《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》514
「シルクはバカ……普通こんな人を振らない」
不意に出た文句、らっ君はそれを黙って聞いてくれた。
……よし、このままどんどん言お、側にはらっ君しかいない、遠慮せず言える。
「ずっと好きだったのに……頑張ったのに。なんでロアを……選ぶの」
私、々したよ? 頑張ったもん……。たまに失敗もしたけど、シルク……笑ってくれた。だから、だからチャンスがあるって思った。
だけどダメだった。
というか、私……なんであそこで気を使ったの? いつも通りすれば良かった。
「強引に……連れてけば、良かった」
……あ、私のバカ、なにいってんの、そんな事したら、シルクが悲しむ。
出來ないって、さっきも思ったじゃん……。
「出來ないぃ、出來ない……よぉぉ」
シルク、すっごい格好良い顔してた。
覚悟決めてた、そんなの見たら……何も言えないよ。
だって好きなんだもん、好きだから……その人のやる事、邪魔……出來ない……もんっ。
「うぅぅぅ……ひぐっ……」
ぽたっ……ぽたっ……。
ほっぺた熱いなとじてたら、大粒の涙が床に落ちてた。
そんなのお構いなしに私は泣き続けた。
そんな中じる、らっ君の溫もりは……とても暖かくて優しくて、それと良い匂いがした。
落ち著く……凄く落ち著くぅ。
「ごくはぐ……すれば、よかったのがなぁ……。ごどわられるのぉぉ、わがっでるげどぉぉ……すればぁ……よがっだのがなぁぁ」
もう、聲はガラガラ……ちょっと何言ってるか自分でも分かんない。
でも、告白しなかったのがとっても後悔してるから、そんなの関係なかった。
シルクを困らせない為に、3回目の告白はしなかったけど……すれば良かったと強く思う。
もしかしたら? とか、うんって言ってくれるかも! だとか、そんな事あるわけ無いのに々と考えちゃう。
だから、もう言えない、もう言えないの……。
「らっ君……思通り、ずずんだげどぉぉ……うれじい?」
らっ君は、ロアとシルク君のを後押ししてた。
「わだじと……つぎあわなぐでぇぇ。よかっだって……おもっでる?」
こんな事、言うのは意地悪だけど……言っちゃった。
言って後悔したけど、黙ってらっ君の答えを待った。
「……良かったとは思ってないよ。頑張った人にそんな事を言うのも思うのも失禮だしね」
……優しい顔して、キザな事言ってる。
「だから僕は……良く頑張ったアヤネは、偉いって思ってるよ」
「……バカ、偉いのは。自分でもぉぉ、わがっでるよぉぉぉぉ」
ぎゅぅぅっ……。
らっ君の服を握って顔を埋める。
優しい事言われたから、一気にが膨れ上がって私は……。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!」
大聲出して泣いちゃった。
そしたら、らっ君は優しく頭をでてくれた。
……そのあと、暫くそのまま泣いた、らっ君のを借りて。
……暫く経った後、私は泣き止んだ。
が凄くいたいけど、なんだか気持ちがだいぶ楽になった。
まだモヤモヤがしだけあるけど、スッキリした。
だから私は……。
「ありがと、らっ君」
そう言いながら、らっ君を突き飛ばす。
そしたら「え?」って顔をして見てくる。
「だいぶ楽になった。このお返しは……後でする」
掠れた聲でペコリと頭を下げると、くすっとらっ君が笑った。
むっ、笑うとこじゃ無いのに。
「くはははは、いきなり泣いたり、元に戻ったり……の方も騒がしいね」
「ほっといて」
いま、そんなの関係ないよ。
変な事言わないで、なんて思ってると……。
「でも、アヤネのそう言うとこ、らしくて良いと思うよ」
「ふんっ。意味分かんない」
その言葉を言った後、私はシルクが行った逆の方へ歩いてく。
いっぱい泣いたからお腹が空いた、赤鬼さんに頼んでご飯作って貰お。
そう思ったから急いで歩く。
あ、そだ……最後に言わなきゃ。
「らっ君、いつもからかってるけど……優しいところ、あるね」
振り替えってニヤニヤしながら言ってあげた。
そしたら、思いっきり苦笑いして「そんな訳ないじゃん」って呟いた。
そんな事あるよ、さっき優しくされたもん……。
「じゃね、私ご飯食べてくる」
そう言った後、らっ君に背を向けて走った。
言いたい事言い終わった、だから早く行こう! もうお腹はペコペコ、私はお腹いっぱい食べたい気分!
なので、全力疾走で食堂へと走っていった。
◇
「くふふふ……切り替えはやいなぁ」
既に遠くへ走っていったアヤネを見て思った。
さっきまで泣いてたのに、もう笑って走っていった。
でも、まだモヤモヤは消えてないっぽいね、そんなじがする。
「さて、このまま追い掛けようと思ったけど。やっぱり止めた。二人だけにしてあげるからさ……しっかりやんなよ、シルク」
くふふふ、と笑ったあと……僕は靜かに自分の部屋に戻った。
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