《高校ラブコメから始める社長育計畫。》16.げほげほ
そして準決勝。
二組の四レーン。
そう、また真ん中。
タイム的にも俺たちはかなり速いようだ。
俺たちは相當強い!
俺は凄い!!
「かかってきやがれ! あっはっはっ!」
「走るのはボクたちだからね……」
「そうでした」
召集點呼が終わった後、各々、自分の擔當へと分かれる。
一走が織田優理、そして直線勝負の二走に我らが箕面、三走コーナー擔當はうふふ先輩、そしてアンカーに夏香で勝負だ。
俺が待機しているのは織田優理のいる一走の場所、すなわちここがゴールでもある。
「蹴散らしてこい、織田優理《おだゆり》」
「あのー、なんでうちだけいつもフルネームなんですか……?」
「それは優勝したら教えてやるぜ!」
「はぁ……」
特に理由はありません。
だってフルネームでも四文字だけなんだもの。
呼びやすいの。
「いちについて……」
「よーい……」
パァーン!
スタートが切られ一斉に走り出す。
四百メートルリレーの一走はいきなりコーナーから――すなわちカーブである。
タイム順で決まるレーンは、こう言うときに有利なのだ。
一レーンのようにあまり過ぎるとカーブがキツいので走りにくく、外の八レーンは一番前からのスタートになるので後ろから追いかけられる形になり、どちらもデメリットが大きい。
この世界『速い』は『偉い』のだ。
えこひいき萬歳。
「し出遅れたか……」
カーブなので素人の俺には順位がまだよくわからないが、予選の時より離されているじがする。
「箕面ー! いけー!」
バトンが二走の箕面に渡り、ぐんぐん加速する。
やはりあいつは速い。
眩しい日差しの中、駆け抜ける箕面。
俺がだったらキュン死するぜ。
フォームも夏香直伝の陸上部らしい走り方になっている。
「ちっ、今日もコケなかったか」
試合より笑いを追求してしまう俺を誰か叱ってくれ。
そして中盤のバトンパスが繋がり、うふふ先輩のが揺れる。
じゃなかった、うふふ先輩が走る。
混戦狀態だな。
予選ではアンカーの夏香にバトンが渡る頃には一位だったっけ。
しかし今は三位、いや四位といったぐらいか。
「走れ! 夏メロス!!」
夏メロスにバトンが渡り、二足歩行の犬のように駆け出す。
「誰が夏メロンですか……」
「あ、お前、いたの」
俺の橫で待機しているツインテ後輩ちゃんも両手を握りしめて祈るように応援している。
メロン食べたい。
「やっぱ先輩、速いなぁ……」
「さすが犬だな」
四位でバトンをけ取った夏香は、わんわん……いや、ぐんぐんと他校の選手を抜いて行く。
すげーな、あいつこそ天才だろう。
俺には無い才能。
本當に魅力的だ。
あいつが才能を活かせるなら、俺は何だってしてやりたい。
そんな気持ちにさせてくれる。
そして夏香は、一位でゴールラインを駆け抜けた――
「はぁはぁ……とったどー!!」
ゴールした夏香に駆け寄る俺たち。
バトンを掲げてんでいる夏香。
「さすがは俺の飼い犬――」
「先輩! おめでとうございます!」
「はぁはぁ、あんがとー!」
「さすがは俺の飼い犬――」
「先輩! ゼッケン外しますね!」
「はぁはぁ……けほっ」
「――夏香?」
「けほっけほっ」
「先輩……!?」
「けほっけほっ! げほっ……げほっ……」
「おい! 大丈夫か!?」
げほげほと酷い咳をしながらしゃがみこむ夏香。
俺は織田優理がしていたように背中をさすりながら、後輩ちゃんに指示を出す。
「夏香の荷から、吸をとってくれ!」
「は……はい!」
「げほっ!! げほっ!! げほっ!!」
他の選手や補助員の奴らも、心配そうに見てくる。
苦しそうだ。
辛い。
「先輩これっ!」
「サンキュー! よし!」
キャップを開け、吸で薬を吸い込む夏香。
「げほっ……げほっ……」
予選、準決勝と一日がかりの大仕事、それにレースまでのウォーミングアップでも沢山走るわけで。
力的にも無理がきていたのだろう。
夏香はその後、暗い面持ちで早退した――
episode『げほげほ』end...
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