《double personality》episode16
「...」
『...あのさ』
「うん」
ひとまわりもふたまわりも大きな森塚の著を著ている冬李が小さく相槌あいづちを打った。
『...俺の服、大きくない?...寒くないか?』
「...うん」
冬李の著を握る手に力がこもる。シャツに皺が浮かび、真一文字に結ばれた冬李の口元がへの字に歪んだ。
「軽蔑したよね。巻き込んで、ごめん...っごめ...っ俺の、せ..で...」
『...那月は悪くないよ』
冬李の素直な言葉が、森塚のにズキリと刺さった。
*****
【はやく、突っ込んで?】
正直、冬李がそう言ってくれてホッとした。自分の邪な考えが正當化できる。
れた姿の冬李を見て興した。
『...っ』
鷹城が居た時には重りが足に括りついた様にかなかったのに、甘い香りに包まれた瞬間、重が無くなった様に軽くなった。
「森塚の好きにしていいよ」
『...そうさせてもらう』
頭を固い機に打たないように。何て気遣いは森塚の頭の中にはなかった。
數時間前までは笑ってれ合っていた相手が、違う人間のように見えた。
手が震えて、下腹部が異常な程にジンジンと痛む。
「膨らんでる...舐めてあげようか?それとも、挿れさせてほしい?」
『...抱き締めていい?』
「えっ?...うん」
滅茶苦茶に抱いて、自分だけに笑って従って。
『ありがとう』
ギュッと抱き締めると溫かい溫がに直接伝わった。
「...これだけ?これだけでいいの?」
『...うん。ごめん、ありがとう』
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