『生きる目的？    私が？』

私は天井を見つめたまま小さく頷いた。

「昔は気付かなかったけどねっ。だけど今思えば莉結が居たからここまで來れたんだと思う」

すると莉結がクスクスと笑いだした。

せっかくいい事言った気がしたのに、とし呆れるように私が橫に視線を向けると、莉結は私の腕に顔を埋めてこう言った。

『なんか今日の瑠、素直だねっ。ちょっと気持ち悪いくらい』

「気持ち悪いなんて言わんでよ、ばかっ」

私の腕で莉結が小さく笑ったように聞こえた。それと同時に莉結の手が私をぎゅっと包み込む。

私は莉結の腕にそっと手を添えると、その優しい溫もりにゆっくりと目を閉じた。

……靜かな部屋の中に莉結の呼吸する音だけが小さく聞こえている。

そんな空間に私は心の安らぎをじていた。

そして再び私が目を開くと、いつの間にか窓の外は濃紺に染まっていて、私は橫にぽっかりと空いた空間を暫く見つめると、莉結の痕跡を探すようにゆっくりと手をばした。

寢ちゃったのか……私。

自分の音だけが響く室に息苦しくなった私は、暗闇の中から手探りで攜帯を探すと、手に取った攜帯の眩いに目を細める。

そして待ちけに映し出された莉結からのメッセージを確認すると、私はほっとをなで下ろすように仰向けになって天井を見上げ呟いた。

「莉結のばか」

"My sweet angel"

そのメッセージの下には一枚の寫真が添付されていて、寢ている私の頬にを寄せる莉結の姿が映し出されていた。