に転生した俺の保護者が神な件。》55話 作戦開始

「とんでもない事になってしまった……」

「シンシアちゃんなんでOKしちゃったの……」

「今からでも遅くないわ。斷りに行きましょう」

「でも……なんか國王嬉し泣きしてたし……斷れないよ」

イヴが眠りについた後、シンシアはサラとクラリスに全てを話して絶していた。

もしこのまま話が進んでしまえば、シンシアはヘンリー王子と婚約。つまりは結婚して子供を産むという事になる。

更に王子を守る為の護衛の騎士。それはどうでもいい。重要なのは結婚の方だ。

「俺……男に興味ない……」

「そうだよね……シンシアちゃん同者だから」

「その言い方はやめて」

どうしたものか……どうにかして誤魔化す方法はないか?

◆◇◆◇◆

「……一かバチか、この作戦に掛けるしかない」

「上手くいくとは思えないわ。私があの2人を洗脳して記憶を消す方が上手くいく」

「いや、それは最終手段に取っといてくれ。この作戦を明日、実行する」

◆◇◆◇◆

次の日、シンシアは學園を休んで朝から腹いっぱい食べを胃にれて魔力を満タンにさせた。

「クラリスさん。転移お願いします」

「もし何かあったら逃げ出して私のところに來るのよ。関係者全員の記憶を消すわ」

「ああ、よろしく頼む」

城の近くまで転移して、そこで大人に変すれば魔力の節約になる。

◆◇◆◇◆

城の近くにやってきて、早速シンシアは早速大人に変する。

「無理しないでね」

「ああ。行ってくる」

王子から貰った紙を手に、いざ衛兵にヘンリー王子の元へ案してもらう。

「お話は聞きましたよ。ヘンリー様と婚約されて騎士になると」

「え、ええ……」

もうんな所に話が出回っているのか。だったらやっぱりクラリスさんに頼んだ方が……いや、安全なやり方しかない。

──コンコン

「ヘンリー様、シンシア様をお連れしました」

れてくれ」

部屋の中から薄らと記憶していた通りの聲が返ってきて、シンシアは張した様子で部屋の中にり、ヘンリー王子の前の椅子に座った。

「実は、昨日はシンシアさんがあまりにも張していたようなので、まだ婚約屆けは出していません。改めて詳しく話してから決めましょう」

「っ……分かりました」

良かった。まだ婚約屆けを出してないなら簡単に斷れそうだ。

「それで、昨日のお話は覚えていますか?」

「実は……あんまり覚えていないんです。張していて……」

「そうですか。婚約の話と私の騎士になるという話です」

「あ、あぁ〜確かそんな話……でしたね」

くそっ、やっぱり婚約と騎士か。誰か男なんかと婚約するか。

シンシアはテーブルの下で拳を握り締めながら、必死に頭を回転させる。

「私と婚約していただければ、お仕事をしなくても好きなを買って好きなように生活できます。ご家族も不自由のない生活ができると思いますよ」

「その……実は私、大食いなんです」

「おぉ! では好きなを沢山食べることができます。どうです?」

自分の悪い所をアピールして婚約する気を無くす作戦、失敗。……いやまだ大丈夫だ。

「それに男の方が嫌いなんです」

「それは……どうしてですか? 何か嫌な思い出でも──あっ、いえ。思い出さなくても大丈夫です。シンシアさん程のしさなら……そういう輩も出てきますからね」

こいつは一何を勘違いしているんだ。何もないぞ。

次っ! 次のアピールをどんどん考えろ!

「せ、格も悪いです!」

「悪いくらいが可いですよ」

「違うんです! その……部屋のは片付けないし、親に迷かけてばかりで喧嘩もしたりして……」

「部屋は城のメイドが片付けてくれますし、結婚すればご両親もシンシアさんを認めてくれますよ」

だぁぁぁぁぁあっっ! なんで俺は前世の自分の話をしてるんだ! もっと俺の悪い所を!!

「ぅぅぅぅ……」

「もしかして、私との婚約は取り消し……ますか?」

悩んでいると、王子はあっさりとその話題を切り出してきた。

「私から頼んでいるので、斷ってもらっても構いません。ですがその……私はシンシアさんに一目惚れしてしまって、もし良ければ1晩だけでも……」

「すみません、私は今の生活が好きなんです。ヘンリー様や國王様には申し訳ないのですが……婚約はどうしても無理です。1晩……? というのも、すみません」

もうこのまま斷っていけば簡単に諦めてくれそうだ。なんだ、意外と大事にならなかったじゃないか。

「そうですか……やっぱり、私にはシンシアさんのようなしい方は似合いませんかね」

「そんな事はないと思いますよ。ヘンリー様にもきっと素敵な方が見つかると思います。ただ私は魔法の道を極めたいので、今後とも誰かとお付き合いをするという事はありません」

ついついクラリスのような雰囲気を真似て喋ってしまったが、それが効果的だったらしく王子は悲しそうに笑った。

「すみません。昨日に続いて呼び出してしまって」

「い、いえ謝ることはありません」

「では最後に一つだけお願いしてもいいですか?」

「お願い……ですか?」

するとヘンリー王子は張した面持ちで、大きく頭を下げた。

「お友達になってください!!」

「……お友達!? あ、頭を上げてくださいっ!」

シンシアは頭を下げたヘンリー王子にアタフタしながらも、お友達について考えていた。

お友達って言うと普通の友達だよな。王子だから別の意味があるとかいう訳ではない。友達……別にそれくらい大丈夫じゃないのか?

「ど、どうしてお友達……なんですか?」

「友人がいないんです!」

「あっ……」

友人がいない、と聞いてシンシアはヘンリー王子に同した。シンシアも前世では友達がいなかった為、その気持ちは痛いほど分かる。

それにに友達になって、なんて頼むのは相當な勇気がいる。

「お友達くらいでしたら……大丈夫、ですよ?」

ヘンリー王子はあっという間に明るい笑顔になって、ガッツポーズを取った。

「今まで友達が出來なかった理由……とかあるんですか?」

なんとなく聞いてみると、ヘンリーは気まずそうに苦笑いを浮かべながら話始めた。

「実は私、運音癡でして……」

「そ、それだけで……友達が……」

「はい……」

なんて下らない理由なんだろうか。もっと酷い理由なら深く同できたのに、やはり王子の悩み事は軽いな。

んっ? なんかがダルいと思ったら、もう2時間経ったのか。そろそろ切り上げないとな。

「ではっていただきありがとうございました。私はこれで失禮します」

「あっ…………はい! お仕事、頑張ってくださいね。そそれと、お友達になった印に私の國の技の寫真、というのを撮りませんか?」 

ヘンリーはし寂しそうな顔をしたが、すぐに笑顔に戻った。

寫真か。友達と寫真くらい當たり前だし、まあ良いだろう。

「良いですよ」

最後にメイドさんに寫真を撮ってもらって、シンシアは城を出て學園へ向かった。

◆◇◆◇◆

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ…………疲れた……」

教室で大きなため息を吐くシンシア。

「今日は來るの遅かったけど、どうしたの?」

「昨日の王子。婚約の話斷ってきた」

「あ、やっぱり婚約だったのね」

ん? アイリ知ってたのか?

「シンシアちゃんなら多分……獨の王様なら必ず狙ってくるわよ」

「えっ、それって?」

「シンシアちゃんの大人の姿が見られたら最後、求婚の荒らしね。寫真なんていうのがこの世界に無いのは幸いだったね」

「寫真……」

シンシアはヘンリー王子と一緒に撮った寫真を思い出した。

もしあの寫真が全世界に広まれば、求婚の嵐……。

「考えたくもないな。白魔の練習でもしよう、アイリ」

「よしっ! シンシアちゃんがいない所で沢山覚えたからね!」

張から解放されたシンシアは、のびのびと學園生活を過ごした。

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