《攻略対象外だけど、好きなんです!》12 「クッキー作り」
 私は食堂に行き、キッチンに先ほど買ってきたクッキーの材料を並べる。
 パイとジャムの材料は自分の部屋にしまってある。
 キッチンに置いておくと、誰かに食べられてしまうことがあるからだ。
「さて、作りましょうか!」
 まずは、バターを溶かして砂糖と混ぜて……
 私は作り終えたクッキーを菜園へ持って行った。
 今日は確か伏見くんと葉月くんが當番だったはずだ。
「あ、あの!クッキー、持ってきたのですが……」
「雪月か。…ありがとう。あとでいただくよ。」
「雪月さん。ありがとうございます。」
 あ!しまった……
 伏見くんは甘いものを食べると酔ってしまうんだった。
 まぁいっか。
「あの…、私もお手伝いしてもいいでしょうか?」
「?もちろんいいが、今日は休みだろう?別に手伝わなくてもいいんだぞ?」
「でも、お二人しかいないので、大変そうです。どうか私にも、お手伝いさせていただけないでしょうか?」
 ちなみに訳は、「お手伝いという名の葉月くんを観察&恩を売らせていただけないでしょうか?」です。笑
「ゆ、雪月さん…!ありがとうございます、あなたは天使ですか…!」
 葉月くんがお禮を言ってくれる。
 可すぎーー!
「天使じゃないですけど……しでもお二人のお力になれば幸いです。」
 私は二人を手伝った後、葉月くんとクッキーを食べた。
 伏見くんはあとで(多分夜に)食べるそうだ。
 
クッキーを食べているときの葉月くん、すっごく可かったな…!
その日の夜、私は伏見くんをストーカーしていた。
理由としては、伏見くんのお菓子に酔ったところを見てみたかったからだ。
 今、伏見くんは私の作ったクッキーを食べている。実はそれは、伏見くん用に糖分を多めにしてある。
…つまり今、伏見くんは確実に酔っているということだ。
「え!?」
 し油斷した隙に、伏見くんがいつの間にか背後にいた。
「どうした、そんな悲鳴みたいな聲をあげて。」
「あ、いえ、驚いてしまって……えっと」
 どうしよう。伏見くんに見つかるなんて、想定外だ!
 想定外過ぎて、思うように言葉が出せない。
「そうか。てっきり怖がられたのかと思ったよ。」
「伏見さんのことを怖がるなんて、そんな」
「……そうか。俺のことは怖くないのか。それは…駄目だな。」
「え?」
 心なしか、伏見くんのしゃべるトーンがいつもより低い。
「可いな……お前は。」
 な、なんとかして話をそらさないと…!
「ひ、晝間、乙哉くんにも言ってもらいました。妹みたいに可いって。そういうことを言われたことは初めてだったので嬉しかったです。…わたし、この船に來てからお兄ちゃんができたみたいです。伏見さんと、乙哉くん。乙哉くんも優しそうですけど、伏見さんの方が優しくて……」
 しまった。聲が途切れて……!
「はぁ……雪月。」
「は、はい!」
「言葉の本質を理解せずにけ答えする。それはお前の悪い癖だ。「き、気をつけま」じっくり教えてやらないといけないな。……俺がどういう意味で、可いと言ったか。」
 これは本格的にヤバい。
 私は一歩、後ずさった。
「どうして後ずさったんだ?何か、後ろめたいことがあるのか?」
「そ、そんなことは…!」
 伏見くんが一歩近づいてきたので、私はまた一歩後ずさる。
「なぁ…どうして逃げるんだ?俺は、怖くないんだろう?」
「さっきはそう言いましたけど…!」
「ほぉら、捕まえた。この狀態では、能力も使えないな……。教えてあげよう。俺が、どういう意味で可いと言ったのか…。」
 伏見くんに手を捕まえられた。
 ど、どうしよう!?能力が使えない!
「んっ………。」
 く、首筋にキスされた…!
 もしかしてキスマークつけるつもり!?
 あ、でも両手が空いたから、能力が使える!
《結界》
  
「な、なんだ、これは……!?」
 伏見くんも離れたし、これで私には誰もれられない。
 私は走ってその場を離れた。
 後日。
 伏見さんが一人で歩いていたので聲をかけてみた。
「あ!伏見さん!こんにちは〜。」
「!ゆ、雪月。」
 伏見くんはとても揺しているようだ。
 この前のこと、覚えているのかな?
 私は伏見くんの耳元で囁いた。
「伏見さん、昨日はありがとうございました。とても勉強になりました。」
「!!!」
 私は、せめてものお返しに、罪悪を植え付けることにした。
 だって、伏見くんのことは、弱みを握るくらいがちょうどいいかなって思うからね☆
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