん、どうしたシルク? 我の顔に何か付いてるか?」

「いっいや! 何にも付いてないぞ……」

風呂上がりで火照った褐から湯気が上がっていて艶のあるもより一層艶っぽくなっていた、とても綺麗だ……つい見とれてしまった。

「まぁっ、なっちゃん似合ってるわぁ」

半袖の服と長い丈のズボン、まさにシンプルな服裝……だが服のサイズがあってないのか、へそが見えてしまっている、サイズが合わないのは大方ナハトのあの大きな……いや何も言うまい。

「そっそうか? そう言って貰うと助かる」

「うふふふぅ……じゃぁ、私なっちゃんの服を乾かして來るわねぇ」

あっ……まだ乾かしに行ってなかったのか……そう思っていると母さんは小走りしてリビングから去っていく、あれ? なんか2人だけになったんだが……。

「朝方は降っていなかったのにな」

「……え? あっあぁ、そうだな」

とっ突然話し掛けて來たからびっくりした、びくっとが揺れてしまったじゃないか、そう言えば朝は雨降っていなかったな……降りだしたのは晝前位か?

「草原を散歩してたらこの様だ、運が悪いよ……でもここに家があったからそうでもないかな?」

「ははっ……そうだな、ある意味幸運かもな」

そんな會話をしつつ笑い會う、ナハトは艶のある髪のを靡かせ俺の隣にある椅子に座ってくる、し良い匂いがした……。

「そうだな、そう考えると幸運だね。おでシルクに會えた、久し振りにね」

「なっ! 急に何言ってるんだよ、と言うか久し振りって今更かよ」

くすくすと笑うナハトに対して、俺は視線を反らす。

「くふふっ。まぁ元気そうで何よりだよ」

「あぁ、そっちもな、と言うかそれじゃ寒いよな? 上著取ってくるよ」

「いや、大丈夫だ問題ないよ……くふふ」

ん、なんだ急に笑って……何か可笑しな事を言ったか? そう思ってナハトの方を見てみる。

「優しいなシルクは」

「なっ! かっ風邪引いたら困るから言っただけだ! 阿呆……」

かぁぁっーーと顔が熱くなるのをじた、その様子を見て悪戯に笑う。

「くははっ、本當にシルクはからかいがいがあって面白いな」

「煩い。上著取ってくるからそこにいろ!」

「あっいや……別に我は」

「良いから著とけって……萬が一って事があるだろ?」

そう言って立ち上がりさっさと自室に行く、正直言えばこの場から逃げ出す為の言葉だ、あのままあの場にいたら可笑しくなってしまう。

「あっありがとう」

「あぁ」

自室の扉前まで來たら後ろからナハトの聲が聞こえた、素っ気なく答えて自室にる、さてなるべく大きい上著を渡さないといけないな、さっさと見付けてさっさと渡してしまおう。

「風邪なんか引いてしくないからな……」

そう呟いてクローデットの方へ行く……その時「風邪なんか引いてしくない」と言うふと出た言葉にし妙な気持ちをじながら服をするのであった…。

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