《引きこもり姫の事~?そんなことより読書させてください!~》引きこもり蟲の特訓?
「凜音、何度言ったら分かるんだ。書庫には二度とるな」
何故。親に支障をきたすことなど何もしていない。すべきことはした。なら私の好きにして良いだろう。
「全く…どうしてお前はそうも世間に溶け込もうとしないのだ。確かに私達はお前のその格に何の反対もしていなかった。だが友達も作らない、クラスに馴染もうともしない、いじめにあっても怒りも泣きも笑いもしない、おまけに六條家と子柴家、そして我が尾家の子ども十人の中で一番の問題児と言われているのに何故反論しないのだ!」
いじめで笑う人はいません、どんだけドMなんですか。いや個人の自由を止める義理は私にはありません。
「そんなことよりも父さん。書庫を立ちり止にしたら私自殺すると前から言ってるでしょう。この會話も何回目ですか。飽きましたよ私」
「私も飽きたさ。お前のその富な言葉と裏腹に頬が重力に負けてるその能面顔も。誰に似たんだか」
実の娘を能面呼ばわりするなんてきっとあなたに似たんでしょうね私は。
そして確かこれは一話目と同じ會話だということをあなたはお気づきになられただろうか。
【え、まじで!?】
と、思った方は今すぐ見てみよう。
さてそれでなんだ父よ。この後は嫌な予しかしないのだが。
「來週は企業同士のパーティーが行われる。それに全員出席するように」
はい來た――! 予想通り。この時期にはよくあるんだよね。昨年とその一昨年は運良く風邪を引いたけど今年は意地でも行かなきゃいけないんだよな~。
「嫌だと言ったら?」
「お前を月海や麗子の人形にする」
「行かせてもらいます」
あの二人ガチで離してくんないんだよ。寸法だとか何とかで。この前なんかトイレ以外ずっとお著替えさせられたし。
「よし。次は神宮寺さんと予定は立ててないな? 今日は子柴さんが全員分のスーツやワンピースを仕立てるそうだから行ってこい」
何してんの子柴母!? デザイナー魂がついたの?
「あら~凜音。相変わらずもお腹もおもペタンコね~」
黙れセクハラ。こっちは読書をやめさせられてイライラしてんだよ。
子柴家も大きいね。十人ってもまだすかすかな部屋って……あ、ちなみに私だけでなく思春期真っ只中の華ちゃんや月海でさえ兄弟姉妹おんなじ部屋で著する。
そりゃあもう赤ん坊の頃からで出會ってますから恥心なんてへったくれも無い。
でもね麗子姉さん。ブラジャーとパンツだけで私の採寸始めないでくんない? 知らない人からみりゃ私ら百合とかそういう風に見えるから。
「凜音……」
「何姉さん」
「誰か重計もってこい!!」
傍にいた使用人が急いで持ってきて、麗子姉さんが私を重計に乗せる。
「凜音長は?」
「百六十」
「……」
ありゃ麗子姉さん黙り込んじゃった。
「どうしたの麗ちゃん。凜音に何かあっ……」
月海まで固まってるよ。あの~いていいっすか?
「凜音……」
「あんた……」
何さ?
「「痩せすぎ!!」」
急に大聲出さないでよ、皆こっちみてんじゃん……って危ね、驚いてあのデザイナーさん指突き刺すところだった。
「凜華! ちゃんと凜音はご飯食べてるの!?」
「え、うん食べてるよ麗ちゃん。三食殘さずきっちりと」
私は好き嫌いしないのでね。
「運しないなら太るはずなんだけどな……なんでだ?」
「ねえさっきから何を話してるの二人とも。肝心の私が分かんないんだけど。私何キロなの?」
「「三十二」」
「「「え?」」」
え、全員が固まった。そんなにだめ?
「だめなのそれ?」
「だめだねぇ凜音ちゃん拒食癥なのぉ?」
いや別に?
「基準ギリギリってとこよねこれ。お洋服云々よりこっちが問題だわ」
「凜音。何かストレスあった?」
「あると思うの?」
「いや全然」
何事にも興味を示さないのにストレスなんてじません。強いて言うなら読書を中斷してることだけど毎日では無いし。
「……よし。採寸が終わったら出前取ろう。で、々食わせるわよ月海」
「イエッサー師匠!」
ちょ、何勝手に決めてんの? そして何かあっちでは出前の準備始めてるし。本を……本――!!
「第一回凜音の拒食癥治します大作戦――!」
「麗子。それ何回かあるのか?」
「正まさちゃんシャラップ。良い凜音? 多分あんたは著膨れするタイプだから今までは気付かなかったけどこれは大問題よ。拒食癥は最悪死ぬからね。
神宮寺さんもヤる時骨折れたりしたら一生出來なくなっちゃうだろうし」
おい。卑猥なことを言うな。食無くすわ。
「なので風柳に頼んで々取ってもらいました。來た順から食わせる」
「全部食べさせるの?」
「皆で食べるよ凜華。ただ吐かせない程度に食わせるの」
はぁ~~読書。
あ、來た。麗子姉さん素早い!
「風柳。どんなの選んだんだ?」
「僕が食べた中で結構のつくもの。味しいよ」
まあ味しいだろうね。風柳が選んでんだから。
「來たけど……ラーメン?」
「そう。夏バテとかにもピッタリだよ」
風柳よ。今は春だ。梅雨が近いけどな。
「じゃあ早速押し込むか」
「押し込むって麗ちゃん……」
いくつか買ったらしく自らこれが食べたいと思った者は普通に食べてる。子姉さんとか吉宗兄さんとか。
「何食べる凜音? チャーシューとか? 卵とか?」
「じゃあ海苔」
すぐにぐちゃぐちゃになっちゃうから私のセオリーはこれだ。
その次にネギ、もやし、麺………
「はい。後殘り麗子姉さん食べていいよ」
「……」
麗子姉さん何で渋い顔してんの?
「卵は? チャーシューは?」
「だって二つともに重いじゃん。お野菜の方が好きだし」
「……そうなの」
麗子姉さん?
「凜音。僕さっき焼き鳥買ってきたけど食べる?」
いつ買ってきたの風柳? あ、でも食べる。
「何にする?」
「じゃあね、ネギま……のネギだけ頂戴」
「え?」
ん? どうしたの風柳。
「ネギ味しいでしょ? それにおはいらない。胃もたれするから」
「あ、うん」
風柳は親切にお皿に取ってくれた。わーいネギ~。
「後はカツ丼ね! 凜音、どこ食べる?」
「う~ん。カツは良いからお米ちょっと、頂だ……」
「凜音――!!!!」
え、怒られた。なして?
「を食え! あんた生まれつきはつかない方だったけどそりゃそうだわ!!」
「あ、そういえば、よくよく考えてみれば音ちゃんたまにメイドさんの賄いにおれてた気が」
言うな妹――!!
「……へえ~? おをね~?」
れ、麗子姉さん? 目が怖いよ? あの、ね? うん、許して?
「お説教します! 部屋行くよ!!」
え、あの、ごめんなさいごめんなさいちゃんと食べるから許して――!!
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