《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》36

あれから眠ってし時間が経つ、風邪を引いているせいか寢苦しさで俺は寢れなかった、なのでシパシパする目を何とかあける、すると窓から朝日が差し込んでくる、うっ……眩しいっ、どうやらすっかり夜が明けたらしいな。

「ふぁぁ…」

大きな欠をしてしまう、あぁが重い、まだ風邪をひいているのか調が萬全ではない……だが取り敢えず起きようか? ずっと寢ていたからばしたい、そう思いベットから立ち上がる。

「さて……どうしようか?」

をぐぅっとばして深呼吸、すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……だめだ力がらない、と言うか今の行だけでダルさが急増してしまった。

「ふらふらする……もう一度寢よう」

まだ熱があるのかの震えをじる、起きたばかりだけどベットに戻る事にした、その時だ……俺は何かに気が付いた、ん? なんだこれ? 何か床に黒くて長いのがぴょこぴょこいてないか?

「……?」

俺の足元にもふもふした黒くて長いのがある、なんだこれ? そう思って取り敢えずってみた、ピクッーー

おっいた! 気になってみてしゃがんで摑んでみる。

「っ! ったらびくんっとしたぞ!」

ふにふにして心地良いだ、だがった瞬間俺のがびくんっとしてしまった、はて? 何故だろう……ん? あっあれ? この黒いの何か可笑しいぞ? こっこれ……もしかしなくても。

「俺についてないか?」

疑問に思いつつその黒いのを伝っていく、するとおれの腰に當たった。

「どっどうやらまだ熱があるみたいだな」

うん、これは尾だな……長くてすらっとした尾 、なんだか知らないが俺に尾が生えてしまった……って! そんな事あってたまるか! まだ熱があるから、こんな阿呆みたいな幻覚を見てるんだ。

「寢よう、そしたらこの幻覚も消えてるだろう」

そう思ってベットに再び寢る、まさか幻覚を見る事になるとはな……ある意味貴重な験かもしれない、だがこのままだと困るのでちゃんと寢て治そう……よしっ、きちんと寢付く様に羊を數えよう……そうすると眠れると聞いた事がある、よしっ! 実踐するぞ。

「羊が1匹…」

バタァァンッーー

俺が1匹目の羊を數えたその時だ、勢い良く扉が開け放たれた! なっなんだ! 俺は上を起こし、扉の方を見る。

「おっはようございますですっ!」

そこには騒がしく挨拶する知らない人がいた、ん? 人って言って良いのか? その人には人間には無いものがあった、呆けているとゆっくりと近付いてくる謎の人。

「君がシルク君です? お初にお目に掛かるですねぇ」

に合わないぶかぶかの白を著た……えーとっ、これ何て言ったら良いんだろ?

「あっあの…あんたは?」

「ん? あぁ……そう言えば名前言ってなかったですねぇ、にへへぇ……うっかりしてたですぅ、メェは羊の獣人でメェと言うですっ」

リアクションに困ってたら向こうから名乗って來た、ひっ羊の獣人? よっ良く分からないが……羊を數えたら羊の獣人が來たと? 奇跡的なタイミングで現れたな……。

「んー? まだ顔が赤いですぅ」

とか思ってたら、そう言って心配そうな表をして近付いてくるメェ、あっ……今気が付いたがメェは背が小さい、160㎝くらいだろうか? ふわふわとした天然ヘアーの白髪で頭の天辺にはぴょこんっとアホが1本、耳の上にはくるんっと丸まった角、くりくりの大きな目でオレンジの瞳、可らしい顔立ちだ、背は小さいがそれに似つかわしくない程にが大きい……お腹がすらっとしていておが小さい、そんな型をしている。

「……まだ熱があるですね、それに熱の癥狀が現れてるです!」

そう言いながら、ぺたっーーと俺の額をる、手は小さくてぷにぷに、この格好からして醫者か? もしかして俺を看病しにきたのか?

「なっなぁ……君は」

「んー? あっ、メェはこのお城の醫者だから安心するです」

やっぱり醫者か……あ、そう言えばロアからメェの名前を聞いた事があるな……しかし子供っぽい喋り方だしゆるゆるした雰囲気だから心配だ、この人……いや、この獣人に看病して貰って大丈夫か?

「そっそうか……」

「そうなのですっ!」

むふぅーーっと誇らしげにを張る、そしたら、ぷるんっーーとが揺れた、あっあまり直視出來ないだな…。

「えと…変わった所とかあるですか? 貓尾と貓耳が生えた以外で気付いた事があったら言うですよ」

と、考えた瞬間その考えを振り払う、

そしたらメェが心配そうにどんな癥狀が現れてるのか聞いてきた、なんだきちんと醫者らしい事をするじゃないか……心配して損した……ん?

「いっ今……なんて?」

メェの口からとんでも無い事が聞こえた気がする、貓尾がどうだとか……聞き間違えか?

「貓尾と貓耳が生えた以外で気づいた事はないです? って聞いたですよ?」

首を傾げ話してくるメェ、えっと……ドユコト? 俺が疑問をじていると、メェがぽんっと手を叩く。

「まさか気付いてないです? ほらっ! これですよぉ」

そう言ってメェは布団の中に手を突っ込み何かを摑む

「んぎゃっ!?」

「うぉっ! っぽい聲が出たですっ」

あっ明らかに俺のの一部が摑まれただ、メェは何かを摑んだまま布団の中で摑んだ何かを見せる、それは紛れもない貓に生えてる尾だった。

「可尾ですぅ、にへへー…」

にこっと微笑み掛けるメェ、俺の顔はどんどん驚愕の表になっていく、なっななななっ!

「なんっだよこれぇぇ!」

「何って…貓の尾ですよ?」

いや、なにしれっと言ってるんだよ!

「わっ訳が分からないんだが……」

「まぁ訳が分からないのは無理も無いです、これは毒の癥狀ですからねぇ、それにぃ……えいっ!」

ぎゅむっーー

メェが驚く俺に説明をしてる時だった、メェが俺の頭に手をばしまた何かを摑んだ。

「んにゃにゃ!?」

その瞬間、どくんっーーとが跳ねた、メェが手を離した後、俺は恐る恐るそこに手をばす。

「噓……だろ?」

そこには人には無いがあった、それはメェの言っていた貓耳だったのだ。

「シルク君がけた毒はニャンニャカニャァンと言うです、この毒に犯されたら獣人以外は暫く貓の獣人になるです! そしてっ! その副作用で高熱を出したりするです」

「いっいや……説明されても理解不能なんだが?」

それなんて風邪だよ! 魔界にはこんな癥狀の病気があるのか? と言うか何だよニャンニャカニャーンって! 阿呆なのか? ふざけた毒の名前だ、その毒の名前を付けた奴誰だよよ!

「えへへぇ、まぁ人間界には無い風邪ですからねぇ、理解不能なのは無理も無いですっ! 因みに毒の名前を付けたのはメェです」

ポーズを決めながら、ぱちんっーーとウインクするメェ、お前がつけたのかよ! いや……今はそんな事はどうでも良い!

「これは治るんだよな?」

「時間経過と共に治るですよ? 今の様子だと……あと1時間位したら治るです」

「いっ1時間!?」

ふっふざけるな! この狀態で1時間だとっ! ぺしぺしっと尾が布団を叩く、その様子を見て表がひきつる俺、なっ何が悲しくて貓の獣人にならなくちゃいけないんだ!

「きちんと治るからそんな睨んじゃ嫌です」

「いっ今すぐに治せないのか?」

「無理です」

そっ即答……だと、それでも醫者か! だっだが無理なは仕方ない、ここは不服だが1000歩譲ってれよう、そう思って心を落ち著ける、するといていた尾が大人しくなる。

「この尾…によってくんだな」

さて治るまでは1時間だったな……この間どう過ごす? ヴァームに見付かったら絶対に々される、それは間違いないから見付からない様にしないと駄目だ。

くそっ、熱でが怠いのにこんな事をしないといけないなんて凄い不幸だ、見付からない様に対策を考えていた時だ、メェが急に片手で俺のを押さえ付けてくる。

「どっどうした?」

「えへへへぇ、人の獣人化なんてレアですからねぇ……」

妖しく微笑みもう片方の手で白の中に手をれる、あっあれ? 凄く嫌な予がするぞ。

々と調べるですよ!」

そう言って白から取り出したのは注だ、あっこれ……本気でヤバい奴だ、瞬間にが反応した……だが遅かった、メェは俺のの上に乗る。

「にへっにへへへーぇ、痛くしないですよぉ……ちょっと検査するだけですぅ」

涎を滴ながら、はぁ……はぁ……と妖しく息を吐く、妖しい視線で俺を見下ろしてくる。

「いっ嫌だ! やっやめろよっ醫者がそんな事して良いとおも」

「お注っ! ぶっすんですぅ!」

「いだぁぁぁぁぁぁぁっ!」

問答無用で腕に注を突き刺された、ものすっごく痛いっ! 注の刺し方間違ってるぞ! 痛くしないんじゃなかったのか! やっヤバい……今まで以上にヤバさが桁違いだ! これ、ヴァームやロアの比じゃないぞ!

「にひっにひひっにひひひひっ……」

わっ笑い方がマッドだ、しかも目が完全にイッてしまってる、俺はこの時命の危機をじた……あぁこんな事言うのは初めてかもな。

「ロアぁぁぁぁっ助けてくれぇぇ!」

大きな聲でロアをぶ! まさかロアに助けを呼ぶ事になるなんて思わなかった、だがこうでもしないと俺は助からない! さて後は……。

「にひっにひひぃ…まずは貓耳から調べるですぅ」

艶かしく貓耳をってくるこのマッドな醫者をどうにかしないといけない、俺とメェの戦いの火蓋今が切って落とされる!

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