《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》40
食堂でロアの料理をゆっくりと食べる俺、折角作ってくれたんだ全部食べたいが食指が進まない、可能な限り食べるか……そう思ってお粥を口に運ぶ、隣にいるラキュも同じを口にれる、するとラキュがふとスプーンをテーブルに置いた。
「ねぇシルク君しお話していいかな?」
「からかわないなら良いぞ」
「くははっ、大丈夫からかわないよ……なくとも今はね」
ラキュがくすくすと俺に笑い掛けて來る、なくとも今はって……その他はからかうって事じゃないか!
「……で? 話ってなんだよ」
と、その事を突っ込んでも軽く流されそうなので話を聞く事にする。
「姉上の事だよ」
すると真剣な口調で話してきた、真剣な顔で話すラキュ、俺はスプーンをカウンターに置きラキュの話をちゃんと聞く事にした。
「姉上は、シルク君の事を本気でしてる…だからちゃんと見てあげてよ?」
「それと似た言葉をヴァーム達に言われたよ、お前で何度目になるかな……」
「そうだろうね……僕達は姉上のを応援してるからね」
「応援…か」
正直分からなくなって來たんだよな、俺の中に迷いが出て來た、そう言えば迷い始めたのは何時からだろうか?
ナハトと別れて再開を約束して何年も経つ、會うとしてもあいつは何処にいるか分からない、そんな狀況で俺の事を好きだと言う奴が表れて過剰な表現を俺に向けてくる、それがロアだった。
「……そろそろ食べよっか」
俺が無言のままでいるとお粥を指差しながら言ってくる、俺はそれに頷いた。
「そうだな……」
答えを出すとか言って結局迷ってる、けないな俺……そう思いながらお粥を食べる、その時だ……。
「あっシルク君、貓耳消えたみたいだよ?」
不意にラキュがそんな事を言うので頭をってみる。
「本當だ…消えてる」
あの貓耳は消えていた、元の姿に戻れた! たっ助かった……これであの羊に滅茶苦茶にされずに済む。
「良かったね…あっでも、姉上が殘念がるかもしれないね?」
「ん、どうしてだ?」
「え、聞きたいの? シルク君が寢てる間に貓耳ったり舐めたり々したうえ……」
「そっそこまでにしてくれ! 大想像ついた」
ラキュは「そう?」と言って悪戯に微笑んだらロア……お前、看病してたんじゃなかったのか? 油斷も隙も無い奴だ。
「々と話したかったのになぁ」
ラキュは頬を膨らまして不満顔、と言うか見てたなら止めてくれよ!
「んー……あっやっぱり黙って食事とか無理だ、何か話そう!」
ラキュはお粥を一口食べて話してくる、俺的にはもう靜かにしてしいんだけどな……。
「何か聞きたい事は無い? 何でも答えるよ」
「知りたい事か……」
まぁ、何でも答えると言われたら何かを言うしかないだろう……と、言ってもそんな急には知りたい事なんて出てこないぞ? うーん、じゃっ、この質問を投げ掛けて見るか。
「じゃぁ、ラキュの好きな人のタイプを教えてしい……人を散々からかったんだ、それくらい聞くのは良いだろう?」
「とっても言いにくいを聞いてくるね…良いよ教えてあげるよ」
痛い事を聞いてくるねって言っておきながらあまり困ってないな様子だ、笑顔で返されてしまった、なんか悔しい! そんな事はさておきラキュの好きな人のタイプって何なんだ? 全く摑めない奴だから凄く気になってしまう。
「僕が好きな人のタイプ……それは」
ごくりっと唾を飲み込む俺、どんな人が好きなんだ? 真剣な雰囲気が出る室、ラキュがゆっくりと口を開け真剣な顔をして語る。
「生活が無くて、怠け癖があって、のんびり生きたい! って思ってる人かな? あっあと、食獣を倒せる強い娘だね」
とてもうっとりとした顔で語るラキュ、えと……これ、俺どんな反応をしたら良いんだ? いや……そんな奴、どこ探してもいないだろう。
「そっそうか……」
取り敢えずこう答えるしか無いだろう、ん? 待てよ? 俺の中で1人心當たりがある。
「僕はね、そんなに憧れて掃除洗濯料理、何でも出來る様に日々頑張ってるんだよ、後は食料調達をしてくれれば僕はなんだってするよ!」
「おっおぅ……まぁ、がっがんばってくれ」
なっなんだ……この何とも言えないじは! 好みが奇特過ぎて何にも言えない!
「シルク君の周りの人に無いかな? そんな殘念で強い娘」
「いっいるにはいるぞ? 食獣を倒せるかどうかは知らないが…」
言おうかどうか考えた結果言う事にした、すると食いる様に俺の肩をがしっと摑んでくる、いたっ! そんな強く握るなっ、必死すぎだろう!
「えっ、本當? どんな人か教えてしいな」
「あっあぁ……えと、髪はポニーテールで黒髪…背は165…と言ってたな、俺の馴染みで大人しくてしびっくりする様な事をする、そんな人だ」
「へぇ…馴染みなんだ」
ふーん…と言って目を細めるラキュ。
「で、名前は何て言うんだい?」
「アヤネ ブレイブだ、有名な剣士の家庭に生まれた1人娘、剣の修行が面倒臭くなって家出してる…今年で3年目になるらしい」
「最高じゃないか! 僕好みの人だね」
いや、それは最高なのか? まぁ……本人がそう思うのなら構わないんだが……。
「で、シルク君はアヤネって人の事をどう思ってるんだい?」
「ん? まぁ……親友ってじだな」
「じゃ、僕が貰っても問題無いって事か……」
不気味に笑うラキュ、こっこれは喜ぶべき所なんだよな? 親友の事が好きになった人が現れたんだから……。
「まぁ、その…なんだ…応援するよ」
「くふふ…ありがとう」
そう言ってラキュは腕組みをして、不適な笑みをこぼす。
「さて、シルク君は病人だから話しはこれくらいにしようか……それ全部食べられる?」
「ん…大丈夫だ、食べられるぞ」
此処でロアの作ってくれたお粥を食べるのを再開する、話しているにし冷めてしまった、折角ロアが作ってくれたのに悪い事をしてしまった、そう言えばロアの指には傷があったな…もしかしたら、料理の最中に包丁で指を切ったか?
「姉上料理の腕が上がったなぁ、以前とは大違いだよ」
「そうなのか?」
以前とは大違い……そんなラキュの言葉に俺はこう思う、俺の為に料理の特訓をした……っと、俺の為にしてくれるロア、俺には好きな人がいて今も迷ってる、その事は凄く大事だ、だが今すべき事は病気を治してロアを安心させるのが先だ。
俺はそう思って今だけその事を考えるのを止めた、過去の相手か今の相手……どうすれば良いかなんて直ぐに答えが出る訳が無い、ゆっくりで良い、ゆっくり考えて必ず答えを出そう。
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