クリスマスに合わせた番外編の投稿です。

このお話は晴流達が高校三年生、つまり本編完結からし時間が経っています。

進路選択を目前に控えた彼らはどのように過ごしているのでしょうか。しだけ覗いてみることにしましょう……。

(続編の伏線もあるかも……？)

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十二月二十四日。

この日を何の日と尋ねれば現代日本人ならほぼこう答えるだろう。

クリスマスイブ。聖なる夜に想いを馳せ、大・切・な人と一緒に過ごしたい日の一つ。

そう、大切な人と過ごしたいのだ。家族でも人でも、友達でも構わないだろう。

もちろん俺だってそれに該當する人がいる。そして、俺は今そいつの家にお邪魔している最中なのだが……。

「もも裏の付きが甘いのよね。キャラならもっとムチムチさせるべきだわ」

PCのディスプレイに映し出されたの子のイラストを指差しながら、しかめっ面で批評しているのは堂庭瑛。俺の人だ。

「でも顔は整ってるし畫力もあるから十分じゃないのか？」

「全然ダメよ。顔も大事だけどロリにムッチリボディは不可欠なの」

「はあ……」

「この子よりもあたしの方が良い腳をしていると思うわ。この辺りとか――」

赤黒のチェック柄スカートを大膽にめくり、太ももの割と際どい部分をる堂庭。

きめ細やかなは健康的なをしていて、イラストのの子と比べても負けず劣らずにしい。大人のとは無縁の児型をしているが、彼にはらしさという魅力が誰よりも備わっていると思う。要するにとても可いのだ。々はしたない部分が現在進行形であるけど……許容範囲だろう。

「……パンツ見えてるぞ」

「あら、晴流ったらいやらしい所ばかり見てるのね」

「ちげーよ。お前が急に変な事をするのが悪いだろ」

「ふふ、また照れちゃって……もしかしてあたしのらかーい腳をりたいの？　それとも上の方がお好みかしら？」

するようなセリフと共にこちらに詰め寄ってくる。更に彼から漂うシャンプーの香りが俺の理を鈍らせた。

しかしここで終わるわけにはいかない。聖夜の始まりはまだ訪れていないのだ。

堂庭と付き合い始めてから約十ヶ月。最近の彼は積極的に俺に甘えてきたりってきたりしている。こんな小學生のような見た目の奴が気付いちゃって、なんて思う事もあるが俺を好いてくれるのは素直に嬉しいし、可さ満點なので許してあげている。

「というかクリスマスに二人でロリ畫像巡りっておかしくねぇか？　もっとこう……クリスマスっぽい事しようぜ」

「分かってるわ。今日はお気にりの絵師さんが皆イラストをアップしてたから晴流にも見てほしかったのよ。この後の予定も考えてあるから、あと一枚だけお願い！」

そう言って手際良くマウスをかし、次のリンクへカーソルを運ぶ。

表示されたのは言わずもがな、いの子のイラストだ。しかし今まで見た畫像とは幾分異なる點があった。

「ほほう、これはまた味気があるというか何というか……」

二次元の知識が疎い俺には理解できない価値観かもしれないが、お世辭でも「綺麗な絵」と言えない素人が殘る作品に思えた。

だがロリコン変態オタクJKの堂庭が見てくれと頼むのだから魅力的なイラストに違いないだろう。描かれているキャラは金髪ツインテールで見た目も堂庭に似ているし、親近を覚えたのかもしれない。

「この絵師さん『さやえんどう』って名前なんだけどね、これから絶対びる人だと思うの。だから今のうちにファンになってサインとかしいなー、なんて」

「なるほど……俺はさっぱり分からんが、お前がそこまで自信を持つのならこの人も有名になるのかもしれないな」

「えっへん！　あたしの目利きに間違いはないのだよ！」

両手を腰に當てて得意気に答える堂庭。偉そうにしているけど、お前の手柄では無いだろ。

「よし、じゃあピク○ブ巡回はこれで終わり！　ちょっと仕度してくるから、晴流はここで待っててね」

「あぁ、了解」

さて、今度は何をしてくるのやら。

とことこと部屋を出ていく堂庭を見ながら、俺は小さな溜息をついた。

◆

約十分後。

勢い良く開かれたドアの先に待っていたのはサンタクロースのコスプレをした堂庭だった。

「じゃーん！　メアちゃんに作ってもらったんだけど、似合ってるかな？」

「…………天才かよ」

一目見た瞬間、思わず嘆の聲がれる。

リアルなサンタクロースの裝とはかけ離れているが、両肩と元ギリギリまで出した姿は目のやり場に困ってしまう程だ。

更に下半を見れば丈の短いスカートから華奢な二肢がすらりとびている。もちろん服のクオリティも高く、手作りとは思えないデザインだ。

似合っているかと聞かれればもちろん似合っていると答える。

裝のセンスが高く、素も最高級なのだから似合わない訳が無いのだが、それでも見惚れてしまう。子供にしか見えない型なのに若干の興を覚える自分が憎い。に興味は無いはずなのに、どうして堂庭はこんなにもらしく映るのだろうか……。

「俺は……お前と出會えた事に謝するぜ……」

「今更何を言ってるのよ。あたしだって晴流と巡り會えて…………人になれて本當に良かった……」

語尾を弱らせながら上目遣いでこちらを見つめる堂庭。くっ、こいつ……俺を萌え殺しさせる気かよ。

「お、おぅ。まぁあれだ。これからもよろしくな」

「うん、こちらこそ。……大好きっ！」

堂庭は両膝を曲げてジャンプしながら俺の元に抱き著いてきた。俺はそれを両腕でけ止めて、それから彼の頭を優しくでてあげた。

時刻は午後六時。聖なる夜がいよいよ始まろうとしていた。