《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》32

ナハトに翌日會わないか? と言われ會う日になった瞬間俺は……。

「家から追い出されてしまった……」

俺が朝食を食べ終わった時だ、母さんが俺を持ち上げこう言ったんだ。

「しぃ君、今日は頑張ってね!」

そう言われ、摘まみ出された……家に戻ろうとしたら鍵を掛けられた、さっさと街に行けって事だろうな、正直言えば行くのは超気まずい、なんでナハトは俺を呼んだんだよ……そう思いながら重い足取りで街に行く、確か待ち合わせ場所は公園だったな……。

「行くか……」

ナハトは何か言いたげだった…行かない訳にはいかないよな。

と言う訳で公園に來た、そこにあるベンチに座って待つ事にする、晴れの公園に來ている人は以外と多くいる……俺の様に待ち合わせしている人もいる様だ、因みにその公園は昨日の雨で水溜まりが至る所にあった……それを踏んづけて遊ぶ子供がいる。

「……」

ナハトは公園に來てくれと言ったが、何時來るんだ? まっまさか、夜とかじゃないだろうな? さっ流石にそれは無いか……無いよな? もしそうだったら本気でなく自信があるぞ?  急に時間が気になったので遠くに見える時計を見る、時刻は8時……ナハトは何時來るのやら……ふと空を見上げてみる、あぁ綺麗な青空だ……鳥達の囀ずりが聞こえる、やっぱり俺は晴れていた方が好きだな。

「晴れて良かったね」

「あぁ…そうだな」

全くその通りだ、雨だと暇で暇で仕方な……! いっ今橫で聲がしなかったか? 勢い良く聲がする方に振り向くと……。

「やぁ、來てくれたんだね…嬉しいよ」

ナハトが隣に座っていた、何時ものへそだしの服、にっと笑って俺を見ている、えと……何処から現れたんだ?

「隨分早く來たんだな…」

そんな驚きはあったが取り敢えずこの言葉を言っておく、すると、ぽんっーーと肩に手を置いてくる。

「當たり前だよ、待たせては悪いからね」

「だったら時間の指定もしとけ」

苦笑して言うとナハトは、ふふっと笑い掛けてくる。

「あぁ、そうだね」

「そうだねって……俺が來なかったらどうする気だったんだよ」

良ければ來てくれと言ってたが俺を信じ過ぎじゃないか? 俺が來るとは限らなかっただろう、するとナハトは足を組んで妖しく笑う。

「ほぉ…君は來ないつもりだったのかい?」

「そっそんな事はない…っ!」

つい出てしまった言葉に顔が赤くなる、その言葉を聞いたナハトはし頬を赤くした、そして足を組み直す。

「くふふ……嬉しい事を言ってくれるね」

「なっ!」

恥ずかしながら言うナハトにっぽさをじた、おい……本當に15歳なんだよな? 今の無茶苦茶大人っぽかったぞ。

「全く、シルクは可いな」

「早速からかって來るんだな……」

初対面からナハトはこんなじだった気がする……誰にでもこんなじかのか?

「ふふ、からかわれるのは嫌かな?」

「あまり好きじゃない……」

「そうか、否定はしないんだね」

くふふっと笑い、つんっーーと頬をつついてくる、軽くその手を払い、そっぽを向く。

「くふふふ…すっかり拗ねてしまったね」

「煩い……暫く黙っていろ」

強めにそう言うとナハトは「すっかり拗ねてしまったね」と呟く……ナハトの笑ってる顔が目に浮かぶ。

「なぁ、シルク1つ聞いて良いかな?」

「黙っていろって言っただろ?」

「そう言わずにこっちを向いて聞いてくれないか?」

がしっーーと俺の顔を持って自分の方に向けさせる、なんだよ……からかうのなら止してくれ、そう思いされるがまま向いてみる、そこには真剣な表のナハトが目に寫った。

「わっ分かった……聞くよ」

俺は抵抗をやめて、ナハトの言葉を聞くことにした、ちゃんと聞かなきゃいけないって思ったからだ。

「何故來てくれたんだい?」

「はぁ? お前が來てくれっていったんだろ?」

「いや…我は、嫌なら來なくて良いと言ったよ? なのにシルクは來てくれた……どうしてだい?」

どうして……って、來なくちゃ行けない雰囲気が出てただろう、あれで行かなかったら駄目な気がしたから……ってなんで駄目って思うんだよ! とっ取り敢えず何か答えないと……。

「あっあんな風に言われたら行くしか無いだろ……阿呆」

「そうか、シルクは素直じゃないんだね……」

なっ……これが素直な気持ちだよ! 別に來たいとか思ってない……筈だ。

「っ……阿呆」

俺はそう呟き再びそっぽを向く、すると急にナハトが手を摑んでくる……何事だっと思ってナハトの方を見る。

「人が集まってきた、移してもいいかな? 良い場所を見付けたんだ」

ナハトは俺を強引に立ち上がらせ移させる。

「おっおい、何処に行くんだよ!」

「くふふ……さぁ、どこだろうね?」

ぐっ……この妖しい笑みは録でも無い事が起きる前兆か!? くっそ……どきどきが止まらない、またあの覚が來てしまった、謎の心の揺らめきが…。

「べっ別に良いが…変な場所じゃ無いだろうな?」

「くふふふふ……著いてからのお楽しみと言っておこうか」

妖しく笑うナハトを怪しみながらも手を引かれ連れて行かれる、凄い嫌な予がする……考え過ぎと思いたいが……ナハトは俺を何処に連れていくんだ?

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