《悪役令嬢は趣味に沒頭します》7 突然な出來事
あれから3ヶ月たち、この國でも冬と呼ばれる季節がきた。私は冬があんまり好きでない。なぜなら手がかじかんでピアノが上手く弾けないから!!
でも、さすがは公爵家。魔法で溫度設定がされているため屋敷中どこでも暖かい。(あ、魔法についてはまた今度!)
(冬でもピアノが問題なく弾ける幸せ。最高…)
音楽馬鹿にとって手がかじかむのは死活問題なのです。
そんな風に幸せを噛み締めながら今日もまたピアノを弾く。
あ、ちゃんとほかのレッスンは終わってますよ!
「さて、今日は何を弾こうかな…」
他國から取り寄せた譜面をペラペラめくっているとメイドのアンナがってくる。
「失禮します、お嬢様。旦那様が至急、書斎へ來るようにと。」
(今から弾こうと思ってたのに…)
「…わかりました。今から向かいます。」
「はい、申し訳ありません。お願い致します。」
一禮してアンナが出ていく。
軽くだしなみを整え、お父様の書斎へ向かう。お母様とお兄様をいらっしゃるようで、部屋から話し聲が聞こえる。部屋の前に立っていた執事のじいやに催促され部屋にる。
「失禮します、お父様。お呼びでしょうか?」
部屋にると見たことのない子が私の前に立っていた。
(え?だれこの子)
背は私より低く、年下みたいだ。髪のは藍?かな、目は前髪で隠れていて見えない。
「あぁ、來たねリア。君にも紹介しよう、今日からわがエルディーナ家の次男になる子だよ。」
「え?次男?つまり、新しい家族ってことでしょうか」
「えぇ、そうよ。リアちゃん、ウィル、仲良くしてね。」
んんんん?ゲームにこんなイベント合ったけな…合ったわ、合った!そういや1歳差の弟いるわ!んで、なんだっけ?母親に捨てられた子でなんか知らんが父親が拾ってきて我儘なリリアがめっちゃめてたわ。
「はい!」
「はい。」
私たち仲良し兄弟(最近なったばかりだけど)にかかれば仲良しなんて楽勝!!
「えっと、よろしくお願いしますね。」
握手のつもりで手を差し出すが避けられる。1歩前に出たら1歩前に引かれた。
(…こうも分かりやすく避けられるといじりたくな…あかんあかんゲーム通りにやってどうする。)
ちょっとうずうず來てしまった。まぁ急に仲良くなんて無理だよね!
「……それではお兄様、この子を連れて屋敷の案をしましょうか。」
「…する。」
あ、お兄様はもともと口數がないので。別に私をこの子が避けたからといって怒ってる訳ではないですよ!…きっと。
いくら差し出しといても握られない手の、形を変えて私が弟くんの右手首、お兄様が左手首を鷲摑みし、無理やり引っ張って案(連行)する。
弟くん、何が何だか分からずびっくりして固まる。
「それじゃあ、いってきまーす!」
外から見たら宇宙人を連行する人みたいだ笑(どっかの映畫でみたな…)
そうして、私たちの無駄に広いエルディーナ家の探検が始まった。
☆
「ふふふ、さっそく仲良くなってくれて良かったですわね。」
「あぁ、そうだな。」
「ところで、あの子はエルディーナ家領地の街の路地にいたのよね?」
「あぁ、そうだ。最初見た時は酷い姿だったよ。はボロボロでお腹を空かせているし、服も汚れていたしね。ひとまず保護して使用人たちに面倒をみさせたんだ。
それでね、さっき服を著せている時にちらっと見えたんだが…目のがリアと同じ紫でね。なんだかそれを見てからほっとけなくなってしまって。
元も確認したが…あれは親の元には返さない方がいいな。」
「エルバートの決めたことなら従いますわ。一応、聞いておきますが…貴方の隠し子ではないのよね?」
「はい?!…何を言ってるんだよ、君は。私がするのは君とこの家族だよ。」
「ふふふ、ならいいのよ。」
急にぶっ込んでくるフィーリア(お母様)であった。
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