《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》493
ロアが先程思い付いた方法、それは……。
「わらわが全くの別人に化けシルクに會う! その際、自分の素は全て隠すっ」
寢そべりながらどや顔をするロア、ヴァームは口をぽかーんと開いて暫く何も言えなかった。
何を言い出すんだこいつは、なんて事を思ってるんだろう。
だからなのか、ヴァームはストレートにいった。
「それ、人間界に行く意味ありますか?」
告白をしにいく為に人間界に行く。
なのに化けて素も隠したら行く意味が無い、何しに人間界に行くんだ! と言われても可笑しくない。
そう、可笑しくないのだが……ロアはと言うと、くふふふふぅ、と笑ってる。
不気味だ、「それ、言われると思ったのじゃ」と言わんばかりの顔をしている。
「くふふふ……甘いなヴァームよ」
「甘いんですか?」
「そうじゃ、甘々じゃ!」
いやいや、甘いのはロアの方じゃないのか? なのに、なんでそんな自信ありげな顔をするのか?
「わらわが、その事を考えてないとでも思ったのかえ?」
「……と言う事は考えあっての発言だったと?」
「あったり前じゃ!」
なんと、考えあっての発言だったらしい。
これは気になってきた、一どんな考えがあるんだ?
「その考えとは?」
「うむっ。わらわ、人間界には1ヶ月しかおれんのは知っておるな?」
「はい、それが條件ですからね」
「その通りじゃ。でもな? 明らかに1ヶ月では実際に會ってもいない相手に告白して功させるなんて不可能じゃ」
「まぁ……はい、そうですね」
ふむ、言ってる事は正しい。
だが、まだ化ける意味が見えない……。
「じゃからな、化けるんじゃよ。人間の姿にな! あぁ……その際、口調も変えるのじゃっ、そうせんと意味が無いからな」
「はぁ……そうですか」
全く理解できないヴァーム、だってまだその事を説明されてないからだ。
前置きはその辺にして、そろそろ話してほしい。
「まぁあれじゃよ、わらわがシルクと同じ人間に化ける事によって警戒心は無くなるじゃろ?」
「はい、そうですね」
「それと、口調を変える事によって……えと、なんかこぅ……あれじゃ、親しみが沸くじゃろ?」
「はぁ……、それは分かりませんね。そこについては何も考えて無かったんですか?」
「うっうるさい! どっどうせ変えるなら喋り方も変えたいじゃよ、わらわは!」
……聞いていればちゃんと筋は通っている。
確かに化ける意味はある、素を隠すのも変に警戒されない為と見る。
ほぉ……中々どうしてきちんと考えられている、お見それした。
ヴァームも、ロアに心してると、ずりずりといてを起こしてベットから降り立ち上がる。
そして、腰に手を當ててビシッと格好良いポーズをとった。
「くふふふふ。見事な考えじゃろ?」
「はい、そうですが……期限は1ヶ月なんですよね? 人間に化けて素を隠したままで告白して仮に功しても最終的には正がバレますよね?」
「うむっ、まぁそうじゃの。じゃがな……この1ヶ月の猶予は取り敢えず"好きだと伝える"と言う事を重要視するのじゃ」
ほぉ、また意味深な事をいった。
それをいったあと、ポーズを止めてベットに座る。
「はぁ……」
「ふむ、またまた理解出來んようじゃな」
「はい、申し訳ありません」
そんなヴァームの言葉に「気にするでない」と優しく言った後、また話し始めた。
「つまりな? どう考えても1ヶ月では告白なんて無理じゃからな……告白への布石作りをするのじゃよ」
「布石……ですか」
「そうじゃ、1ヶ月會って親睦を深めれば深め、好きだと伝えるっ、この時、返事はどうでも良い。伝える目的じゃからな、告白した後はこう言うんじゃ、またいつか何処で會おう……とな」
「あら。まるで語みたいですね」
「じゃろ? ちょっと憧れたからやってみるのじゃ」
後半個人的な事もあったが、うん……やっぱりちゃんと考えられている、しかしだ、ロアが言ってる事には大きながある。
「ですがロア様、その計畫は、またシルクと言う人間に會う事を頭にれた計畫ですよね? また魔王様の許可をとるおつもりですか? し厳しくないですか?」
そう、その為にはまた父の許可がいる。
斷れば、大泣きして手に負えなくなる、ロアはその點の事を考えているのか?
「あぁ、それについては考えておるよ。父上の言い付けを破らずに人間界へ行く方法がな……まっ、かなり強引じゃし沢山の魔を巻き込む事になるがの」
なんと、考えていた。
でも、沢山の魔を巻き込む? また騒な事を言い出した。
「それ、詳しく聞いても良いですか?」
「あぁ、すまぬ。それについてはやる時に話す、今はヒミツじゃ」
しかし、話すのは後……気になる言い回しだ。
「その変わり、わらわの計畫にはな、とある大きな効果があるんじゃ、わらわが得する効果がの。それを教えるのじゃ」
って、ん? 大きな効果がある……それは一なんだ?
ヴァームも気になったのか、スッと姿勢を正し聞く。
「まずっ、人間に変裝する事によって……面と向かって會うのが恥ずかしいっ、と思ってるわらわの張を抑える事が出來るのじゃよ!」
眼をカッ! と見開いて凄いことを言ってのけた。
いや、凄い……のか? なんだかけない事を言ってる気がする。
「それとな?」
お、まだあるしい。
今度こそ、素晴らしい効果に違いない。
「まず、人間に化けた姿のわらわを見せ。とある事をして人間界に行く。その時にまたシルクに會うのじゃが……この時はこのままの姿で會うのじゃ! そしてわらわは実は魔族なんじゃ! と伝えるっ。それをするとあら不思議! なんやかんやでシルクはわらわの事を好きになるんじゃ」
「…………」
…………うん。
真面目に長々と語ってる所悪いが、全く意味がわからない。
「あっ! 言い忘れておったが、會うときはセカンドネームを使おうと思っておる。ドラキュラのの文化じゃな……なんか、良いじゃろ?」
……ヴァームは々と突っ込みたくなった。
だけど、突っ込み所が大量すぎて……突っ込むのを止めた。
「そうですか、頑張って下さいね……」
だから変わりにこう言った。
面倒になったから言った言葉、だけどヴァームの言った「頑張って」は心の奧底から言った言葉だ。
々と辛辣な事を言ったヴァームだが……ロアがシルクを好きになった時、その事を表には出していないが応援しているのだ。
その事を今のロアは知らないっ。
「もちろんっ、頑張るのじゃっ! という訳でヴァームよ。人間に変裝するから協力するのじゃ」
「はい、了解しました」
にっ、と優しく笑うロアにそう言うとヴァームは「では、私の部屋に行きましょうか」そう言って案する……。
この數日後、ロアは人間界へと向かう。
それこそが、ロアがナハトと名を偽ってシルクに會った前の出來事……。
その事を今、シルクは知った。
それを知った彼は、今何を思ったのか? そう思うなか、ヴァームは続けてロアの過去の話しを続けていくのであった。
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