《ロリっ娘子高生の癖は直せるのか》【スピンオフ・修善寺の過去】小學生編「ロリ化計畫」

「あの共……絶対に反省なんかしてないはずだわ」

私への口が叩かれるようになってから數日後。

追い詰められた私に瑛は「許さない」と言ってくれて味方についてくれた。そして彼がクラスメイトにガツンと怒ってくれたのだろう。今日の私は一日を通して悪口を聞いたり、軽蔑される事は無かった。だけど……。

「十分じゃよ。父の行いもわしの言葉遣いも事実なのだし、直接害をけないだけで十分満足じゃ」

馬鹿にするように笑われたり、ノートへ落書きされる事は無くなった。でも無視はされ続けている。クラスに存在しない者として私は未だにハブられているのだ。

「何が満足よ。あんただって本當は皆と仲良くしたいでしょ」

「そう……だけどわしには仲間にれてもらう資格は無い……」

「ほらそういうとこ。あんたってそんな弱気でナメクジみたいにウジウジした奴だったの?」

顔を近付けてきて睨まれる。

今までの私だったら、笑って吹き飛ばすか蓋をして無かった事にするかのどちらかを選択していただろう。だが今の私は中途半端。瑛が苛立ちを覚えるのも無理はない。

「ごめん……。わしもよく分からないのじゃ……」

「はぁ……。あんたって本當に世話焼かせな子ね」

きっと數年後の私だったら「お前が言うな」とんでいるだろう。だが當時の瑛は抜け目が無く実に頼もしい存在だったのだ。

落ち込む私に瑛は溜め息をらした後、薄らと笑った。

「私の部屋で遊ばない? 見せたいもあるし、ちょっと気分転換しましょ」

言いながら私に背を向けて歩き出す瑛。どうやら拒否権は無いようだ。でもこれも瑛なりの配慮であり、照れ隠しでもあるのだろう。ここは一つ、彼の言葉に甘えておく事にする。

「……自由な奴じゃのう、お主は」

「ん? 何か言った?」

「いや、なんでも」

振り返る瑛に私は無言の笑顔で返す。

小學生の私にはあまりにも辛過ぎる慘劇で、誰も居ない無限の彼方へ逃げ出したいとも思ったけれど今は瑛がいるから生きていけると思った。

今は彼が私自を繋ぎ止めてくれていた。

「ささ、って」

「お邪魔します……」

久々に訪れることとなった寮と瑛の部屋。

自宅通學するようになってからは何となく疎外を抱くようになり、寮に立ちるどころか付近を歩かないようにしていた。

お互いの部屋を行き來するほどだった瑛も今では學校の外で遊ぶことがほとんどになった訳だし。

「なーに、かしこまっちゃってるのよ。もっと楽にしなさいって」

「じゃが……なんか張するんじゃよ」

しばらく來なかったせいなのか私の神的不安定さが問題なのかは分からないけど、最も頼れる存在の瑛を前にしても私は素直になれなかった。

「まあいいわ。……で、あんたはどうするの?」

「どうするって……?」

ベッドの側面に腰掛けた瑛が問いかける。

「クラスの連中はあんたの口癖を馬鹿にしてるけどさ、それでも直す気は無い?」

「それは……」

私の特徴的な言葉遣いは私の自己満足によるものではない。「お姫様っぽい!」と気にってくれた蒼琉くんの志をけ継いでいるのだ。だから――

「うむ。わしが彼を想う限り、この癖は誰に何を言われても止めはしないのじゃ。もし止めてしまったらわしはわしで無くなってしまうからのう」

「そっか。なら良いんだけど」

私の答えを聞いた瑛はニコリと微笑んで立ち上がる。

「ちょっと待ってて。あんたに見せたいモノ、出してくるから」

そう言い殘して部屋の奧へと駆けて行ってしまった。瑛が私に見せたいって……一何だろう。

「え、何これ……」

意気揚々とした表で両手に抱えて持ってきたのは類とアクセサリーが數點。ブランドの自慢でもするのだろうか、と思いきや容が奇抜すぎた。

「じゃーん! どう? これあたしが著たら似合うと思う?」

「は、はぁ!? これをお主が著るのか!?」

私の前に並べられたのは水のスモッグや黃い通學帽。制服のようなものも有るが……どれも園・児・向けの類だった。

「もちろんそうよ。ほら、あんたが昔に言ってたじゃない」

「……わしはお主が変態になるよう指導した覚えはないのじゃが」

「ち、違うわよ! そうじゃなくて「敢えて子供らしく売り込むのもアリ」って言葉よ」

「あぁ……。確かに言ったような気はするが……」

大人のレディーになる等と言ってるくせにツインテールと大きなリボンを付けていた瑛を注意した時に言ったんだっけ。しかしあれは年相応の良さを生かすという意味で言ったのであって、逆行しろという意味では無かったのだが……。

「あれから気付いたのよ! あたしはモデルさんみたいにスタイルは良くないし、だってまだぺったんこだわ。だから大人っぽさを目指すのは止めて子供になれば良いってね!」

型にコンプレックスを抱いている者は私を含めて巨萬ごまんといるだろう。だがそのコンプレックスを逆手に取って行に移すのは恐らく瑛くらいだ。彼のポジティブ合は計り知れないな。

「知ってる? 世の中にはこういう服を著るの子が好きな人もいるらしいんだよ。だからあたしもモテると思うの!」

「あぁモテモテになるかもしれないのう。ロ・リ・コ・ン・にな」

きらきらと目を輝かせている瑛は知らないだろうけど、このロリコンという人種にはろくな人間がいないと聞いたことがある。

もちろん善良な奴もいるだろうが、時折私たち小學生児を狙う不審者の報を耳にすると、やはり良い印象を覚えないのが実だ。

「止めたほうが良い。そんな馬鹿げた服を著て外に出たら格好の餌食じゃぞ?」

「やっぱりそうかな? だってモテちゃうもんね!」

「そうじゃない。お主のに危険が及ぶからじゃ」

「危険……? でもそっか。確かに大勢の人に取り囲まれたら危ないよね」

「殘念」と呟きながら園服を畳み出す瑛。私の言う危険がイマイチ伝わっていないようだが、諦めてくれたので結果オーライかな。

「じゃあ今度は小さいの子が好きなおもちゃとか買ってみようかな。外見が駄目なら面から磨かないとね!」

「はぁ……。もう好きにするとええ」

深さには到底葉わない。彼が片想いしている相手はとんだ幸せ者だな。

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