《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》496

私は廊下を走っています。

シルク様が出ていってそんなに時間は経っていません、ですからシルク様に追い付く事は可能……なので慌てる必要はないんですが、一応走っています。

「シルク様……どうしてロア様にあんな顔をするのですか」

まるで生気が抜けたかの様な顔……。

そんな顔、ロア様に見せないで下さい、なんでそんな顔を見せるんですか。

シルク様、貴方はロア様の過去を知って何を思ったんです? 何を思ってあんな……っ!

「いましたね」

し遠くに、元気無さそうに歩いてるシルク様がいました。

見付けたらこっちのもの、さっそく近付いて強引に私の部屋に連れ込みお話しましょう。

どうしてロア様を避けるような態度を取るのか、について詳しく話をするんです……っ!

「あ」

そんな事を考えてたら、シルク様の側にアヤネさんが現れました。

ほんと、あの方は神出鬼沒ですね……度々驚かせてくれますよ。

って、驚いてる場合ではありませんね……早く近付いて連れ込まないと……あら?

「なっなんだか、様子が可笑しい……ですね」

なんだか話をしています、耳を澄ませて見ると……。

「なんだか、元気ないね。なにかあった?」

「あ、いや…………ちょっとな」

こんな會話が聞こえて來ました。

ふむ、なんのへんてつもないただの會話ですね。

と、悠長に話を聞いてる場合ではありませんね、今度こそ近付きましょう。

と言う訳で、歩みを速めました。

すると、シルク様が私が來た事に気付いてこっちを見ました。

アヤネさんも見ています、あら? なんだか眼を細めてますね……。

なんだか意味深ですね、そんな事が頭に過った……その瞬間でした。

「そ。だったら……」

「っ!?」

アヤネさんがシルク様を……お姫様抱っこしました。

突然の事に直する私とシルク様。

え……なっ、なんですこの狀況……私、どうしたら良いんです?

「気分転換した方が良いよ」

「…………は?」

隨分遅れながらも返事するシルク様、そりゃ返事も遅れますよ。

唐突にお姫様抱っこされてそんな事を言われれば……って、それは私達もやってる事ですから人の事は言えませんね。

眼をパチクリさせて、きょとんとするシルク様は……ようやく今の狀態に気付き聲をあげようとします。

ですがその瞬間、私も予想しなかった事が起きてしまいました。

「と言う訳で、私とお出掛けしよ」

「おっお出掛け……って、ちょっ!?」

そう言うや否、アヤネさんは窓を開け腳を掛けました。

「え、なんかこれ……前にもあった様な……」

ポツリと呟くシルク様、いや呟いてる場合では無い様な気がしますよ?

なんか私、嫌な予がしてきました。

「丁度良いところ來た、むーちゃんにお知らせがあるの。よく聞いて」

「え、そっそれはいいですが……危ないので、そこから足を下ろして」

下さい、私が言い終わるより先に……。

「ちょっとシルクと何処かに行くよ。と言う訳で……バイバイ、気が向いたら帰ってくるね」

アヤネさんがそう言って、勢い良く跳び降りました。

「っ! っっっ!?」

聲にならない悲鳴をあげるシルク様、アヤネさんは悲鳴をあげす、華麗に落下。

あまりの景に直する私……。

その數秒後……はっ! と今起きた事に気付きます。

「シルク様が……拐されました!」

一聲あげた後、私は直ぐ様アヤネさんを追い掛ける為に窓から跳び降ります。

嫌な予がしてたのに、みすみす見逃してしまいました……いえ、悔やむのは後です。

早く追い付いて連れ戻さないと……ここで見失ったりしたら更に大変な事が起きる気がします。

ですから、早く追い付きましょう、一刻も速く……っ!

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