《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》487
今日も今日とて賑やかな食事。
いつもと変わらないなぁ、そう思う裏で俺はドキドキしていた。
「…………」
どうしよ、昨夜の事があってまともにロアが見れない。
あの話し、本當なのか? ほんとだとしたら、俺は……。
「シルク?」
「っ!?」
ビックリした、急に俺を覗き込んで來るロア。
不思議そうに俺を見ている、まっ不味い……俺の態度が変だったから不審に思ったか?
「どうした? 食べもせんとぼけぇっとしおって……風邪でも引いたかえ?」
「あ、いや。大丈夫だ、なんともないぞ」
そう言って強引に笑ってパクリと食べる。
ロアは不思議がってたが「そうか」と言って、また食事を続けた。
あぁ、ダメだ……無駄に警戒してる、落ち著かないと本當にバレるぞ。
と言うか、話し掛けて來たロアも顔が変だった。
なんか、全的に紅かった気がする。
……うん、えと、あれだ。
食べよう、何事も無かったかのように。
俺の気のせいって事もあるだろうしな。
「んー……きょうもおいしいなぁ」
そして、何気なく料理の想を言ってやる。
因みに今日の食事はカレー、朝からカレーかよ……なんて思ってるが、味しく頂いている。
「……今の棒読み」
「っ!」
っ、俺のもう片方の隣に座ってるアヤネが激しく突っ込んできた! いっいや……棒読みじゃないから。
心の奧底から出た想だから!
「なんじゃ、さっきから様子が変じゃのぅ」
「へっ、変な事あるか。俺は平常運転だぞ」
はははは、と笑いながら答えたら……やばい、疑いの眼で見てきた。
やばいなぁ……凄く張して汗かいてきた。
「ふぅむ、そうは言うがのぅ……汗ダラダラじゃぞ?」
「うん。汗だく」
「え!? あっ……こっこれはぁ……かっカレーが辛いからからなぁ……あははは」
そっそう、カレーが辛いから汗をかいたんだ。
見事な言い訳だ、いやぁ……焦ってはいるが上手い事言い訳出來るんだなぁ。
「ん? でもしぃ坊……お前のカレー、甘口だぞ? 辛いなんてありえるのか?」
「……え」
……っ、こんのぅ鬼騎めぇぇ! 余計な事を言ったなぁ!
とは思うが、今気付いた。
俺のカレー、甘口だわ。
今更気付くとか、俺はアホか!
「あ、えぇ……あのぅ……」
なんて、思いつつ必死に言う言葉を考える。
えぇと……あぁ……んー……よっよし! これで行くか!
「ほっ、ほんと辛いんだよ! これ甘口じゃないぞ」
「ほっほんとか! いやぁ……すまんなぁ、うっかりしとったみたいだな」
カッカッカッと豪快に笑う鬼騎。
よぅし、手応えありだ! 誤魔化しに功したぞ、あ……でも鬼騎には悪い事したな、本當は味しい甘口カレーなのに。
でっでも仕方ないんだ、ほんとごめんな鬼騎!
と言ったじに心の中で謝罪してると、「ふぅん」と唸るロアと「へぇ……」と唸るアヤネ。
ふっ二人も誤魔化せた……かな? 確信が持てないでいると、不意にロアが俺のカレー目掛けてスプーンを近づけて來た。
「どれ、汗かく程辛いカレー……わらわも食べて見たいのじゃ。シルクよ、一口貰うぞ」
先程の顔が赤くなったままの表でそんな事を言い出した。
その後でアヤネも「私もぉ」と言い出した。
やっヤバイ! 流石に食べられたら噓がバレる、こっこうなったら……っ!
俺は、ガッ! と皿を摑んで持ち上げ手に持っていたスプーンで一気にカレーを食べる。
行儀悪いが気にしてられない! 噓がばれたら気まずくなる……それを避けるための最善策だ!
そう思いながら、カレーをかきこむ。
多分皆ぽかーんとしながら俺を見てるだろう……だが、構うことなく食べ続けた。
くぅぅ……こんなに味しいカレー、出來ればゆっくり食べたかった!
「しっシルク! それ、辛いんじゃないのかえ!」
いいや、辛くない。
野菜の甘味が効いた味しいカレーだ、とろみも抜群だぞ。
「すごい……どんどん食べてる」
そりゃそうだ、食べやすいんだもの。
……と、あとしで食べ終わるな。
「……っ。ごちそうさま!」
トンっ! とカレー皿とスプーンを置いて俺は立ち上がった、皆の視線が一気に突き刺さる。
そんな視線に気圧される事なく。
「仕事いってくる!」
そう言って出ていった。
あぁぁ……噓は張れずにすんだが、こんなの怪しさ抜群じゃないか! もっと上手く出來なかったのか。
そう、うなだれながら俺は廊下をトボトボ歩いた……。
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