《天才の天災》ログトレ
あの後2人に必死に謝って許してもらえた。それどころか、しの間住ませてもらえるようになった。
でも、僕はこの村の人達の泥棒と同じ行為を認めることは出來ない。
「...うーん。どうすればみんなが盜みを辭めてくれるだろう...」
何度考えても行き著く先は毎回同じだった。
「やっぱりお金、だよなぁ...
稼ぐにしても...今の僕じゃ稼げる宛なんてないし、なんなら僕が1文無しだしなぁ...
魔を倒せば効率がいいんだろうけど...
今の僕じゃ低級のゴブリン相手にやられそうだよなぁ...」
なんて、獨り言をぶつぶつ呟きながら村の中を歩き回っていると、ガタイのいいスキンヘッドの男の人に聲をかけられた。
「よぉ、リョーヘイ。なぁに呟いてんだ?」
この人はあの二人に謝る前に1度あったことがあった。
この人にこの村のこと、事等を教えて貰った。
聞くところによるとこの人は他の人とは違い、狩りをして生活しているらしい。
なんでも、昔は冒険者をしていて怪我でやめたとか言っていた気がする。
「あ...この間の...」
「...お?ああ!そーいや名乗ってなかったな。俺はログってんだ。」
「あ、ログさん。この前はありがとうございました。」
「良いって。別に減るもんじゃなし。
それで?今度は何を悩んでんだ?」
「...はい。実は...」
僕はログさんに強くなりたいと伝えた。
「ほぉ...強く、ねぇ...
お前、喧嘩とか狩りとかの経験は?」
「い、いえ...その...全く...」
「向いてねぇな。」
「は、はは。ハッキリ言うんですね...」
「そりゃあ命かけてるからな。
生半可な覚悟や見込みのないやつを戦いに出しても早死するだけだ。」
「......そうですか...」
「だからホントなら斷るところだったぜ!」
「...へ?」
「お前が強くなりたい理由だよ。
自分じゃなくて人の為、ましてやこの村の為にはろうってんだ。協力しねぇわけにはいかねぇだろ?」
「い、いいんですか?よろしくお願いします!!」
僕は勢いよく90度頭を下げた。
「僕でも強くなれますか?」
「それはお前次第だ。
俺はお前にメニューを渡す。
それに、たまには付き合ってやるが、
基本的に見に行くことはしねぇ。」
「ど、どうして?」
「そりゃあ、俺だってこの廃れた村で
生活してるんだからな。1日でも狩りを休めたら飯食えなくなっちまうだろ?
だから俺がお前に會いに行くのは、
果を見る時、メニューの追加ぐらいだ。」
「僕が全部のメニューを毎日やるとは限りませんよ?」
「俺は別にそんなのどうだっていい。
サボればその分お前の長は乏しくなるし、そもそもお前が頑張る問題じゃねぇからな。俺はお前の心意気を買っただけだ。」
サボっても何も言わない。
そう堂々と言い放つログさんを前にして、
嬉しくなった。
言われてないし、思われてもいないかもしれないけど。
『出來んだろ?おまえは。』
そう言われている気がした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちなみに、ログさんから貰ったメニューは基礎的なトレーニングばかりが書かれていて、ものすごくハードで心より先にの悲鳴が聞こえてきた、という...
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