解けない難問

1

高校學してに約2ヶ月間。

この間に俺のの回りで大きな変化が起こった。

學して早々、蘭華をって遊園地へ。

その日の帰り道。

別れ際の時のこと。

「私、來年からイギリスに留學するんだ...。留學の話はる前から考えていたんだけど、 昨日留學の許可が正式におりたの。だからごめん。暫くは會えなくなるの...」

蘭華からの突然の告白。

イギリス留學すると言う思い告白。

あれから2ヶ月になろうとしている。

まさか蘭華と別に告白されたクラスメイトとこれがきっかけで関係に亀裂がるとは予想もしていなかった。

あの日からずっと蘭華の背中を押してあげると決めていた。

もちろん絵里の言うように呼び止めて、中止にしてもらうというのも手段なのかもしれない。

でも、本人はどう思う？

本人が行きたいから決めたのだ。

それを俺らの手で変えるのはどうかと思う。

だから彼と昨日、対立してしまったのだ。

その事が頭にずっと殘っていた。

だから、昨日より激しくふる梅雨の雨にも、明日までにやらなければいけない週末課題にも。

何一つ頭にってきていなかった。

気が付けば、日曜日の夜。

6月2日、午後6時。

テストが終わり、安らぎが返ってくる。

そう思っていた俺にはまさに最悪な2日間だった訳である。

「はぁ〜」

ため息が出るのも當然である。

1日を1つのことを考えるのに費やしてしまったのだ。

テストけるよりもエネルギー使った気がするくらいがだるくなっていた。

「寢るか…」

夕食を食べに階段を下りるのも面倒だった俺は、早めの就寢を図ろうとした。

明日から始まる學校。

授業中に寢てしまうのを防ぐために。

2

次に目が覚めたのは、聞き覚えのある聲が耳元で聞こえたからだ。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん！起きてよ！」

「んぁ〜！なんだよぉ？」

「いいから起きて！」

妹によって起こされてしまった。

掛時計の時間を確認すると8時だった。

俺は眠い目をりながらを起こす。

「どうしたんだよ、安らかに眠っている人を起こしてまで言わなきゃいけないことなのか？」

俺が質問すると、妹は呆れた顔を見せる。

「昨日、絵里さんに何したの？隨分怒ったじで家から出てったけど？」

昨日、蘭華の留學の件で意見が対立した。

対立の末、絵里が怒って帰っていったのだ。

「お前に関係ないだろ？いいからお前の部屋に戻れよ。良い子は寢る時間だろ？」

「ふざけたこと言わないで！私は真剣に話ししてるの」

どうやら本気のようだ。

こうなると簡単には解放してくれそうにない。

「はいはい。分かったよ。話せばいいんだろ？」

「うん」

「でもかなり話がややこしくて長いけど、大丈夫か？明日學校だぞ」

「そんなのはどうでもいいから早く話して！」

俺は現時點の狀態を伝えた。

妹は途中何度もをあらわにしていたが、一貫して真剣な面持ちだった。

そして全て伝えた後、妹は一度息を吐いてから俺にこう言う。

「もし、私がお兄ちゃんの立場なら私は絵里さんと同じ回答していたと思う。寧むしろお兄ちゃんの意見が信じられない」

「何でだよ。背中を押してあげるのも立派な選択だろ？」

俺は妹、そして絵里の意見の方がよく分からない。

彼が間違った選択肢をしていると明らかに分かるのなら、俺だって彼を止めただろう。

敷かれた道を外れそうになった時に、助けてあげるのが俺ら、周りの人間だから。

でも今回はどうだろう。

間違っている選択ではない。

まして、1度は言うのを躊躇ためらっていたくらいだ。

どれだけ彼が重い決斷を下していたかなど言うまでもない。

なのに、その勇気、苦しさ、不安さをかき消す選択を俺は正しいと思えない。

「じゃあ、お兄ちゃんは蘭華さんが遠いイギリスに行ってもいいの？寂しいとか、傍そばにいてしいとか思わないの？」

「そんなの、そんなの。寂しいに決まってるだろ！」

俺の目からは涙が零こぼれていた。

今まで溜めていた思いが詰まった涙。

「あぁ、そうさ。俺はいつしか彼の傍にいることが楽しくて、充実していて、いつまでも続いてほしいって思うようになった。そして気付いた。不思議と心の中で疼うずく思いの正に…」

そう、彼の近くにいると心の中で蠢うごめく思いがあった。

その正を俺はつい最近知ったのだ。

それは、

「俺は蘭華のことが好きなんだよ。だから、だからもちろん彼には行ってしくない」

好きだという思い。

「でも、だからこそ彼の思いを尊重してあげるのが、1番彼のことを知っている俺がすべき選択なんだよ！」

嗚咽がこみ上げてくる。

それを必死に堪こらえながら話す俺の姿を見て妹も泣いていた。

「ごめん、お兄ちゃん。お兄ちゃんの気持ちも分からずに言っちゃって…」

分かってくれたならそれでいい。

そう思えた。

「でもお兄ちゃん。その事絵里さんに伝えてないんでしょ？なら伝えてあげて！そうしたらきっと分かってくれるはずだよ」

出來れば苦労しない。

これを伝えることは出來ない。

何故なら俺が蘭華を好きなことを言えないから。

好きと言われた相手にそれを言うことは、相手を振ること同然だから。

「考えさせてくれ…」

俺は妹に退室してもらった。

改めて考えるために。

絵里にはどう伝えればいいのか。

今の俺には何も案が浮かばなかった。

でも1つ考えがあった。

こんな時に頼りになる人。

その人を頼ればいいのだ。

「明日にでも聞いてみるか…。ちょっと怖いけど」

俺はそう呟いた。

『ぐぅ〜』

腹が鳴った。

そう言えば夕食は口にしていない。

「仕方がないな…」

俺は退室していった妹を連れてリビングへ移した。