《高校ラブコメから始める社長育計畫。》17.ベストアンサーじゃないんだからね!Ⅱ
放課後、俺は接骨院へ向かった。
「こんにちは!!」
「ちはっす」
上原もしまともな挨拶になってきたな。
えらいえらい。
「確かに相手はどんどん喋ってくれるじになるけど、正直會話がり立ってるのかさえよく判らなくなるっす」
「そうでしょうね。百発百中なわけじゃないですから」
俺は院長に手當てをけながら、定期報告をする。
「『そうですよね』は、逆に悪い口癖だと言う人もいるでしょう。同意は人をダメにするとか、逆に『そんな簡単にわかってたまるか』と見下されるとか」
悪い口癖か。
「他人には他人の常識があるから仕方ないんじゃないすか」
「その通り! ……百瀬君は『三四三さしみの法則』って知ってますか?」
刺?
「知らないので壽司屋へ連れてってください」
さあ、回らない壽司屋へ。
「違います。何をするにも人々の心は三・対・四・対・三・に意見が分かれるという法則です」
なんだ、それで三四三さしみか。
「例えば自作の小説を書いたとして、ウェブにアップしたとするじゃないですか? そしたら読んでくれた三割の人は無條件で賛派、すなわち稱賛してくれたり、口には出さずともファンになってくれています」
「まじっすか」
「そして、もう三割の人は反対派、すなわち途中で読むのを止めてブラウザバックするか、酷ければ誹謗中傷を書かれたりしてしまいます。これは絶対に付いて回る法則なのですよ」
確かに人気ある小説には悪口が書かれていたりするもんな。
まあそれだけ人気があるんだろうなとは思っていたが。
「殘りの四割は?」
「そう、殘りの四割をどう摑むかがスキルの差とかになってくるんですよ。その四割はどっちにでも転ぶから、逆に言えばそこの集団を取り込める努力だけをすればいいわけです。反対派の三割は決して無理に落とそうとしないことですね」
「なるほど……」
思い當たる節があるな。
合わない奴とは本當に何をしても合わないもん。
「つまり、何をするにしても最低でも三割以上の人は反対意見を持たれると思っておいてください。その上で、どっちつかずの四割さんに『そうですよね』とけれてる姿勢を見せるだけで、取り込み易くなるんですよ」
「取り込む……ねえ」
ま、いつでも三割は反対派がいるってことは勉強になった。
刺の法則か。
「これも技より先に慣れることってやつです。同・意・に慣れること。『でも』なんて言葉は封印しちゃってください。スッと同意できるようになってから、・容・共・・同・調・などの上位スキルを磨いていくようにしないと、これまた実踐で活かせないまま終わっちゃうんです」
うーん……
言ってることはわかるんだけど、なんだかなあ。
心にスッとって來ないじは何だろう。
「で、次は何をすれば社長になれるんすか?」
もっと面白いやつ、來い!
俺は魔法石五個使う気持ちで返答を待つ――
「三つ目は『印象』です。外見など」
「アウトじゃん俺」
レアガチャはハズレか。
「人は第一印象で八割が決まる。これはよく言われることで、実際そうゆう研究結果が出ていますよね。見た目と聲の印象で付き合い方を決める、その人との距離を決める、信頼するかどうかが決まるってことですね」
聲は重要だ。
知ってる。
蕓能人でも印象に殘る人とそうでない人がいる。
聲というオカズだけで、ごはん三杯はいける俺もいるぐらいだからな。
そういや誰かがこんなことを言ってたな。
小學生は足が速かったらモテる。
中學生はギター出來ればモテる。
高校生は髪型がよければモテる。
大學生は大學が有名だとモテる。
社會人は金を持ってたらモテる。
「俺は聲も暗いってよく言われるし、地が茶髪。目つきも悪いから、諦めてそこで試合終了します。お疲れ様でした」
「ああ、地だったんですか。大丈夫です。出來ることはいっぱいありますよ」
そう言って、印象を良くする訣を纏まとめた紙を渡される俺。
「聲については、語尾をハッキリ言うこと、今時の若者言葉を使わないこと、敬語をちゃんと意識すること。顔については、口筋を鍛えることはやっといたほうがいいですよ、君は口角がいつも下がってるから不満そうに見られちゃいますから。あとは服裝です」
説教されている気分になってきた。
「……なんか、龍玉って今んとこ全部、上辺うわべだけの方法じゃないっすか? 楽な方法教えてくれって言ったのは俺なんだけどさ、信頼って積み上げていくものでしょ? こんなのすぐ崩れて裏切られる會社しかできないんじゃないっすか?」
もしも変わってしまうなら
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