《男尊卑の改革者》第一章『異世界転生!?』第五話「変態?と魔法の語」
俺はミリアに抱っこされながら、目の前に広がるいつか見たような景に頭を悩ませていた。
「……………な、なぁ。ミリア?」
「なんですか?変態ネロ」
「い、いや。私はいつまでこうしていれば…………」
「(ニッコリ)」
「…………な、なんでもない」
「そう。ならよかったわ〜」
…………怖いよ。いや、俺のことを心配してくれるのは素直に嬉しいんだけど、怖いよ。
皆様の予想通り?、俺の目の前でネロさんがミリアに正座をさせられている。
まぁ、とは言え今回、俺はフォローしない。こういうタイプの人 変態は調子にのせちゃいけないからな。
「…………それで?この子はどうだったんですか?」
「む?あぁ………お前たちに似て天才だったぞ」
「(ん?俺の話か?)」
唐突に始まった俺の話。天才なんて言ってるけど……………こんなにあっけらかんに言うってことは多分、持ち上げてるんだろうな。
俺がそう思っていると、
「はぁ…………そんなことは知っています。私たちの子なんですよ?私だって子供の頃、あなたに天才と言われたんですから」
ん?どういうことだ?というか、今ミリア、子供の頃って………。
「まったく、昔は可い弟子だったのになぁ………。今となっては、その面影は一切ないし」
「100%自業自得ですからね〜。言っておきますけど」
………どうやら、ミリアとネロさんは昔からの知り合いらしい。でも、弟子?一緒に魔法を學んでいたのではなくて?
「これでも一応、純のエルフなんだだぞ?私」
へ?エルフ?…………あ、ホントだ。耳が尖ってる。
「ただただ、長生きしているだけでしょう?今年で五百何歳になるんでしたっけ?」
ご、五百!?こっちの世界でもやっぱりエルフは長壽ってことなのか。
「…………はぁ。とりあえず、お前の子についてだが、さっきも言ったとおり天才だな。それもとびっきりの。才能だけなら、ソフィアよりもあるだろう。さらに言えば、お前たち夫婦を超えるだろうな」
「(………え?そうなの?普通くらいじゃないの?)」
思っても見なかった回答に思わず、びっくりしてしまう。そんな中、
「だって!ユウちゃん!!」
と俺に向かって、途端にぱあっと花が咲いたような笑顔を見せるミリア。
「やっぱり、私達の息子よね〜。ホントはアレ変態に魔法を教えてもらおうと思ってたけど、心配だから私が教えてあげるわ〜。私もそこそこ強いのよ?しっかり鍛えてあげるからね〜」
と、上機嫌だ。俺もこんなふうに褒められて悪い気はしない。時々、攻撃的な言葉があるが気にしない。気にしないったら気にしない。
「それは無理だな」
「……………」
いきなり変た………ネロさんが真面目な顔をしてそう言った。
「(………ん?どういうことだ?)」
よくわからんが、話を聞いた限りミリアは魔法に関して相當な才能を持っているのだろう。だったら教えることも出來ると思うのだが………。
「…………どういうことですか?先生?」
ミリアも俺と同じようで、真剣な表でそう聞き返す。
「ミリア。お前の適はなんだ?」
「(適?)」
またもや、聞きなれない単語が出てくる。前の世界のラノベみたいに、そういう魔法の本を読めればいいのだが、あいにく書庫まで移できるほど、が長できていない。そのため、今の俺は魔法に関しての知識はほぼゼロなのだ。
「…………知っての通り、水と風、ですが」
「(…………これはもしかしてアレか?適正がないと魔法が使えないみたいな…………)」
冷や汗が出そうになる。まさか、その適に問題があるのだろうか?
「そうだな。そして、その子の適は…………」
「「「……………」」」
一瞬の靜寂が部屋に訪れる。そしてネロさんが口をニヤリと開いて、
「全屬じゃ」
「…………へ?」
後ろで、マルシアが気の抜けた聲を出す。
「(…………えっと?全屬?それって……)」
と落ち著いて考えようとしていたところに、
「ユウちゃん!!」
「うにゅ〜〜〜」
と、いきなり今までにないほど強く抱きしめられる。
「すごいすごい!!本當にスゴイよ!!ユウちゃん!!」
まるでのようにキャッキャウフフと俺を抱きしめながら、部屋を飛び跳ねるミリア。今までにないほど、興しているようで、
「う〜〜〜〜!!」
と、俺が窒息しそうになって肩を叩くのだが、
「はぁ………スゴイよ。本當に」
と、ボーッとしている。
「(や、ヤバイ!?まじで息が!?)」
と、俺が死にかけていることにマルシアが気づいたようで、
「み、ミリア様!!ユウト様がっ!!」
「え?………きゃあ!?ユウちゃん!?大丈夫!?ご、ごめんね!?興しちゃって」
ミリアはそう言って、ようやく俺を開放する。まぁ、ので窒息死なんて特殊な幸せな死に方はなかなか無いと思うが、まだ死ぬのは惜しい。
「ご、ごめんね………ホントに」
と、いきなりシュンとしてしまうミリア。ミリアがこんなふうになるのは珍しい。とは言え、ミリアのこんな顔は見たくないので、
「あぅ〜〜」
手を出來る限りばして、頬をでる。…………というより、ただ軽く「ペシペシ」と叩くことしかできないのだが………。
それでもミリアは、俺の言いたいことがわかったのか、らかな笑みを浮かべて、
「ありがとう、ユウちゃん」
と、いつものミリアに戻った。……………よかったぁ。
「ふむ……………やはり知能があるようだな。赤ん坊とは思えないほどに。これは鍛えがいがありそうだな」
せっかくいいじになってきたのに、またこの変態せんせいがあの顔をして、余計なことをいう。
「…………私を同行させてください。それがこの子をあなたに預ける條件です」
「(…………え?マジ?)」
これまで完全に変態反対派だったミリアが同行するとはいえ、まさか承諾するとは………。
俺がそんなことを考えていると、ミリアは俺の目をじっと見て、辛そうな表をしながら話し出した。それはもう辛そうで、目には涙が見える。
「もちろんね?私もこんなことはしたくないの。でもね、こんなの・・・・でも優秀な魔師なの。こんなの・・・・でも…………しかも、アレ・・は全屬に適正があるの。私がそうだったらよかったんだけど、殘念ながら私じゃ教えられないこともあるの。だから、アレ・・に教わってくれるかしら?もちろん変なことはさせないわ。ユウちゃんには才能があるからそれを活かしてほしいの」
と涙ながらに話すミリア。それを聞いて、俺もミリアの辛さ?が分かった。ミリアがここまでしてくれているのだ。自分だけ逃げるのは卑怯だ。だから俺は、
「あいっ!」
と返事をした。ミリアはそれを見て、
「………ありがとう。ユウちゃん」
と俺をぎゅっと抱きしめてくれる。ポカポカするミリアのの中の俺を、眠気がおそい、瞼がしずつ下がってきて……………、
「…………なぁ。酷くないか?さすがに」
と流石に応えたのか、苦々しい表の変た…………ネロ先生がいた。
「先生がいけないんですよ?そんな表するから」
「………わるかった。まぁ、そういうわけでこれから私がお前の師匠と言うことだ」
立ち上がって俺の前に來てそう言ったネロ先生。
「(まぁ、確かにこれからお世話になるんだし一応挨拶くらいはしておいたほうがいいか)」
「…………あい」
「…………何故か、先程よりもやる気がじられないんだが」
「先生ですから。ね、ユウちゃん?」
「………………」
そんなこんなで、俺の魔法の師匠が決まった。ネロ先生はそれから魔法について簡単に説明してくれた。雑談になるとどうしても眠くなってしまい、フラフラしてしまっていたが、とりあえず基本は分かった。
魔法を発現するのに必要な魔法の基は魔力であり、これを消費することにより魔法を発現する。まぁ、ここらへんは予想していたとおりだ。そして魔力にはがあるらしく、それが魔法の適ということらしい。火屬なら赤。水屬なら青。そして、俺みたいな全屬は虹らしい。このというのは、魔眼を持つものにしか直接見えることができない。そのため、それを生業としている人間もいる。だが、ネロ先生は魔眼持ちではない。先生いわく、裏技を使って俺の屬を調べたらしい。まぁ、その話はまたにしよう。
そして屬についてだが、基本屬は火、水、風、雷、土の五つで、闇、無屬の三つが副屬として加わる。特徴なんかはラノベとだいたい同じだった。それとこれらを組み合わせることで合魔法と呼ばれるものも作れるらしい。これは完全にオリジナルなようで、その分扱いも難しいが強力な魔法になるらしい。ぜひとも教えてほしいものだ。
まぁ、基本はこんなところだろうか。とりあえず、自分に才能があったということは素直に嬉しい。きっとあの両親ならし魔法を覚えただけでスゴく喜んでくれるだろうな。
これからの生活がさらに楽しみになってきた俺だった。
To be continue.
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