《ロリっ娘子高生の癖は直せるのか》4-1 「ロリコンは帰って!」
高校生として初めての夏休みがやって來た。
今までは長期休暇になっても家でぐうたら過ごすだけだったけど、もう俺は高校生だ。
青春っぽい事をしよう。
夏の砂浜、バーベキュー、プール、戦場の有明……。
最後は余計だが、これらイベントをクリアして俺も立派なリア充に……!
っと終業式までは思ってました。
結局寢て起きてゲームして寢るという繰り返しで一週間が過ぎ、今日も今日とて晝まで睡していたところを舞奈海に叩き起こされ今に至る。
「……おはよう」
「おはよう、じゃないでしょお兄ちゃん! 今何時だと思ってんの!?」
「すまん、こんにちはだな、舞奈海」
「違う! そういう意味じゃないから!」
地墮落な生活を送るのは俺の勝手なのに、どうしてこいつはいつも他人の部屋にってまで起こすのだろうな。
「お兄ちゃん、今日は用事あるの?」
「あぁ、午後から出掛ける用事があるけど」
「本當!? じゃあ帰りに大仏チップス二袋買ってきてくれない?」
「いや、今日行くのは堂庭の家だから……」
がくーんと肩を落とす舞奈海。
悪かったな、近場で。
「あの変態瑛りんと遊んで何が楽しい訳? お兄ちゃんってドMなの?」
「ちげーよ。夏休みの宿題を一緒にやるだけだよ」
一緒にやろう! といいつつ俺が書いた容を丸パクリするのは毎年の恒例行事だったりする。
「てかさー、お兄ちゃんと瑛りんって仲良いよねー。高校生なのにさー」
「腐れ縁みたいなもんだしな。まあ普通だよ普通」
「ふーん。どうだかねぇ……」
吐き捨てるように呟いた舞奈海は呆れた表を浮かべる。
小學生のくせして偉そうだな、こいつは。
「……あ、そうそう。朝ご飯冷蔵庫にあるからチンして食べちゃってってお母さんが言ってたよ」
「ん、了解ー」
「あともう洗濯終わってるから、洗いたい服があれば自分で勝手にやれだって!」
「うぐぅ、マジか……」
ぐうたら生活の弊害である。
俺の面倒くさそうな顔を見た舞奈海は、やれやれと溜め息をついてそのまま部屋から出ていった。
俺はシーツを軽く整えた後、支度に取り掛かった。
ピンポーン
二つ隣にあるこの家はいつ見ても豪勢だ。
見上げる高さの門の脇にあるチャイムを押して待つ。
しばらく経つと見慣れたアイツが出迎えてきた。
「やっほー! 今日も暑いねー」
「……だな」
一言挨拶をわした後、堂庭は手元のリモコンを作し始める。すると、洋風な門がガシャガシャと音を立てながらゆっくりき出した。
俺は欠をしながら門が開くのを待ち、堂庭に続いて庭の小道を歩いていく。
それにしても……こいつの私服は今日も稚だ。
眩しい程濃いピンクのTシャツにデニムのホットパンツ。
実年齢とそぐわない華奢な生腳がわになり、細くて未な太ももがそれロリらしさを強調している。
だがそれは決してセンスが無いという訳ではない。
寧ろ自分のに最も適したファッションとも言えるだろう。
そんな堂庭は振り向き様にこう問いかけてきた。
「今家にはあたし一人しか居ないけどチャンスだと思って襲ったりしちゃ駄目よ」
「しねーよ。お子様は眼中に無いんで」
「……はぁ。あのさ、しは話に乗ってくれない? こっちも冗談で言ってるだけなんだから」
いや何で呆れたような顔をするんだよ。だったら……。
「ぐへへー。もう逃げられないぞー」
「うわキモ。ロリコンは帰って!」
「おま、ふざけんなよ!?」
怒る俺の顔を見た堂庭は無邪気に笑う。ったくこのガキ……。大、ロリコンはお前の方だろ。
「はぁ楽しい楽しい! さ、中にってー」
「俺は全然楽しくないけどな。……お邪魔します」
晴れない気分のまま、お城のようなお屋敷に足を踏みれた。
「ようこそ我がスイーツゥマイウ、ルームへ!」
「噛むなよそこで……」
先程からノリノリな堂庭はじゃーんと両手を広げる。
というか前にもこの部屋はったし。何でそんな歓迎ムードなのか分からん。
「今日のお前テンション高過ぎないか? 勉強會をやるんだぜ? 勉・強・會・を」
「ぐっ……。そんな強く言わなくても分かってるわよ」
「よーし、分かってるならいい。じゃあ今年は丸寫ししないでしっかり勉強しような!」
「チッ、同じ手はもう使えないか。……晴流にも學習能力があったのね、知らなかったわ」
「ひでぇ言われ様だな、おい」
普通に考えて、いつも俺の宿題を丸パクリしていた堂庭が圧倒的に悪いだろ。
まあこいつは自分の非を棚に上げるところがあるし、分かってるから別にいいけど。
「仕方ないから今年は真面目にやるわ。でもそれが終わったら……晴流、あんたにはし付き合ってもらうわよ」
「え……何を」
戸う俺をよそに堂庭はとても楽しそうに、そしてその児ロリ型に相応しい無邪気な笑顔でこう言った。
「ゲームで遊びましょ! とびきり可いの子のゲームで!」
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