《本日は転ナリ。》32.貸切風呂
そして、その場の雰囲気に流されるがまま、私は大浴場へと著いてしまう。
すると、莉結は子供のように一目散に浴室のドアを開けて「おぉーっ大浴場だ」と聲を上げた。
大浴場と言っても旅館やスーパー銭湯のように立派なものでは無く、いくらクラス別にったとしても結構な度になってしまいそうな広さだ。
それから莉結は小走りに戻ってくると、何の躊躇いも無く服をぎ始める。
「おいっ、莉結!」
私はそう言って思わず目を逸らすと莉結に背を向けた。
「何っ? 恥ずかしいのっ?」
服のれる音に続き、をでる音が私の耳へと響く。
「瑠も早くぎなよっ」
心臓が鼓を早めているのが分かる。きっと私の顔も赤くなってるんだろう……。
「お願いだからこっち見んなよっ」
「見ないでよ、でしょ?」
「見、な、い、で、よっ!」
私は意を決して服をいでいく。ジャージ、そして服、ズボン、そして下著……。
下著をいだ所で、私はすぐにバスタオルを手に取り前面を隠した。
「莉結もタオル當ててるんだよね?」
後ろに立つ莉結にそう言うと、莉結は意地悪にこう言う。
「さぁどうかなぁ? 見てみればっ」
「見てみればって見れないから聞いてんじゃん! 私の気持ち考えろっ!」
私がし強めにそう言うと、莉結は殘念そうに「ちゃんと隠してるって……もう」と言った。
そして、私がそっと振り向くと、バスタオルを巻いた莉結の姿。その姿は私の記憶に薄らと殘る、い莉結のものとは全然違っていて……そのは、的な大人びた線を描いていた。
「何っ、そんな見られると恥ずかしいんだけど」
そう言った莉結の頬が赤く染まっているのが見えて、私は何だか嬉しくなった。
……莉結だって恥ずかしいんじゃん。
「ご、ごめん。なんか莉結……大人になっちゃったね」
「それどういう事っ? そういう瑠のおも可かったけどねっ」
「おっ!?」
私はすぐに自分のへと視線を落とした。揺するあまり、前面を隠す事に頭が一杯で、後ろがわになっている事に気付いてなかったのだ。
「やり直すから向こう向いててっ!」
慌ててタオルを巻いた私は、「じゃ……行こっか」と浴室へと足を進めた。
「莉結はそっちで洗って! 私こっち!」
五つある洗い場の両端に座った私達は、お互い背を向けるようにしてを洗う事にした。
未だに長い髪を洗う事慣れず、苦戦する私をよそに、莉結は淡々と"いつもの事"を終わらせていっているようだった。
ようやく私がを洗い始めた時、「私もう終わったよっ」という莉結の聲が浴室に響いた。
すると、ペタペタと濡れたタイルを歩く音が聞こえ、「背中洗ってあげよっか?」と莉結の聲がすぐ後ろから聞こえたのだ。
「ちょっと、反則っ!」
私は慌ててを隠そうとしたけど、手の屆く所には隠せるようなものが何も無く、完全に無防備な狀態になってしまっている事に気付く。
「そんな焦らなくっていいじゃん。の子同士なんだよっ?」
そう言った莉結を鏡越しで見ると、やっぱりその言葉とは裏腹に、頬が真っ赤に染まっている。
そんなどうしようも無い狀況に耐えきれなくなった私は、ヤケになって立ち上がると、莉結に振り向くと、両手を開いてこう言ってやった。
「もう好きにすればいいじゃんッ!」
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