《學校一のオタクは死神でした。》第51話 夕食

*第51話 夕食 *

2日目 夕方 リズの家の食堂…

俺と委員長さんが席に著くと、奧の扉が開き、続々と料理の乗った皿を持ったメイドやシェフ達がってきた

次々に料理が並べられていく料理の香りで食堂がいっぱいになる

目の前に広がる、豪華な料理…

ではなく、イタリアの家庭料理、カポナータや、パスタが並べられた…

珍しいな、リズの家でイタリアの家庭料理が出てくるとは…

ふと、リズの顔を見ると…

あれ…?

リズが先ほどまでいた席には誰も座っていなかった…

「……こっちですわよぉ〜❤︎」

…………板の間にか、リズは俺の目の前の席に移していた…

テレポートでも使えるのかよ…

できれば、ポ○モン○ンターまで移してしかったな…

できれば、2次元の世界にお引越ししてほしい…

あ、俺が行きたいかもそれ

「何でそこに移しているのですか。

エリザベスお嬢?(イラ☆)」

「日本では、新婚夫婦は向かい合って座ると聞きましたのでぇ❤︎」

「誰が新婚夫婦だ‼︎」

「はっははは…別にいいではないですかな…

今夜のメニューは、死神様…元いい、二方は留學が目的で、イタリアへ來られたと聞いたので、イタリアの家庭料理をご用意させていただきました…

ジャガイモのカポナータ、今朝取り寄せた魚貝で作ったシーフードパスタ、ペンネのアラビアータ、エリザベス家シェフ自慢のチャバタ

デザートは、ブルーベリーのドルチェでございます…」

家庭料理とか言っておきながら、かなり量は多いんですね…

でも、何でだろうね?

うん。謎だよ本當に。

なんで俺の分だけこんなに“まがまがしい”を発しているんだろうね?

ちなみに、委員長さんとリズの料理には未だ蓋を閉めたままだ

「死神様には、ひべ様ほ自ひんの手で作り、食べはせたいとのこよで、別メニューとなっておりまふ…」

「うん。理解したんだけれど、鼻摘まみながら言うのやめてくれないかな‼︎」

いや、鼻を摘みたくなるのは凄くわかるんだよ。うん。

でも、流石に失禮だろそれ…

執事としてどうなのそれは?

まぁ、確かに、見た目はドロドロのみたいで、凄くグロテスクで?

何故か、ボコボコと沼地からガスが抜けるように泡が出ているし?

凄く異臭を放ってるけど…

すいません‼︎

マジキツイです‼︎

食べたくないです‼︎

ごめんなさいぃ‼︎‼︎‼︎

ま、まぁ、味わ見た目と違うかもしれないし…

そんな期待を裏切るように、その皿に乗っているドロドロのの中から、泡に押し出されたのか、白目を剝いた“蛇の頭”が浮いてきた…

「マジで何がってんなこれ‼︎⁉︎」

「“蛇”ですわぁ❤︎」

「堂々と言いやがった‼︎」

いや、蛇は食ったことあるっちゃああるんだけど、流石に、“頭の半分が骸骨がいこつで骨が溶けかけている”ものは食ったことないよ⁉︎

俺が拒絶きょぜつしているのを他所よそに、リズがそのドロドロのをスプーンで掬すくい上げ…

「はい、あ〜〜んですわぁ❤︎」

「お前は、俺を殺す気かぁ‼︎⁉︎」

「…………。」

ん?なんだ?

なんでか知らないが、急にリズが凍るようにきが止まった

え?マジでどうしたの?

「………ぁぐっ…ぇぐっ…ぅうぅ…」

「えええええええええええええええええ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

なんでか分からないが、急にリズが泣き出してしまった

え⁉︎俺なんか地雷踏んだ⁉︎

って、委員長さんはそんな冷たい目で見ないでぇ‼︎

すると、俺の方を誰かがトントンと叩いた

振り向くと…“ガスマスク”をはめたタキシードの男が立っていた

「誰だよ‼︎⁉︎」

『…私です…セバスです…(コシュぅ…コシュぅ…)』

「お前は失禮にも程があるわボケェ‼︎‼︎‼︎‼︎」

『………実話ですね…(コシュぅ…コシュぅ…)』

「スルー⁉︎」

『この料理は、死神様が兵隊達と訓練をしている間…

ずっと作っていたものでして……

凄く…苦労して作られておりました…

(コシュぅ…コシュぅ…)』

「…………。」

『どうやったら、味しくなるのか…

どうすれば、死神様に喜んでもらえるか…

料理など習ったこともない姫様が……“貴方のために”……

苦労して作ったものです……

(コシュぅ…コシュぅ…)』

「…………。」

「…………ぅぐっ…ぇぐっ…ぇっぇぐっ…」

『…一様…ご報告させていただきました…(コシュぅ…コシュぅ…)』

…………ふぅん…リズが俺のために…ねぇ…………

リズの目からは大粒の涙がいくつもいくつも流れ落ちる

料理など一度も習ったこともしたこともないリズが俺のために作った…

…………………………………“しゃあないか”…………

* * *

ふぅう‼︎といっきに息を吸い込む…

そして、パンッと両手を合わせる…

「“いただきます”‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

「………ぇ…?」

俺はリズの手元にあるスプーンにかぶりつき、謎のを口の中にれる

そして、そのまま、スプーンを奪い勢いよく料理に食べ進める

「…え…?え?…死神…様…?」

「……五月蝿い‼︎

俺は今飯食ったんだ‼︎

話しかけるな‼︎

ああ、味い‼︎味い‼︎(ガツガツ)」

なんども、なんども自分にそう言い聞かせるように

味い、味いと言い続ける

本當は見た目よりずっとずっと不味かった

だが、食べるのをやめない

全て食べきると決めたから

そして、その姿を呆然と見つめるリズ…

そして、最後の一滴も殘さずに食べ切った

* * *

「ごちそうさま‼︎‼︎‼︎」

そして、そのまま立ち上がる

「はぁ、味かった味かった〜」

そして、腹をさすりながらそのまま外に出て行った

パタンっと閉められた扉を見ながら呆然とした…

自然と再び頬が濡れた…

(そういう所が私はしく思うのですよ…死神様❤︎)

* * *

「はぁ…なんとか食い切れた…」

食堂から外に出た後いっぱいになった腹をさすりながら、風に當たっていた…

不味かった

凄く不味かった

今まで食べた中で一二を爭う不味さだった

だが、何故かこう思う

「不味かったけど、味かった………」

    人が読んでいる<學校一のオタクは死神でした。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください