《學校一のオタクは死神でした。》第59話 甘黨

* 第59話 甘黨*

「いやぁ~、済まないねぇ、夕食まで頂いちゃってぇ~ww」

「何が『ww』ですか…それと、夕食はゼウス殿がお見えになってから“既に10回を超えています”…」

「はっははは~、そうでしたぁ~wwそれにしても、武神君の山の魚に山菜、どれも味いねぇ~ww」

「その口車はもう通じませんよ…?」

「はっははは~、バレてた?」

武神の屋敷にゼウスが訪ねてきてから、既に10日以上が経ち、ゼウスは武神の仕事をちょこちょこ手伝いながら、時はゆるやかに過ぎていった…

「はっははは~」と呑気に細い目を僅かに緩ませ愉快に笑うゼウスに溜息をつきながら、武神は自分のペースに持ち込むよう仕向ける…

「ところで、ゼウス殿はここに“何しにきたんですか”?」

「はっははは~、それは新が留學に行って家事をまともにできる人が居なくなっちゃったからだよぉ~、流石の私でも希里君特の“アレ”は食べたくないからねぇ~…」

「ああ…“アレ”ですか…死神殿は普通に食べてますが…よくあんなが笑顔でたべられるのか今でも分かりかねます…って、そんな話は置いといて…そろそろ、“ここに來た本當の理由を教えて下さいませんか”…?」

その言葉に、ゼウスはぴくりと眉を顰める…

その細い目を開き、武神の目をじっと見つめ、様子を伺ってから、ゼウスは「はっははは~」と笑い「參った參った」と笑いながら言った。

「いや~よく分かったね?気づかれないようにしてたんだけどなぁ~?」

「直ですよ…ゼウス殿の口調、きに違和を覚えたので…」と武神は素直に答えると、「へぇ~」とニヤニヤ笑いをしながらゼウスは興味深そうに言った。

「じゃあ、武神君も気になってる事だし、本題にろうか?私がここに來た本當の理由はねぇ、武神君、君に“ある提案をしに來たんだよ”。」

「提案…?」と武神は眉を顰める。

「提案って言うのはね…」とゼウスが口を開くと、その提案は武神も想定してはいたが、その提案は武神にとってあまり好ましくはない提案だった…

「そろそろ、魔法を使ってみる気はないかい?」

* * *

「うわぁー大っきい…!!」

と普段あまり瞳を輝かせることのない中谷蒼こと委員長さんはいつにも増して瞳にり、瞳が星のようにっていた。(まぁ、新刊のラノベを見た時よりは輝いてはいないが…)

まぁ、委員長さんが目を輝かせるのも當然のことと言われれば當然であろう。何しろ…

「エッフェル塔ってこんなに大きかったんだぁあ!!」

と委員長さんがんでいた。

ところで、もし今ツッコミをれるならここだろうと思う…

何で“エッフェル塔”?

エッフェル塔とは“フランス”の首都パリにあるパリの象徴とも言える塔だ。

何で今、俺達がフランスにいるかと言うと、前回の俺の思考を思い出してしい…

『イタリアと言えば、マカロンや、パンナコッタ、ティラミスなどのスイーツ、世界産のコロッセオや、ピザの斜塔、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教會とドメニコ會修道院にあるかの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』、あの『モナ・リザ』が展示されている、世界的に有名なルーヴル館。まぁ、他にも観できるところはなさ沢山ある…』

この後、この思っていた事について俺はとんでもないミスをしてしまったのだ…

* * *

「ん?ルーブル館はフランスか…?」

「ええ、そうですわね?でもフランスでしたら観できますわよ?死神様♡」

「え?どういうこと?」

あ、やべ、委員長さんが食いついちゃった…

「私の屋敷は、フランスとイタリア、その境目から30kmほど離れたイタリアの地にあるので、フランスはし車を走らせれば行き來出來るのですわ。」

「…ということは…“フランス観もできるってこと”…?」

ああ、リズさん。ここは日本人が大好きな空気を読むってやつですよ?可能とか言っちゃあダメですよ?

新が額に脂汗を滲ませながらそう祈るが、そんな祈りは屆くはずもなく…

「“不可能ではないですわ”♡」

言っちゃった…

* * *

その言葉に委員長さんは目をキラッキラッと輝かしちゃったわけで…

そして、約1時間後、現在に至る…

委員長さんは目からビームが飛び出しそうな程目を輝かせて上下左右を興味深そうにキョロキョロとしていた…

その間、新はというと…

「うふふふ♡♡♡」

貓のように目を細めながら、幸せそうに頬を緩ましたリズに腕をガッチリとフォールドされていた…

最初は新もフォールドをされる度に腕の関節を外し、スルリとそれから逃れていたのだが、逃れる度に、リズが再びフォールドするわけで…

その攻防が數10回と繰り返された後、新はリズと腕を組むことを許したのだ…

要するに、諦めたのであった…

フランスに來てから最初にノートルダム大聖堂を訪れ、その後、近くのスイーツ店にり、ちょっと高めのチョコレートを1口。

次に、ルーブル館を訪れ、その後、近くのスイーツ店にり、モンブランを2口…

次に、エトワール凱旋門を訪れ、晝食をとり、食後のデザートに、苺をたっぷりと使った贅沢なタルトを3口…

その後、エッフェル塔まで向かう間に、通りかかったスイーツ店、“約10軒”でスイーツを頬張った…

主に、“新”が。

「……まさか、神藤君がこれ程まで“甘黨”だったとは…」

委員長さんは呆れながらそう言ったが、リズは息を荒立てながら、「可いですわぁああ!!!!!!♡♡♡♡」と何故か興していた…

委員長さんは5、6軒はスイーツ食べたのだが、晝食もとったので別腹別腹と言えども、やはり限度があるわけで、途中で、ギブアップした…

その代わりに、お見上げとして大量に買い込んでいた…

「ッ~~!!♡♡♡☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆♡♡!!!!!!」

幸せそうな顔で、新は新たに購したケーキを頬張っていた…

新は、男らしくガツガツ食べるのではなく、形を崩さないように綺麗に食べていた…

本人曰く、ガツガツ食べるのは自分の流儀に合わないそうだ…

「☆.。.:*・°☆.。.:♡♡♡!!ッ~~~!!!!」

これ以上にないほど満足そうな笑顔であった…オタ活している時並の…

新がフランスには行きたくなかった理由…

それは…フランスには“甘いお菓子、スイーツが沢山あるから”だった…

委員長さんは呆れながらも、新の満足そうな顔を見ると、こう思ってしまうのだ…

『これでしでも、黒子さん(?)の悲しみを紛らわせてくれればいいんだけれど…』

新は言っていた…

『もっと…もっと…もっと、強くなるから…

今日だけは…今日だけは………』

その言葉は、新の心の中で口にたものではない…

自ら口に出し、誓った言葉だ…

新の発したその言葉は、どのように新自ををかすのか。新はどのような行に出るのか…

* * *

しばらく観して、とある広場に出た。

何でも、新が行きたい場所だと言うことだ。新が行きたい場所。それは、委員長さんとリズはとても興味があった。

委員長さんはオタ活関係のものだろうかという好奇心。リズは將來の夫の好むものを把握したいという気持ちがあった。

そんな訳で、新の行きたい場所、フランスの小灑落た公園のような広場にきた。

その広場は、その土地の主にお金を払えば、誰でも自由に店を開くことのできるというバザーのようなものを毎日のように行っており、毎日がお祭り騒ぎ、と言ったじの賑やかな場所であった。

その出店の中に、これまたスイーツ店舗も並んでいた…また、スイーツ目當てか…と委員長さんはガッカリと肩を落とした。

その広場にり、々な店を見て回った。

やはり、新はここに來てもスイーツを頬張っていた…

新が3軒ほどスイーツを食べた後、リズがとある店を見つけると、新の腕を引っ張り、その店の前まで走っていった。それを委員長さんが慌てて追いかけると、その店は“ぬいぐるみ”を専門として扱っている店だった…

へぇーと言いながら、興味津々に目を輝かせていた。

「お嬢ちゃん、ぬいぐるみが好きなのかい?」と、頬骨の出た黃のスキンヘッドの店の店主がりずに話しかけた。

すると、リズはその聲に驚いたのか慌てて「す、好きじゃないですわ!!」と否定していたが、先程の顔を見れば、それが噓であることは一目瞭然だ。

どうやら、リズはぬいぐるみが好きだったらしい。

「…今回は………だな…」

「…?神藤君どうかしたの…?」

と委員長さんが尋ねるが、「いや、何でもない。ただの獨り言だ。」と新は答え、何やらゴソゴソと、カバンに左手を突っ込んでいた…

「お嬢ちゃん、このぬいぐるみはどうだい?お値打ちだよ?」

と、店主が一際大きいピンクの兎のぬいぐるみをリズに見せた。

リズは「ふぁ~…!!」と言った聲を出しながら思わず、両手で手に取る、が、その手は、何故か屆かない。

何故なら、リズの首のっこを、新が摘んで、“ぬいぐるみにれさせないようにしていた”からだ。

すると、突然、新が、リズを自分の後ろに持っていくと笑顔になり、店主に話しかける…

「いやぁ~デッカいウサちゃんですねぇ~。因みにおいくらなんです?」

「ん?ああ、€30だ「ダウト」」

「ダウトとは…?」

「お前が“噓”をついているって言うことだ。」

何を言い出すのだ?と委員長さんは思ってしまった。

すると店主が笑いながら言った。

「はっははは、私はこの店の店主ですよ?値段を安くしてなんの得になるんです?」

「俺、安くしたとは一言も言ってないぞ?」

「………値段はここに書いてある通り、€30です。」

「はぁ~…」と新は面倒くさそうに溜息をつきながら、こう言った…

「んじゃぁ、言い方変えるわ。“それの中にっているもの”も含めていくらだ?」

ピクリと店主は眉を顰める。

アホだろと新たは思う。わかり易過ぎる反応であった。

「…中にっているものは綿だけですよ…?」

まだしらばっくれるつもりか、と新は呆れながらバッグから黒い、トレンチコート、“死神の武裝”を取り出しながら、口を開く…

「一つ、お前に教えてやろう……“死神”は何時何処に潛んでいるか分からないんだよ?」

「ッ!!!!!?!?!?」

死神という言葉に、店主が大きく反応する、思わずガタッ!!と音を立てながら席を立ち、走り逃げようとした、が、逃げ出す直前、真黒なトレンチコートにを包んだ、死神がガッチリと腕を摑み、殺気を向ける。

腕を摑まれた、店主は摑まれていない手で、Tシャツを軽く持ち上げ、ベルトに隠していた“手榴弾”の栓を抜き、死神に向かって投げる。

だが、その手榴弾は死神の目の前に飛び出した瞬間、姿を消す。數秒後、空中で音と共に、手榴弾が発する…

その手榴弾の始末に驚きを隠せない店主のスキを、死神は逃さない。摑んでいた腕を上に持ち上げ、鞭を打つように勢いよく振り下ろし、店主の腕の関節を外すのと同時に、自分に引き寄せる…

腕を摑んでいた手を離し、バランスを崩し、近づいた店主を、その離した手を後ろに振る勢いを使い、反対の手で、店主を地面に叩き落とす…

叩き落とされた店主は「カハッ」と肺にっていた空気を吐き出した。そして、打ち込んだ手と反対の手、後ろに降った手をしたから上に突き上げるように振り、店主が宙に舞う…

頭の高さが、死神の目の間に來た瞬間、反対の手で、頭を摑み、しづつ力れながら、殺気を強める…

店主は痛みと恐怖が頭の中で混じり合いながら、意識を手放した…

「…ふぅ…TARGET確補…」

死神は息を付き、殺気を消す。

店主を地面に落とし、手足を縛った後、おもむろに歩き、リズに売りつけようとしていた“ぬいぐるみ”の布を引き裂き、中をテーブルにぶちまける…

その中から出てきた…それは

「ば、“弾”!?!?」

それを覗き込んでいた委員長さんが思わず聲を上げた。

その聲で、先程の発で近づいてきた見人の1人が悲鳴を上げたかと思うと、一斉に駆け出し、逃げ出す。広場は混し、自分の買った商品、儲けを投げ捨て、逃げ出した。

その騒ぎで誰かが呼んだのか、警察もそこに到著した。

「そこで何をしている!!」

世界政府の番犬、死神の存在は一部の警察しか知らない。そのため、弾を持った死神はその警察には、弾魔として目に映る。

「そこに失神している、中國 4000元(日本円にして約630萬)の指名手配、王ワン 香霧コウムの所有だ。時限弾を隠し持っていやがった。殘り1分15秒だから、広場にいる人間を避難させろ。半徑10m以には絶対にらせんな。」

「1分15秒!?わ、分かりました!!」

弾を見ると、その警察は急いで民間人の避難を急がせる。ついでに、リズと委員長さんも警察に連れられ、避難させてもらった。

避難が続々と進められる中…

「さてと、殘り時間40秒…」

弾を持った死神は、誰も見ていないことを確認した後、デスサイズを召喚する。

そして、デスサイズを片手で握り、軽く降った後、殘り10秒ほどとなった弾を軽くに宙に投げる…

そして、弾を落下する直前…発まで殘り6秒…

片手で握ったデスサイズを大きく振り、弾を空に打ち上げる…

弾は天高く打ち上げられ、弾が限界まで打ち上がった瞬間…

巨大な音と共に弾が発する…

「…嗚呼……」

いつの間にか目を覚ました王香霧が発する弾を見ながら、口から空気がれる…

ふと、死神の目にあるが映りこんだ…

店主の著ていたTシャツの下、腹部の辺りに“黒い十字架と髑髏の刺青”が刻まれていた…

「変な趣味…」

そんな言葉を吐いた後、呆然とする王香霧に殺気を向け、再び失神させた…

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