《ロリっ娘子高生の癖は直せるのか》【スピンオフ・修善寺の過去】高校生編「賭け」

――十五歳。私立鶴岡學園高等部學。

エスカレーター式という便利なシステムにより特段苦労せずに進學し、晴れて子高生という煌びやかなステータスを手にれた訳だが私は素直に喜べなかった。

今の學園に居続けるには相當量の札束が必要。しかし借金返済の毎日をトタン屋のボロ家で過ごすような家庭狀況では収に対しての學費の負擔が余りにも大きすぎる。

私は費用の補助がけられる公立の高校へ進學しようと母に相談したが「今の友達を大切にしなさい」と言われ私の意見に賛同してくれなかった。

母は私を気遣っている。金銭面の都合で娘の進路に影響を與えたくないのだろう。そのくらいは分かっているけれど、私が鶴岡學園から離れたい理由は學費の他にもう一つあるのだ。

自分を変えたい。

私を知る人が誰もいない環境で新たに學生生活をスタートさせたい。

要するにかつての父が起こした事件によってクラスからハブられている現狀から早く抜け出したいのだ。でもそんな本音を母に言えるわけなくて……。

高校進學から約一ヶ月が経った頃。唯一の友好関係にあった桜が突然転校してしまった。理由は教えてくれなかったけど私には分かる。だって彼が転校した先は瑛と晴流がいる東羽高校なのだから。

桜は想いを伝えようと行に移している。でも私は何もけていない。母が心配するかもしれないなんて理由で自分を犠牲にするのはもうやめよう。本音が言えないのなら言えるように自分が変われば良いじゃないか。

この頃から私はとある調査を始めていた。

「うむ……。思ったより健全な學校なのじゃろうか……」

スマホのブラウザアプリを開き『東羽高校 評判』と力して検索する。私は気掛かりな事が二つあったのだ。

それは瑛の近況について。小學生の時の喧嘩以來、彼とは音信不通になっている。桜からの報で東羽高校に通っているのは分かっているのだが、瑛がクラスに馴染めているかどうかは気になるところ。

二度と口を聞かないなんて言ってしまったが、今でも私は一番の親友だと思っている。お節介かもしれないけれど心配くらいはさせてほしい。

もう一つは単純に東羽高がどんな學校なのか知りたかったのだ。なんせ私の転校先の第一候補だからね。

様々なサイトを見て回ったが、學校に関する悪い噂を見つけることはできなかった。學校裏サイトのような掲示板も無さそうだし、特定の生徒の口を叩くようなやり取りも見けられなかった。

だがこれで安心はできない。瑛のロリコンがバレていないかどうか。仮にバレていた場合、周囲からの視線は非常に冷たいものになるだろう。ハブられる辛さは私も長らく経験しているからよく分かる。だから瑛にも同じ思いをさせたくはない。ならば私が打つ手は……。

一枚のコピー用紙にとある一言を書いた。それと瑛が寫っている寫真數枚を茶封筒にれる。

宛先は東羽高校新聞部にしておいた。理由はこの手紙の容を瑛本人に伝えるため。新聞部であれば手にれたスクープを放っておくなんてしないだろうし、本人に直撃する可能は高いと考えられる。

因みに新聞部というのはスマホで調べて手にれた報だ。

住所を書いて切手もり付けて準備は完了。早速近所のポストまで赴いて投函した。

これは非常にリスクの高い一か八かの大きな賭けだった。下手すれば瑛の學校生活は最悪になってしまうかもしれない。だが今の瑛には頼れる相手がいる。彼が話してくれた彼の報が真実である限り、この作戦は間違いなく功するだろう。

それから一週間。事態は大きくいた。

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ここから先は本編2章の修善寺視點となります。

※次話は2/1(金)投稿予定です。

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