《引きこもり姫の事~?そんなことより読書させてください!~》引きこもり蟲と大晦日2
どうも皆さん。からくり屋敷ゲフンゲフン! もとい六條家から凜音です。今はお晝ご飯をご馳走になって書庫の掃除も終えたので一段落です。
「お疲れ凜音。臺車とかダンボールとか持ってきたけど」
ありがとう正宗兄さん。
流石に二百は超えている本を持ち帰るのは無理なのでダンボールに本を詰めていきます。うきうきるんるん。
「ところで今日は神宮寺さんの所に行かないの? 一緒に年越したり」
「夕方くらいに行くよ。あっちも何かと忙しいみたいだし」
まああんだけ大きなお屋敷じゃあ掃除も大変だろうね。いつも綺麗だからあんまり手間取らないと思うけど。
「除夜の鐘聞きながら一夜を共に過ごすの?」
「兄さんそんな卑猥なこと言わないで……ってあれ?」
「僕じゃないよ。後ろ」
言われて後ろを振り返るともこもこさんが。
「うさぎ?」
「誰がむくじゃらだ。私だよ。子柴月海」
「あ、月海か。よく迷わなかったね」
「途中で麗ちゃんに會って連れてきてもらった。てか無理でしょ。ここを迷わず進むなんて」
ごもっとも。なんてったってこの家に住んでる人さえGPS使ってるものね。
「そ・れ・で? 今日は寢かせないぞ♡的な約束をしてるの?」
「してない。したとしても何でそれを伝えなきゃいけないんだ」
「だぁってぇ〜そういうことしてると思ったら興すんじゃん? 凜音があぁんなことしていでるんだなぁって……」
「想像すんな」
にやにや笑う月海にビシリと手刀を下す。ところでさっきから背後が凄い寒いんだけど。正宗兄さんがキレてるっぽくて振り向けないんだけど。
月海。あんたの青ざめた顔で理解出來たよ。
そんなこんなで夕方。さんのお家に到著。
「お忙しい中すみません。一応年越し用の蕎麥持ってきました」
「ありがとうございます。今から買いに行こうと思っていたので丁度良かったです」
セーフ。松崎さん待っててくれてありがとう。
「旦那様ならば今執筆と大掃除でお疲れになっております。是非癒してあげてください」
大晦日でも執筆! 大変なんだな売れっ子作家って。
「さん。凜音です。開けますよ」
襖を開けると機に突っ伏してるさんが。気になったんだけどさん何で一回原稿用紙に書くんだろ? どうせパソコンで打つんだよね?
「凜音?」
「はい」
「おいで」
さんが腕を広げて胡座をかいている足を叩く。座れということか。
「お疲れ様です」
拒否する理由も無いのでさんの腕の中へ。あ〜暖かい。でも著だけで寒くないのかな? きにくそうだし。
「掃除する時はジャージだよ」
「ジャージ? 珍しい」
見てみたいわ。ジャージ姿のさん。
とか思ってたらキスされた。ディープな方。
「凜音。疲れたからしたい」
「疲れたから休みたいじゃなくて? 夜にいっぱいしましょうね。今はお蕎麥食べましょう」
「……うん」
今日のさんは凄い甘えただな。それだけ疲れてるんだろう。お疲れ様さん。
中頭さんがお蕎麥を作ってくれました。ついでに海老天もってます。
さんウトウト中。
「さん。ご飯ですよ」
「……」
「お蕎麥食べないと長く生きられませんよ」
「……」
「……今夜してあげませんよ?」
さんが起きた。どんだけしたいんだあんた。
あ、後さ。
「松崎さん」
「何でしょう?」
「大晦日ぐらい皆で食べませんか? と言っても今ここにいるの中頭さんと松崎さんくらいだけど」
松崎さんが驚いた顔をしている。え、そんなに?
「普通は主人と食事をしてはいけないのですよ」
「え、華ちゃんはよく食べ合いっ子したりお風呂ったりしてますけど」
「「……」」
中頭さんまで止まる。そんなに不思議なことか? さんはくすくす笑ってるし。
「そうだね。大晦日くらいこんな堅苦しいことをしなくて良いだろう。二人とも、一緒に食事をしよう。早くしないと麺がのびる」
「いえしかし」
「命令」
そう言われては逆らえない二人は自分達の分の食事を持ってきて向かいに座る。いや別に強制でも命令でも無いんだけどな。
「あの中頭さん」
「何でございましょう凜音様?」
「お名前伺ってもよろしいですか?」
ずっと思ってたけどそこ聞いてないよね。仮にもを洗ってもらったりご飯作ってもらったりしてたのに名前知らないとかどんな無禮者だよ。
「凜音様ご存知では無かったのですか?」
すんません。
「凜音。彼の名前は松崎綾子さんだよ」
「松崎……松崎?」
  あのそちらの男も松崎では無かろうか?
「彼達は親子だよ」
「グフッ……げほっげほっ!」
「だ、大丈夫ですか凜音様!?」
驚き過ぎて噎むせちまったよ。まじで!? 親子なのこの二人!? 何となく雰囲気は似てたけどさ。って何呑気に飯食ってんだ息子!
「松崎綾子の息子が松崎 也とうや。でもこんなかな人から何でこんな無表が産まれるのか不思議なんだよね」
「さん私を侮辱してるなら思いっきり蹴っ飛ばしますよ」
私だってかな両親から産まれました。筋がかないから無表なんです。
「ああそうじゃなくて。何で不良になったのかなと思って……」
ぶ――っ!!
盛大にお茶吹き飛ばしちゃったよ。
「い、いつ不良に?」
「何時頃だっけ」
「凜音様と同じ年の頃です」
十七の頃? そりゃあやさぐれるわ。しかも若くして執事だから々と大変だったんだろう。意外な一面が知れた大晦日の夕飯でした。
ゴーンゴーンと除夜の鐘が鳴り響く。煩悩の數だけ打つんだよね……煩悩。
「今の私達は思いっきり煩悩丸出しですよね」
「神様だって許してくれるんじゃないかな?」
さんがお疲れということで騎乗位の格好。どういう意味か分かる? 仰向けのさんにって私が腰をかしてるんです。大晦日でどんな恥プレイだよ。
「凜音。疲れたなら言っていいんだよ」
「いや大丈夫ですからとりあえずかないでくださいね」
「……そう言われるときたくなる」
「かないで――!!」
腰を固定されて下から突き上げられる。自分の重も相まって余計に深くまで押し込められてしまう。
「ん、ん、ん、ん! もう限界です」
「うん……僕も」
更に強く打ち付けられて私もさんも一緒に果てる。その時最後の除夜の鐘が鳴り響いた。
「……っ。はぁ、はぁ」
「凜音」
「は、い……?」
「明けましておめでとう」
「……はい。明けましておめでとう」
こうして新しい年が始まったのだった。
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