《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》41

俺がお粥を食べ終わった後、ラキュが立ち上がって話し掛けてくる。

「シルク君は病人だし寢なくちゃね……姉上の部屋まで送るよ」

「え……」

するとラキュがそんな事を言ってくる、そうだった……俺1人でじゃ帰れないんだった、何故ならあの部屋には謎の魔法が掛かってあるだ、なので1人で帰れない……ラキュはどうするつもりだ? まさかお姫様抱っこして連れて行くんじゃないだろうな?

「安心しなよ、お姫様抱っこなんてしないよ」

「っ!」

ラキュの言葉を切っ掛けであらゆるお姫様抱っこの記憶が甦る、と言うか俺が思ったのは……。

「その顔は何で知っているって顔だね? 影で見てたから分かってるんだよ」

影で見てた、まさかあれを見られてたとはな……だったら助けろよ! 他人事の様にけらけらと笑うラキュに軽く睨んでやると、こほんっーーと咳払いして話を始める。

「移には転位魔法を使うよ」

「てんい……まほう?」

「そう転位魔法、簡単に言えばワープだね」

そう言ってラキュは指をぱちんっーーと鳴らす、すると、ごとっーーと重いが落ちる音が聞こえ棺桶が現れる。

「あっこれって!」

「そう、あの時の棺桶だね」

ロアから逃げてた時に追い掛けてきた棺桶だ……持ち主お前だったんだな……で? これでどうするんだ?

「普段は僕の部屋と繋がってるんだけど今は姉上の部屋と繋がってるよ」

そう言って、棺桶の扉を開ける、その中は、ぐにゃりーーと空間が歪んで見える、めっめちゃくちゃ怖いんだが……らなきゃだめか?

「さっ、行こうか」

「え……行かなきゃ駄目か?」

「駄目だね、これしか方法がないんだよ」

なんか怖いからりたくない……だが、これしか方法が無いのなら我慢するしかないか。

「分かった……じゃぁ、行こう」

そう言って俺は棺桶の前に立つ、あぁ……やっぱり恐いな。

「……よしっ!」

意を決して棺桶の中に1歩踏み出す、その瞬間! 周りの景がぐにゃりっと歪んだ、うっ……し気持ち悪い、だがそんな気分は直ぐに消えて周りの景に変化が訪れた。

「……ロアの部屋」

そう、景がロアの部屋になったのだ、ラキュが言うようにワープしたのだろう……こんなに意味不明な験をしたのに何故か心が落ち著いてるのは今、病気で頭が回らないからだろう。

「ラキュありが……あれ?」

お禮を言おうと後ろを振り返ると棺桶が無かった、ラキュの姿もそこにはない、てっきりついて來るのかと思ったがそうじゃなかった。

「寢るか……」

いないならお禮が言えない、仕方無いので寢てしまおう、そう思ってベットに近付く。

「ん?」

誰か布団を頭まで被って寢ているこの頭は……。

「ロア……か」

の艶のある髪、布団を捲ると「すぅ……すぅ……」と気持ち良く寢息をたてている、あれから恥ずかしくなって出ていって布団に丸まって悶絶してそのまま寢てしまったって所だろうか?

「これじゃ……寢られないじゃないか」

つんつんっとロアの頬を突っつく。

「んっ……むにゃ……」

くっ……こっちの気持ちも知らないですやすや寢やがって。

「いや…頑張って看病してくれたから仕方ないか……」

だから無理に起こしてしまうのは気が引ける……。

「……」

風邪が悪化しそうだがソファーで寢てしまおう、そのままベットから立ち去ろうとした時だ。

「しる……くぅ……」

がしっーーと腕を摑まれる、えっ……なっなんだ!?

「おっおいロア、はなっ…わっ!」

そして、ぐいっとベットに引っ張られてしまう。

「くふふ……」

「ろっロア! 何やって…むぐっ!」

そのまま抱き締められてしまう、そしてそのまま俺の腰に手を回してくる、だっダイレクトにロアのらかいが俺のに伝わる、ロアの寢顔が近くで見える……かっ可い。

「んん……」

くっ……起こしたら可そうだと思えて來てしまった。

「いや、これは……やばい」

が持たない! だがここは全力で我慢するしかないだろう……するとロアの寢息が俺の前髪を揺らす。

「……くっくすぐったい」

と言うかロアは寢てるんだよな? 何か怪しくなって來たぞ? 寢たふりじゃないだろうな? いや……確実に寢てるだろう、だってこんなに気持ち良く寢息をたててるからな……いっいや、それでも寢たふりだったと言う事もありえる! ぐぬぬぬ……どっちだ? どっちなんだ!

「ん……」

々と考えていると、ロアがもごもごとく……。

「むちゅ……んんっ」

「んっ!?」

それはいきなり起きた事だ……俺のにロアが突然キスをした……それはらかで溫かいキス……っ! いっ今はそんな事を考えている場合じゃない! こんな事をされたら本格的に俺の理がやばい!

「ぷちゅ……んっ」

「くっ……んっ……ろ……あ」

これはぜったい起きてるだろっ! 起きろ! と言いたげにべしべしとロアを叩くが離してくれない、キスをしていくになんだか脳けていきそうだ。

「くちゅ……んちゅ……んんっ」

何度も何度も角度を変えてキスをわしている、時折舌で俺のを舐めて抉じ開けようとしてくる。

「んっ……ぐぬっ……ふっ」

淡い息を洩らしてしまう俺、こっこんなの本當にどうにかなってしまう! 寢ようと思って部屋に戻ったのに……これじゃ寢られない! と言うか本當に俺の理が崩壊してしまう!

「ちゅぅ…くふふ……しるくぅ……すきぃ」

どきんっーーその言葉に心が揺れく、かっ可い過ぎる、素直にそう思った。

「すきぃ……んー……すきじゃ……」

を離して小さな言葉で話してくる……その聲には何処か切なさをじた、俺の事が好きだからこその行為なのだろう。

「…………くっ」

俺はロアのキスにじながら考える、俺には好きな人がいる……だからロアの告白を斷った、だけどロアは諦めずに俺の気を引こうとしてくる……もしかしてこの行為は俺が素っ気ない態度をとって寂しいからするんじゃないのか? 俺はそう思い苦悩しながらロアのキスをける……そのキスはねっとりと長い間続いた……。

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