《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》43

「ふぅぅ…お腹いっぱいですぅ」

サラダを沢山食べたメェは満足そうにお腹をでる、その前ではメェに背を向けた鬼騎が仁王立ちしている、これはきっと照れ隠しなんだろうな……だとしたら照れ隠し方が獨特過ぎるだろっと言いたい、そんな鬼騎は今中から湯気が出ている。

「ご馳走さまですぅ、また食べに來るですよぉ」

メェはそう言った立ち上がり部屋から出ていく……え? もう帰るかのか? ただ食事しに來ただけかよ!

「なっなんだったんだ?」

「気にするでない…メェは何時もあんなじだ」

そっそうなのか……良く分からない奴だな…あっ朝食取られた! 今更ながらその事に気付いた時、鬼騎が俺の目の前にゆっくりと先程のサラダを置いてくる。

「悪いなしぃ坊…まぁ許してやってくれや、ちょっとした悪戯だからよ」

「あっあぁ……それは良いんだが」

気に語ってくる鬼騎、さっきまで様子が可笑しかったのに元の喋り方に戻った様だ……その答えは分かっているのだが、一応聞いておこう。

「鬼騎、お前……メェの事が」

「病み上がりなんだ、腹に何かれんとなっ! かっかっかっ!」

言葉を遮られてしまった、鬼騎よ……誤魔化してるんだろうがばればれだぞ? 何故なら尋常じゃ無いくらい汗を掻いてるからな!

「はぁ……これでは何時まで経っても就せんのぅ」

「ろっロア嬢、なっ何の事を言ってる!」

で、分かり易く慌てると……もうこれは完全にしてるな。

「相変わらずメェが側にいると駄目駄目じゃな」

「だっ駄目じゃねぇよ! かっ會話しただろうが!」

えと、會話ってどの辺りを言ってるんだ? 俺には鬼騎が終始あたふたしていた様にしか見えなかったけど……。

「……まぁ深くは突っ込まんよ」

再び大きなため息をつくロア、鬼騎の新たな一面を見てしまった、見た目が屈強だからそっち方面でも積極的になるのかと思ったけどそうじゃなかった、俺は皿にのったサラダを食べながら思う、うん、今日の料理も旨い。

「さてシルクよ食べ終わったら暖かくして寢るのじゃぞ? 今日1日はゆっくり休んでもらうのじゃ」

「……分かってるよ」

ロアは微笑んで言ってくる……そう言えばこの微笑みもナハトに似てるんだよな、っ! 駄目だ……その事を意識していたら顔が熱くなってくる。

「ん? 顔が真っ赤じゃのぅ」

ロアが俺の額に手を當てる、ひんやりと冷たい手だ……でもとても綺麗でらかい、今思えばこのも……。

「ナハトに似てる……」

「……え?」

!! 俺は一何を言ってるんだ……つい思っていた事を口に出してしまった、恥ずかしさのあまり咄嗟に自分の口を閉ざす。

「まだ熱があるようじゃ、もう眠ると良い」

「そっそうだな……」

ロアは気にする事なく俺の頭をでてくる、あっ頭をでる必要はあるのか? と言うかロアが凄い笑顔だ、どうしてだ?

「あっ、鬼騎……料理、殘してごめんな」

「気にすんな、元気になったら完食してくれや」

拳を握り親指を立てて笑顔で話す鬼騎、ロアは俺を寢かせ布団を掛けてくる。

「わらわはもう行くのじゃ」

「あぁ…」

そう言って部屋の出口まで歩いて行くロア、すると微かに何かの音が聞こえた、なんだ? 誰かが走ってくる音の様だが……。

「むっ!」

急にロアが扉の前から離れる、すると……。

「忘れしたですぅ!」

メェだ……メェがまた扉を勢い良く開け放ってって來た。

「うっおぉぉぉぉぉ!?」

尋常じゃ無い位驚く鬼騎……直ぐに後ろを向いて仁王立ち、せめて前みてくれよ……。

「全く、騒がしい奴じゃ」

呆れながらロアは喋り頭を軽く掻く。

「にひひひぃ…」

「照れるでない!」

アホをぴょこぴょこさせながら照れるメェにすかさず突っ込む、そんなロアの姿はなんか新鮮だ。

「で、忘れとはなんじゃ?」

いきなり本題にるロア、メェは表をいつになく真剣な表にする。

「はい、それはですねぇ…」

そう言って鬼騎のいる廚房にって行くメェ……何をするつもりだ?

「っっっ」

焦りまくる鬼騎、もうの震えが止まらない……メェはそんな鬼騎を見上げつつ後ろに手を組む。

「きぃ君…」

「なっなんでございましますかっ!」

噛みまくりの鬼騎に対しメェの聲音が甘えた聲になった…あの仕草、ちょっと可い……とし見とれていた時だ、いたっ! ロアに叩かれてしまった。

「なっなんだよ……」

「別に何でもないのじゃ……」

? 頬を膨らませてる……おっ怒ってるのか?  俺はロアに話し掛けようとした、まさにその時だ。

「ぎゅぅぅして良いですかぁ? 斷ってもするですけどっ」

そう言って鬼騎にハグ……その瞬間、鬼騎は聲を上げる事なく完全に直した。

「にひひひぃ……素晴らしい筋ですぅ、メェは1日に1度この筋に抱き付かないと生きていけないですぅ」

マッドな時のメェと同じ口調…こっこれは々とやばい奴じゃないか?

「……さっ、行くかの」

「え? 助けないのか?」

あのまま鬼騎を放っておいたら大変な事になると思うんだが……だって。

「…………ごふっ」

でるから……鬼騎を心配しているとロアが俺に呟く様に言って來る。

「人のスキンシップの邪魔しちゃ悪いじゃろ?」

……あぁる程って! それでいいのか?

「えひひぃ……きぃ君っきぃ君っ」

ぎゅっと自分のを押し當てるメェ……実際に俺も似たような事をやられたから分かる、どうやらメェは鬼騎の事が……。

「きぃ君の筋さいっこうですぅ……」

好きらしいな……そうじゃなければ恍惚な笑みを浮かべて人に抱きついたりしない、その気持ちは鬼騎には伝わってなさそうだがあんな事されたら何も考えられない……俺と同じ様なスキンシップをされてたんだな鬼騎。

「邪魔者は去るのが一番じゃ」

「……そうか、と言うかこの場に殘された俺はどうすれば良いんだ?」

「……がんばれ」

いや何をだよ! そう突っ込もうと思ったがロアはさっさと部屋から出ていってしまう、この狀況……凄く気まずい、目の前で過剰スキンシップするメェとそれをける鬼騎……背中しか見えてないが分かる、これ完全に魂抜けてるな。

「……」

廊下を無言で歩いて行るロア、その表は何処か寂しげ……どうしたのだろう?

「こそこそ隠れて何のつもりじゃ?」

「気付いてたんだ……」

ロアがそう言うと何もない空間からラキュが出てくる。

「隨分疲れてるみたいだね……」

「ふん……お前が心配する事じゃないだろう」

心配そうな顔をするラキュに対して素っ気ない対応をするロア、そのまま2人で廊下を走っていく、走る理由はロアが掛けた『時速50キロで走らないと迷う魔法』が廊下に掛けられている為である。

「……々とがんばるね」

「頑張らないといけないじゃろ?」

優しい笑みを向けロアの肩に手を置く、ラキュは深く息を吐いて笑顔が一変して真剣な表になる。

「……姉上」

「なっなんじゃ? いつになく真剣な顔をして……」

なにやらラキュの様子が可笑しい……「くくっ」と言う笑みを溢し不穏な空気を出す、し怖くなったロアはラキュの手を払おうとする。

「黙って寢てきなよ」

が、ロアがそれをする前にラキュが何かを仕掛ける。

「なっ何を……」

ロアが話した瞬間、紫が眩しくる、そのに當てられたラキュは姿を消してしまう、そしては消えてしまう。

「やれやれ……こうでもしないと姉上は言う事聞かないからね」

ラキュはその場に立ち止まり窓の外を見る、するとその背後で何かがく気配をじる。

「相変わらず手荒いやり方ですね」

その気配はラキュに話し掛ける。

「……ヴァーム、何時からいたの?」

その正はヴァーム……本當に神出鬼沒なドラゴンだ、ラキュは背を向けたまま話し掛ける。

「で? そっちはちゃんとやったの?」

「はい、鬼騎さんとメェさんは私が何とかしましたよ……うふふふ」 

不適な笑みを浮かべるヴァーム、ラキュは鼻で笑って苦笑する。

「そっちだって荒っぽい事やったみたいじゃないか」

「いえいえ、そんな事はありません……」

……一二人に何をしたのやら、ヴァームは満面の笑みで笑う、それが恐ろしくてたまらない……。

「今頃、シルクさんとロア様は偉い事になってるでしょうね」

「そこはシルク君が何とかするんじゃない? 心配してたみたいだし……」

ラキュは窓から離れた後、マントを靡かせ振り返りヴァームの顔を見る。

「そうですね、きっと今頃は……」

『どっどっから出てくるんだよロア!』

『これっこれには深い訳があるんじゃ!』

『深い訳って何だよ!』

『しっ知らぬっ!』

「っと言う事になってるでしょうね……」

「ヴァーム……凄く楽しんでない?」

「當たり前です、ロア様もシルクさんも弄ると面白いですから……そう思うのはラキュ様も同じですよね?」

そう問われたラキュは下を向いて笑みを溢す。

「良く分かってるじゃないか」

「えぇ、メイドの嗜みですから」

そんな嗜みあってたまるか! と言う突っ込みをれるはここにはいない。

「……じゃ、僕は行くよ」

「お待ちください」

この場から去ろうとするラキュを呼び止めるヴァーム、にこにこと何かをじさせる笑みを見せる、その笑みを見て瞬時に何かを悟ったラキュ……直ぐ様床を蹴り廊下を掛ける! だが……。

「何処へ行くんですかラキュ様」

「従者を押し倒すとは良い度じゃないか……」

ヴァームがラキュの足を払って転ばせマウントポジションを取り「うふふふふ……」とヴァームは笑いながらからとある裝を取り出す。

「あの夜の時は逃げられましたからね……今度は逃がしませんよ?」

取り出したのは犬耳と犬の尾……あとは服なのだが生地の面積がない……お腹とおへその部分がない。

「一応聞くけどさ……」

廊下に押し倒され何とか喋るラキュ……笑顔で話しているが心は凄く怒っているだろう。

「はい、なんでしょうか?」

そんなラキュの問いに笑顔で応えるヴァーム、腕の関節を極め簡単には逃げ出せない様にする……このメイド、本気で自分の従者にコスプレさせる気だ。

「僕に拒否権は?」

「ありません」

「……ヴァーム、君はメイド失格だよ」

吐き捨てる様にラキュは呟く……その直後彼がなすすべ無くコスプレされたのは言うまでもない。

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