《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》497
それは突然起きた。
俺が廊下を歩いてた時に急にアヤネが現れて「やっほ」と話し掛けて來たのだ。
突然だったから何も返事が出來なくてキョドってると……アヤネは急に「なんか元気ないね」と言ってきたんだ。
そして、俺の顔をまじまじと見てきたんだ、ここでやっと平靜を取り戻して何か言ってやろうと思った。
だが……々あって、アヤネにお姫様抱っこされながら落下している。
……うん、ひっじょうに危険な狀況である。
生まれて2度高い所からお姫様抱っこされて落下したのは俺くらいだろう。
「シルク、もうすぐ著地するから口開いちゃダメ」
そんな事を染々と思ってると、そんな事を言ってきた。
だから、ぎゅっと歯を食い縛る。
さっき聲にならない悲鳴をあげたが絶対に開けない様に口を閉じる。
「よっ、ほっ……とっ」
そしたらだ、アヤネが軽快に著地。
そして、その反でが跳んだが……それもに対応した。
ほんとに人間場馴れしたきだ。
「ふふふ、今のかっこよかった?」
にへぇと微笑み掛けるアヤネ。
その間に、しゅたんっと屋から跳び降りて颯爽と走り出す。
「……」
そんな事をするもんだから、凄いなぁと思いながら黙ってると……。
「むぅ。黙ってたら分かんない」
「いてて、いはいっいはいって!」
急にほっぺたつねられた! なっなんだよいきなり!
「ね。今のかっこよかったでしょ?」
むっ、とほっぺた膨らましながら聞いてくる。
え……と、かっこよかったって……そっそれはぁ……。
「格好ぉ……良かった?」
「……むぅ」
「いっいててててっ!!」
つねるなよ! 疑問系なのが気にくわないのか? 仕方ないだろっ。
俺はあの時ドキドキして、良く分かんなかったんだよ!
ペシペシとアヤネを叩いてつねるのを止めさせる。
そして、不満な顔をするアヤネに言ってやる。
「格好良かったぞ」
ほんとは文句のひとつでも言ってやりたい所だが、こう言った方が丸く収まる。
だから言ってやった。
すると、それを聞いて嬉しかったのかにへっと笑う。
良かった、機嫌治ったな。
「えへへ。だったらほめて良いよ」
「……えらいな」
「ふふふ。ありがと」
……。
うん、よろこんでくれてなりよりだ。
「待ちなさぁいっ!」
ん? この聲は……。
「あ、ヴァーム。追っかけて來たんだ」
「そう……みたいだな」
とててて、と走りながらアヤネはチラリと後ろを見る。
俺も同じ様に見てみると、ヴァームは必死に走るアヤネを追い掛けていた。
そう言えば、あの場にいたな。
突然あんな事があったから存在を忘れてたぞ。
「ちょっとシルクを連れ出しただけなのに……むぅちゃんは大袈裟」
なんて勝手な事を言うんだこいつは。
それとなアヤネ……お前がやったのは、ほぼ拐だからな?
「シルク、全力だすからしっかり摑まってて」
「……え? 逃げるのか……っ!?」
俺の質問の返事を聞かずに加速するアヤネ。
だが、ヴァームまだ追い掛けて來ている。
「……しつこい」
街道を疾走しながらポツリと呟き、何かを思い付いたのかニヤリと笑った。
アヤネが向いてる先……魔達が賑わってるな。
え、ちょっ……アヤネの奴、そこに突っ込もうとしてないか!
「魔に紛れて上手く逃げちゃおう作戦」
それ、作戦って言って良いのか? 戦略もなんもあったもんじゃないんだが……。
そんな俺の疑問を他所に魔の賑わいの中にって華麗に賑わいの中を掛けていく。
驚くべき事に、この時誰にもぶつかっていない。
魔達は通り過ぎるアヤネに驚いている。
俺もアヤネのきに驚いた……いやもう、アヤネの能力は分かっているんだが敢えて言う。
「きが軽いな」
「ふふふ、鍛えたからだよ」
そうか、鍛えたからか。
どう鍛えれば高い所から落ちて怪我1つせずにこうも華麗に走れるのか知りたいもんだ。
「アヤネさんっ、止まりなさい!」
っと、ヴァームが追い付いてきた。
あっちもあっちで、あの魔の賑わいの中を抜け出して來たのか……って、うぉっ!?
「とっ飛んでる!」
俺の言った通り、ヴァームは飛んでる。
バッサバッサと翼をはためかせている……あぁそうだった、ヴァームはドラゴンだったな。
だから、空を飛んであの賑わいを攻略したんだ。
「空飛ぶのズルいっ、卑怯者!」
「……それ、卑怯とか関係あるのか?」
「あるっ!」
「……そか」
うん……これ以上は追及しないでおこう、きっと理解できない。
アヤネなりに何か深い考えがあるんだろうなぁ……。
「うぅぅ。どうしよ」
と、相當悩んでる。
まぁ……流石のアヤネでもヴァーム相手だと為すすべも無いか、チラと見て見ると距離も近くなってきている。
こりゃ、捕まって城へ戻されるのも時間の問題かもな……。
「どこ行くか決めてないし、むぅちゃんには捕まりそう……どうするシルク?」
「いや、どうするって言われても……」
ぶっちゃけ、俺は捕まってくれた方が嬉しい。
これ以上、お姫様抱っこで駆け回られるのは恥ずかしいんだ。
さっきから態度に出てないが、ちゃんと恥ずかしかったんだぞ? 別に慣れたとかじゃないから勘違いしないように。
って、誰に言い訳してるんだ俺は。
我に返りアヤネに返事しようとした時、アヤネが何かに気付いてある方向を見る。
「らっくんだ!」
え、あ……ほんとだ、ラキュがいる。
偶然だな……でも、向こうは俺達に気付いてないみたいだ……って、アヤネ? なんでラキュの方に近付いてるんだ?
「らっ君!」
「……ん? あぁ、アヤネか。って、シルク君!? それにヴァームがこっちに來てる。え? これ、どんな狀況!?」
早速パニックになってるラキュに近付いたアヤネはそこで立ち止まり俺を地面に下ろす。
って、なんで下ろした? いや、別に構わないんだが……なんか謎のタイミングで降ろされたな。
なんて思ってると、何を思ったのかアヤネは未だ狀況が理解できてないラキュを……なんと両手で抱き上げ、肩に擔いだ!
「あっアヤネ!」
「っ、え? は? ふぇ!?」
突然の行に理解が及ばない。
あっアヤネ……なっ何をする気だ? ラキュも何がなんだか分からなくて慌ててる。
そんな様子に構うこと無くヴァームは俺達の方へと飛んでくる。
それを見據えたアヤネは、きっ! と眼を鋭くして、腰を低く構える。
「技……」
そして、こひゅぅぅぅ……と息を吐いて呟く。
その時、何故か片手でラキュのズボンを持っている。
その瞬間、ラキュは何をされるのか悟ったのか……。
「あっアヤネ! やっやめ」
聲をあげるが……それを最後まで言わせずに。
「男娘ビューティフル弾バレットっ!!」
そんな掛け聲と共にラキュを投げ飛ばした。
見事に弧を描いて投げ飛ばされるラキュは「っっっーー!!」聲にならない悲鳴をあげ……數秒後にヴァームにぶつかって、落下した。
それを見たアヤネは、にっこりと微笑み「やた」と呟く。
「いや。何がやたっ、だよ。喜んでる場合か! アヤネので大慘事だよ!」
すかさず突っ込んだら、それをスルーして、アヤネはまた俺をお姫様抱っこして駆け出して行った。
こうして、俺とアヤネは……無事? ヴァームの追っ手から逃れる事に功した。
いやぁ、うん、あれだ……最近これと言って大変な事はそんなに無かったが、久し振りに大変な事になったな。
久々に胃が痛くなってきたよ……。
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