「そろそろ行くか。」

俺達は【始まりの街】の噴水で待ち合わせをすることになっている。

「おーい龍！」

先に2人は著いていたようだ。容姿は俺同様ほとんど変わってない。

「おう！　2人とも早かったな。」

「春樹が早く早くって急かしてきて...」

やっぱりか、いつも春樹はやりたい事を真っ先にやるやつだからな。

「よし！　じゃあ行くか！　2人はどこら辺まで進めたの？」

「俺達はゴブリンを何か狩ったぜ！　なかなか強くてびっくりしたよ。」

「確かに結構強いよな。じゃあ二人ともまだ初期裝備？」

「そうだぞ。だから何回か死んでるし、な！」

「う、うん。」

幸いな事にこのゲームにデスペナルティは無いので何回死んでも安心だ。俺も今のうちに何回か死んどいた方がいいかもな。

「じゃあまずはゴブリンでも狩ってお金稼ぐか。あ、2人はなんの職業に就いたんだ？」

「俺は剣士！」

「私は回復士だよ。」

「なるほど、春樹が近接で風夏が回復させるってじか。」

「そうだぜ！」

「でも、風夏攻撃用の魔法とか何も無いだろ？」

「う、うん。」

「敗因はそれかな？」

「流石龍！　長年やってるだけのことはあるな！」

「まあな。じゃあ2人でいつも通り攻撃して、風夏の所に來た敵は俺が倒すよ。」

「おっけー！　頼んだぞ！」

「うん。私は龍の方も回復させた方がいい？」

「俺は大丈夫。回復してって言った時だけよろしくな！」

「う、うん！　頑張るね！」

風夏はし嬉しそうだ。

「よーし！　じゃあ行くぞー！　龍、風夏俺に続けー！」

流石春樹だな。はしゃいでやがる。

「なあ龍、ゴブリンいるか？」

「居るぞ？　春樹が索敵スキル無いだけだろ。」

「確かにねえけどよー。あれって必要か？」

「結構使えるぞ！　索敵スキルを甘く見ると死ぬことだってあるんだからな！」

「お、おう。そうか。」

「私がそのスキル取得しようか？」

「おっ！　いいアイデアだな！」

「まーそれでもいいけど、攻撃スキルを俺が教えなきゃいけなくなるな。」

訓練場ではスキルの使い方をマスターすればそのスキルを教える事が出來る。しかし、固有スキルなどは教えられない。

「龍が教えてくれるなら良いよね？」

風夏頼まれると嫌とは言えないからな。

「仕方ないな。いいぞ。」

「よし！　流石風夏だ！」

「えへへ。えっと、取得出來たみたい。」

「じゃあ索敵スキルでゴブリンを探してみなよ。多分最初でも見つけられると思うから。」

「分かった。」

こうして俺達の戦いは始まるのだった。