《學校一のオタクは死神でした。》第61話 貧乏神

*第61話 貧乏神*

新の育ての親、“シュバルツ・アーラ・シエル”

稱、黒子

は墮天使ルシファーを司る、“幻想種”

幻想種とは、地球を含む、この世界、この地球、この次元外から生まれた、神に最も“近い”存在

何故最も近いのか?

幻想種とは、そもそも、何処から出現したか判明しておらず、いつ、どこに現れ、何をしに來たのかも不明な存在

この世界に現れた幻想種は皆、口を揃えてこう言った…

「“どうやってここに來たのか分からない”、か…」

「ああ…」

「一応もう1度聞くが、お前が生まれた世界とこの世界は全く違う世界なんだな?」

「だから、そう言っているだろう。」

新は店主に払った金の殘りを使い、貧乏神を連れて近くにあったカフェにった。

新と貧乏神はカフェモカ、ミルクを注文し、しばらくして店員が運びに來たのだが…

パリンッ

「何をやってんだジェームズ!!」←ウェイター1

「ヤベーまたやっちまった!!!!」←ウェイター2

「お前、ここ十分で何枚目だよ…」←ウェイター1

「…“5枚目”…」←ウェイター2

「十分で5枚目って(プークスクスw)」←ウェイター1

「お前だって人のこと言えないだろ!!!!」←ウェイター2

「はぁ!?俺まだ“3枚目”だしぃ!!」←ウェイター1

「5枚も3枚も変わらん!!!!さっさと仕事にもどれ!!!!」←マスター

「「す、すみません!!ま、マスター!!!!(パタパタと足音を立てながら注文に向かい、マグカップを回収する音が聞こえる)」」←ウェイター1&2

パリンッ

「あ、やっちまった…」←マスター

※マスター“8枚目”

「「(ジィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)」」

先程から、いや、新と貧乏神が店にった瞬間から、異様な程皿やらコップらやが次々に床に落下し、経営者であるマスターでもそれらを割っていた…

さらには、ウェイターが注文をけ、コーヒーや菓子を運ぶと…

「あのー…コレ、頼んで無いんですけど…」

「おーい。コレ、スプーンじゃなくて爪楊枝だぞぉ〜」

「ちょっと!!!!!?!?!?シュガーにアリがっているんだけど!!!!」

「ウェイターさん早くしてぇ〜」

と、クレームが殺到していた…

「もう!!どうなっているんだ今日は!!!!

皿は割るし!!シュガーにアリがるし!!注文間違えるし!!」

マスターが泣きながら崩れ落ち、床をバンバンと叩いていた。

アスキーアートで例えるのならば、(ノシ T Д T)ノシ バンバンといったところだろうか?

ちなみに、ものが壊れる度に、マスターが口癖のようにバイト代減らすかと口にし、ウェイター達がその度に肝を潰した顔をしていた。

おそらくだが、先程から起きている現象は、貧乏神の能力だろう。

貧乏神は取り憑いた人を貧困に追いやる神として日本で古くから伝承されている神であるが、部類としては妖怪に近い部類である。

だが、実際は貧乏神など存在はしない。

妖怪自、古人が作り出した作り話、幻想である。

古來より日本では“狐に化かされる”、“脅かされた”などとよく言うが、その真実は古來の人が考えた事の言い訳である。それを裏付けるように、來日した外國人は誰ひとりとして妖怪などに脅かされたり、化かされた実例は無い。

そう考えると、神も幻想種も似たような存在であると考えられるが、ここで大きな違いがある。

それは、神はいないとこの世界が“り立たない”存在であるからだ。

幻想種は存在しようがしまいが、変わらない。

そこが大きな違いだ。

だから、幻想種はこの世界にはいない。

絶対的に必要な存在ではないからだ。

では何故今現時點で、目の前に幻想種がいるのか。

貧乏神や、墮天使らは、言わば“異世界人”であるのだ。

達の存在していた世界の事を新達、神の間ではこう読んでいる…

「“Anotherアナザー・Worldワールド”、か…」

Another World=もう一つの世界…

その存在は、この世界に顕現した幻想種のみが語る、幻想種が暮らす世界。

黒子さんも、そこの出だと聞いたことがある。

そんなことを考えている間にも、皿やらクレームやら、周りが騒がしく、貧乏神も居心地が悪そうなので、その対処をすることにする。

ポケットに右手を突っ込み、っていたいくつかの“小石”を、ポケットの中で握り、小石に魔力を“無理矢理”送り込む。

そして、それをポケットの中から取り出すと、アメジストのようなしい紫の鉱石に変化している。

これで“魔鉱石”の完だ。

魔鉱石とは、護石の元となる石である。

コレにさらに、防魔法を送り込むと護石となるが、今回は調和魔法を送り込む。

すると、石が紫から段々と水の鉱石に変化した。

「貧乏神、手を出せ。」

「は?」

「良いから、ほら。」

う貧乏神を他所に、貧乏神の手を取り、調和石を握らせる。

「何だ?コレ?」

「調和石。」

「調和石?」

貧乏神はオウムのように繰り返すと、新は店の廚房を指さす。

すると、皿が割る音、クレームの聲がピタリと止んだ…

辺を見渡すと、オドオドと気を配りながらも、注文を屆けるウェイターも、無事、皿を屆けることに功した。

「コレが、調和石の能力。自分の魔法を自分でコントロールできるようにする魔鉱石だ。」

「へぇー」とマジマジと青く輝く調和石を見つめる貧乏神がし可笑しくなり、吹き出すと、「なんだよ?」と口を尖らすが、「何でもない」と言うと、貧乏神はし照れながら、調和石を観察するのを再開した。

* * *

貧乏神は、自分に質問ばかりしてくる新を鬱陶しいだとか、ウザイだとかじず、何となく居心地がよかった。

自分と似ている存在だからだろうか?

分からない。

新が自分の存在を許してくれるからだろうか?

分からない。

だが、やはり、自分ばかり質問に答えるのは心がむしゃくしゃするようで、ただ何となく、自分も新に新の事を聞きたくなった。

「お前は何者なんだ?」

「ん?どういう意味での何者?」

「お前も貧乏神なのか?」

「いや、違う。俺は死神だよ。」

ニカッと笑いながら新は答えた。

新は無理矢理ニカッと笑っているのか、おかしなな笑い方をしていたが、本人は気づいていないのだろうが、笑った後、すぐに真顔になるのがし可笑しかった。

「死神ねぇ〜?」と貧乏神はニヤニヤと言うと、「ついでに、學校一のオタクという仇名のオマケ付きだ。」とヘラヘラ笑いながら、コートの中から可らしいの子が描かれたハガキほどの大きさの小説を2、3冊取り出した。

因みに、その小説には手でハートマークを作った橙の髪ツインテールの制服姿で笑顔の

巨大な両刃剣を持った、腰までばした夜の髪でツンっとした顔をした

赤く長い髪で凜とした顔立ちのいかにもOLと言った服裝の剣を持ったに、緑がかった黒い髪での前で腕を組み、勝気な年と、その年を指差し、珍しそうに見つめる、乾鮭からさけいろ(一般的にはサーモンピンクと言う)の髪の制服姿のと、エプロン姿でお玉杓子おたまじゃくしを武のように攜える銀髪の長年、がそれぞれ描かれていた。

「読んでみるか?」と新は1冊を目の前に差し出してくるが、それを読んだら負けなような気がしてそれを斷ると、『(´З`)チェッ』みたいな顔をしていた。

そんなに読んでしかったのだろうか?

そんな風に思うものの、やはり読んだら負な気がして、拒否する。

自分は友を持とうとしたことなど無かったが、いや、友をもてない存在、持ちたくてももてない存在だと決め付けていたが、これが友といえる関係なのかは分からないが、それでも悪い気はしなかった。

それは、死神が自分と近い存在だからだろうか?この世界で初めての自分の理解者(この場合、理解神とでも言うのだろうか?)だからだろうか?

分からない。

その分からないという自分の答えに、口に出したわけでもないのに死神は真の答えをくれた。

「俺たち神にとっちゃあ、獣神、幻想種、“皆家族”。

この世界で“最も數のない存在”であり、この世界で“最も重要な存在”だからな。

略して、“最最重”だな。」

皆家族、か…

前の世界ではそんなこと言ってくれた奴、獨りも居なかった、自分に無いもの。“自分がしていたもの”そのものだった。

俺は、前に居た世界でこう思ったことが多々ある。

何故、両親は俺を捨てた?

何故、家族だって言ってくれないんだ?

お前らだって、貧乏神だろう?

それは、俺の能力が“人一倍強かった”からか?

能力をコントロールできない俺のせいで家が破産すると思ったからか?

だからと言って、実の子を捨てていいものなのか?

そんなに俺はお前らにとって軽い存在だったのか?

何で俺を獨りにするんだよ…?

そんなことをずっと思っていたんだ、“死にたくても死ねない”あの世界で、俺はそう思っていたんだ…

そんな俺に、死神は家族をくれるという。家族だと言ってくれる。家族になってくれるといっている…

これ以上に幸福なことはこの世にあるのだろうか?

前の世界で、十分思い知った。痛いほど思い知った。

やはり獨りは寂しい…

家族がほしい…

俺をれてくれる家族がほしい…

何でこの男は…

ふと、死神は、コートのポケットから、布切れを差し出した…

何故そんなを?と思ったがその答えはすぐに知れた…

テーブルの上に雫が數滴落ちていることに気がついたのはそのすぐ後だ…

死神から布切れ、ハンカチをけ取ると顔を隠すように覆った、ぬれた顔を拭いた後、顔からハンカチを離すと、それに描かれていた、深い青いスーツ(警みたいな服だな?)を著た笑顔を向ける男の目と目が合った。

恵と目が合うなどおかしな表現だが、実際目が合ってしまったものはしょうがない。

思わずぷっと笑ってしまった…

ふと、死神は手を俺のほうにばしていることに気がつく…

そしてこう言った…

「ようこそ、俺たちの世界へ!!」

ぎこちない笑顔でそういった…

ふふっと、死神と同じように口元が上がり、死神の手を握る…

「よろしくな、死神。」

「ああ!!よろしく!!」

俺と死神はがっしりと握手をし、お互い微笑んだ…

* * *

そのころ一方、神藤家はと言うと…

そこは“戦場”だった…

桜姫はそれを見た瞬間、絶し、それを食した瞬間、失神した。

阿修羅ラボからは絶が聞こえた後、無音になり、沈黙が訪れる…

希里はと言うと…

「っ〜!!!♡♡♡.*・゜ .゜・*.☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..」

目を輝かせながら、自作料理を食していた。

実に楽しそうに、実に味しそうに…

一目見たら、“強制的に修正がりそうな料理を食べていた”…

「っ〜♡♡☆.。.:*・°☆.*・゜ .゜・*.♡♡♡!!!!!!」

* * *

再び戻って新は…

「何か忘れているような……」

新が、家が戦場と化していることに気づくのは、新が帰國してからの話である…

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