《學校一のオタクは死神でした。》第63話 死神の弟子

*第63話 死神の弟子*

夏期講習期間が終わり、本格的な夏休みとなった。

さて、さてさてさて。學校も終わったことだし、イベントやら、新刊やら、やりたい事、行きたい所は山ほどある。特に、夏コミ!!オタ活の中で夏の代表と言ってもいい、超ビッグイベントだ。

公式から、まだ見ぬ我ら2次元神の卵からまで、又は平々凡々な作者が一気に集まる場所だ。

自分好みの作品があれば、手に取りたくなる好奇心はオタ活勢の共通することである。

それは、正しく神の卵でも、平凡なものでもある。

それを大いに探し求めるのに適したイベント。

それが夏コミである!!

そして、そのビッグイベントがついに明日から開幕する!!

これだけは絶対に逃せないイベントだ!!

しっかりと準備をし、先日、嵐と合作で作ったの調整もしておかねば…!!

もう、気分的にはアスキーアートの『むふふ( ´艸`)』のようだ。

「新、海に行くぞい!!」

「嫌だ!!斷固拒否!!斷る!!」

「…即答だね?でも、何が何でも一緒に來てもらうよ?」

「嫌だ!!絶対に斷る!!」

「…なんでそんなに怒ってるの…?何でかは知らないけど、顔が金剛力士像みたいになってるよ!?」

そんなに怒った顔をしていたのだろうか?

確かに、背後でいつの間にか部屋に侵したビン(貧乏神のニックネーム。最近、姉さんが命名した。)が俺の漫畫を読んで、ふざけて作ったダンボール製の『ゴゴゴゴゴ…!!』というやたらリアルなオノマトペを掲げているけれども。

「えー?そんなに斷るなら明後日はii…「嫌だ!!」_何で!?」

當たり前だ!!コミケが1日なんかで終わるわけがないだろ!!

「じゃあ、何時だったらいいのさ!?」

「そうだな…」と新はうーんと考えると「3日後?」と答えた。

「…分かった。じゃあ、3日後に私の“プライベートビーチ”に行く。」

「分かった………は?今なんて?」

え?今、プライベートビーチって言った!?

「分かったって言ったんだけど…?」とキョトンとしながら親父は首を傾げる。

「いやいやいや、そこじゃなくて、その後!!3日後にどこに行くっつった!?!?」

「私の“プライベートビーチ”…?」

「なんで“無職”の親父がそんなもん持ってんだよ!!」

どこから出たんだよそれある金は!?

すると、親父がふふふふ…と得意げに笑った。

「新よ。誰が無職だって?私が普段仕事などしていないとでも?」

「うん。」

「即答しないでくれるかな!?ぅおっほん!!私の仕事はね…?」

ゴクリと新と、その背後で未だにオノマトペを掲げているビンが唾を飲み込んだ。

「私の仕事は、“雑誌の風來坊記者”だよ。結構有名なんだよ?風來坊だけど、ネタは神ってる、神來坊って呼ばれてるよ、神様だけにね?w」

ほへー、と思いながら、おもむろに立ち上がり、親父に近づくと。

ゥヴゴキィッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あだダダダダダダダダだァー!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

ちょっ!!痛い!!マジで痛い!!あ、新!?急にどうしたのかい!?!?!?!?!?!?!?!?」

プロレス技のロメロスペシャル(めっちゃ痛い)をモロで喰らいながら親父は絶している。

「働いてんだったら生活費にもまわせやドアホぉおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そしたら“俺が世界政府なんかに正ばらす必要”も“何処ぞの掃除屋スイーパーみたいな仕事なんかする必要”も無いだろうがボケぇええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ぼベアはぅおはァ!!マボジディイデェェエエエエエエエ!!!!ギャアァアァァアアアアアアアアアァァアァアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

その日、神藤家に親父の絶が響き渡ったのは言うまではなかった…

「兄上〜、って兄上!?」

と、ちょうどそのタイミングで希里が部屋にってきた。

「ん?あー、気にしなくていい、後は、背骨をへし折るだけだから。」

「イィイィイヤァアアァァァアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いやいやいや!?何があったか知りませんけど、流石にそれはダメですって!?」

「ふん…希里が言うなら仕方が無い。」

「ほっ…」

新は技を解くと、親父を蹴り上げ、ボゴぉ!!と音を立てながら天井に突き刺した。

「で?どうかしたのか(真顔)」

希里は顔を引き攣りながら「武神さんが兄上を訪ねてきているのですが…」

「は?武神が…?」

* * *

「儂を弟子にしてくれ!!!!!!!!!!!!!!!!(土下座)」

「…は?」

「儂を弟子にしてくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(土下座)」

「いや、それは聞こえてる。そうじゃなくて、何で?」

リビングにった瞬間、土下座をキープしたまま武神が何故か新に弟子りさせてくれと申し出てきた。

「儂に“魔法”を教えてしい!!!!!!!!!!」

場が凍りついた。

あの武神が魔法を教えてくれと言ったのだ。

魔法を使わない戦闘をメインとしていたあの武神がだ。

「…ふん。使う気になったのか?」

「…このままではダメだと思った。もっと強くならなければ、儂は…己の大切なものも守れなくなってしまう…!!」

ピクリと新のめが反応する。

それと同時に、八岐大蛇との戦闘、育ての母、ルシファーの事が脳でフラッシュバックする。

ギリッと歯を噛み締めかに怒りを収める。自分の不甲斐なさを恨み、怒りを誰にも知られぬよう自分の闇に葬る。

「頼む…!!」と武神の聲でハッとなった。

「儂を弟子にしてくれ…!!!!!!!!!!!!!!!!」

暫く考えた後、「分かった」

「ほ、本當か…!!」

「ただし、俺がやれることは正直いって全くと言っていいほどない。魔法は教わるものじゃない。自分の中でする力、其の偶像を作り出す能力を魔法だと俺は考える。だから、俺はお前のする力を引き出すことしか出來ない。それでもいいか?」

「あ、ああ!!構わぬ!!何卒!!よろしく頼むッ…!!!!」

武神は更に、深く頭を下げ、床に頭をり付けた。

「じゃあ、さっそく行くか。」

「どこかに行かれるのですか兄上?」と希里

「ああ、修行って言っても、俺は“報”を與えることしか出來ないからな。武神。」

「覚悟はできておる!!どんなに辛く苦しい課題でも乗り越えてみせようぞ!!!!」

「とりあえず、風呂にって爪を切れ、それからその服も埃をはらえ、口にはマスクを付けろ唾を飛ばしたら殺す。はい、1時間以に全部やれ。ダッシュ!!」

「お、おう?」

「ダッシュ!!!!!!!!」

「おう!!!!」

ドタバタと廊下を走り去る武神の姿を見送る。

「…一どこに行かれるのですか?」と希里はくてんと首を傾げる。

「“書斎”」

「……へ?」

「“書斎”だよ、俺の。天界にある俺の書斎を貸すだけだ。」

う、うん…?と希里は益々顔を顰めた。

新の書斎といえば、ラノベやら漫畫やら同人誌やら畫集などのオタ活で集めたものが大量に保存され、1部、世界各國に手違いで生まれてしまった…

「あ、“魔導書”ですか!!」

「“いや、そんなもんは使わない”」

ズルッと希里が転けた。

「それ以外にあるものって言ったら兄上の趣味の本しか…」

「ああ、それ使う。」

「…は?」

「武神にはラノベ…は、時間がかかるし、武神には理解が追いつかないか。とすると、漫畫か…武神には目に付いた漫畫を片っ端から読んでもらう。」

「……。」

何故だろうか、兄の方針が若干不安に思えてきたのは、希里こと自分だけであろうか?

いや、そんなはずはない。

この部屋にいる新以外の人かみは同じことを考えているだろう…

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