《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》517
……あれから數ヶ月後、短い期間だが、んな事が起きたけど、俺は元気だ。
今は真冬の晴れの日、人間にとっては寒くて過ごしにくい気候。
だから暖かい格好をしてるんだが、それでも寒い!
「らっららっらっ君! おっおはっおはよう……です!」
さて、そんな中……數年間で変わった事を言って置こうと思う。
まずひとつめ、クータンを地上で見掛ける様になった。
しかも、カボチャの被りをしていない狀態でだ。
本當はオレンジのふわふわヘアーだったんだな。
「あ、うん。おはよ……と言うか今、晝だよ?」
「うぐぅっ……」
くははは、と笑ってラキュはポンポンとクータンの頭を優しく叩く。
さて、続いて二つ目の変わった事だが……。
「あ、らっ君とくーちゃん」
アヤネだ。
「やぁアヤネ」
「あっあやっアヤネ……さん、こっここっこんにち……わ」
「ん」
いつも通り、軽快な挨拶をするアヤネ……そのアヤネの髪型が変わった。
長い黒髪をバッサリ切ってショートヘアーにしている。
似合ってはいるが……心境の変化だろうか? 詳しくは聞いていないが、本人曰く「切りたかった気分」だそうだ。
まっまぁ……いつも通りのアヤネだ。
詳しくは聞かないでおこう、そんなアヤネは俺に普通に話し掛けてくる。
時おり、「浮気だめだよ」とか「シルク可いから男の魔に寢とられるかも」とか有らぬ心配を掛けられる。
そんな事は無いから安心しろと言ってるんだが……聞きやしない。
まったく……相変わらず話を聞かない奴だよ、あいつは。
あ、アヤネと言えば……頼まれた伝言の事がある。
確か"この泥棒魔王"だったか? それをロアに伝えたら、苦笑いして「変な事を言うのぅ」といってた。
あっあはははは……まぁ、うん……あまり言って上げないでくれ。
まっまぁ、他の奴等も相変わらずで……無理矢理服を著させに來たり、ドM発言したり、「イケメン參上!」とか言って格好良く現れる奴もいる。
変わらない事は良い事だが、その大概が迷な事なんだよな。
はぁ……ほんと、疲れる毎日だよ。
「おぉぉい、シぃルクぅ」
「ん、ロア?」
と、そんな時だ。
ロアの聲が聞こえた……今、俺がいるのは店。
現在進行形で仕事中、そんな時にロアがやってきたのだ。
「くふふふぅ……店と言うのに、それ……きちんと著けてくれるのじゃな」
「……あっ當たり前だろ。大事ななんだから」
悪戯に笑うロア。
真冬の城下街を歩いた來たせいか、顔が赤い。
そんなロアに……俺は、首に巻いていたマフラーを巻いてやる。
「おっおぅ。これはわらわがあげたマフラーじゃぞ? シルクが著けてないとダメじゃ」
「寒そうにしてるから巻いとけ、あっ後で返して貰うから」
「っ。くふふふふ……相変わらず割りに合わずキザな事をするのぅ。ヘッグと良い勝負じゃ」
「あっあいつと一緒にするな!」
あんなのと一緒? 冗談じゃない、俺はあそこまで格好著けてないぞ! と言うか、格好著けてるつもりも無いからな!
「まぁまぁ、落ち著くのじゃ」
「……」
慌ただしくしてる奴とは思えない臺詞だな。
「シルク……」
「ん? なんだ」
そんなロアが突然、眼を細めてモジモジしだした。
「大好きじゃ!」
そうしながらの発言、もちろん周りにいた魔達はヒートアップ。
ラキュはニヤニヤして、アヤネは「おぉ」と呟いて、クータンは両手で眼を覆ってる。
皆の目の前でこんな事言うなよ……。
で、ロアよ、なんだその顔は「次はシルクの番じゃぞ?」的な顔をするのは止めろ!
とは、思うものの……ここで言わないと後が怖い。
この數年間、ロアと付き合いこう言う場面があって、俺が無反応を決め込んだ次の瞬間、大泣きされた……その後、それはそれは酷い目にあった。
主にヴァームの手によって々されたんだ。
後は説明しなくても分かるな? そんな事があったから俺は言うことにした。
いや、勿論……ちゃんと返すつもりではいた。
だっだけだ、ここには皆がいるし……はっ恥ずかしいから、言い辛いだけだ。
だっだけど、我慢しないと……噓泣きかも知れないが、おっ大泣きされると、が苦しくなるんだ。
「おっ俺も……好きだ。何度も言わせんな……アホ」
だから言った。
顔を真っ赤にしながらな……その瞬間、更にヒートアップして、ロアが「ふおぉぉぉっ!!!!」とんで濃厚なキスをされた。
……と、こんなじでロアに振り回される毎日を送っている。
これじゃ、付き合う前と変わらないと思うだろうが……変わった事が1つある。
俺とロアはあの時と違って、もう好き同士でいる。
だから、なんだかんだで毎日が楽しいよ、まぁ……振り回され過ぎて辛いって思う事が殆どだが……。
でも、そんな生活に馴染んで來てる俺がいる、ははは……なんだかんだで楽しいって事だな。
「シルク」
「なっなんだよ……」
「そっちの親に挨拶せんといかんな。勿論、わらわの親の方にもな」
「そっ……そう、だな」
くふふふふ、と笑った後、ロアはまた何処かに行った、それを見送り俺も仕事を再開した……。
と、こんなじに告白して付き合ってからのロアとの生活。
これから々な事があると思うが……まっまぁ、それは今後考えるとして、今は……。
落ち著いて仕事しよう、そんでもって……挨拶の事、ちゃんと考えよう。
挨拶しにいくのは大分先、だっだから落ち著け? 落ち著いて考えておくんだ。
頑張れよ、俺……。
と、異常な張をじながら仕事をした。
ほんと……親の挨拶、がんばろ。
だって何としても、結婚したいんだ、ロアと……幸せな結婚を!!
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