《學校一のオタクは死神でした。》第64話 天三神 降臨

* 第64話 天三神 降臨*

3日後…

「いやー、全く!!青い空!!白い雲!!眩しい太!!絶好の海水浴日和だねこりゃ〜!!はっはっははー!!」

「おいコラ、なに海に來た醸し出してんだコラ。まだリビングだろうがコラ。」

新はジ一人テンションがやたら高いゼウスこと親父にジト目でツッコミをれる。

そんなツッコミも虛しく、親父は気にせず高笑い。

現在時刻は午前8時前。海に行くからと言って、移手段はgateを使うため、別にやたら早く起きる必要は無く、々遅れてくるらしい同行者を引きれるため、神藤新こと俺、そして希里に姉さん、武神、母さん、ビン、アラクネ、最近目を覚ましたしたビートルこと兜(目を覚ました時は武神が滝のような涙を翻にこぼしまくり、危うく希里がクラーシ〇ンに電話しかけたのが印象的だ)、ラボでは阿修羅…

親父以外の全員が、全速力で家に取り付けてあるコンセントに刺さったプラグというプラグを抜きまくっていた。

「二階の部屋は全て抜き終わりました!!」

「よし!!姉さんの方はどうだ!!!!?」

「トイレと洗面所、キッチンは抜き終わったよ新!!」

「よし!!リビングは抜き終わった!!」

「こっちも終わったでごさる!!」と武神

「ござる!!」と兜

「確認終わりました」とアラクネ

「客間も終わったよ〜!!」と母さん

「おい!!ここのプラグあと一つはどこにあるんだ!?」とビン

「どことどこを抜いた!?」

「ココとアソコとアソコだ!!」

「じゃあ、ココだ!!」

プツンプツンと次々にコンセントを全て抜いていく。

そして、全てのコンセントが抜き終わり、全員が一息つくのはほんの一時、次は全窓の雨戸やシャッターを閉める。

そんなクソめんどくさい作業をするのはこれから來る同行者を家に招くためだ…その理由は…

「!!…來た!!」

全部の雨戸やシャッターを閉め終わった數秒後、新のall lifeに強い反応が急速に接近してくる。

それと同時に、攜帯に急大雨洪水、雷、暴風警報が鳴り響く。

それは、今まで快晴だった空を黒く塗りつぶし、雷雨暴風と共に現れた。

巨大な積雲。

真っ黒な積雲は雷をチカチカと見せながら接近し、やがて、一筋の雷撃が、神藤家の目の前に落雷する。

その瞬間、辺りの電燈がパリンっと音を立て破裂し、一瞬火花が散る。

暴風に煽られ、木の葉や、小さな鉢植まで巻き上げられる。

新が落雷したその前で、呆れながら煙が掻き消えるのを待っていると、

その中から一人、2人、3人の人影が映る。

雷のが雲の中で2、3とチラリとると、積雲は薄くなり、やがて消え、雨風も止み、警報も靜まった。

が、先程の落雷で辺りの家々が停電、コンセントに繋がれた電化製品類がショートし、赤と黃を見せると、家の中にいた人らがパニックを起こし、消化を噴する音など、割れた窓ガラスの掃除をする音などと、々騒がしくなった。

そんな騒ぎも、起こした本人らはノー天気に新にちゃらんぽらんな挨拶をする。

「おーっす、死神、おっ久ー!!」

「やっ!!おっ久〜!!死神〜!!」

「おじちゃー!!おひしゃー!!」

と落雷の跡から順に金髪の年に若葉の髪の、そのに抱かれた淡い青の髪のが新に挨拶をした。

「毎度毎度、派手なご登場なこって…こちらからして見れば大迷だっつーのって事で地獄突き!!!!」

と新が二人の眉間めがけて地獄突きをお見舞いする…が、難なく避けられる。

すると金髪の年はチッチッチッーと嫌味ったらしく言った。

「そんな遅い攻撃、俺達、“雷神”“風神”に當たるわけないだろ?」

「神の中でも最速を誇っているからねー“く〜ちゃん”」

「ね〜」とニコッとが若葉の髪のにハニカム。

新はイラッとし眉間にシワを寄せると、若葉の髪の、“風神ふうじん”こと風吹ふぶきが淡い青の髪の、“雲神くうじん”こと雲羽くうを揺すり、金髪の年、“雷神らいじん”こと雷人らいとが新たを指さして空羽に見せた。

すると、指の先を見た空羽はちろっと新を見ると

「ねーっ!!」

とハニカンで見せた。

新は頬を引き攣りながら、後で覚えてろとの意味を込めながら、笑顔で「ね、ねー〜…(あはは…)」と乾いた笑顔で笑って見せた。

それを見るとまだい空羽は笑顔というものの種類を判別できるはずもなく、ただ、無邪気にキャハハっと笑った。

雲雷風神くうふうらいじん…

今回、海に行くにあたっての同行者、

“天三神アマノサンジン”がはた迷な被害とともに參上した瞬間であった…

* * *

その頃一方、とあるアパート。

高校にってから、実家と學校が離れていたため、會長さんこと、百合華はアパート“ユリ”(自分と名前が似ていたからなんとなくここに決めた)で高校生では珍しい、一人暮らしをしていた。

一人暮らしとは、何故か心弾むものをじるが、実際は、々やる事が増えて、毎日忙しい。慣れてくると、空いた時間を有効利用出來るようになったが、それでも実家にいた頃よりは余裕はない。

最近の百合華ニュースと言えば、初めて、自分に生きろと言ってくれた人が現れたこと。そして、その人が死神で初の相手であるということ。

非常で非日常とも言えるが、なかなか楽しい毎日を送っている。

新には話したこと

私は孤児院で育てられたこと。

數年あまりで引き取られ、新しい家族とも楽しく暮らしていたとは思う。

でも、やはりが繋がっていないせいか、うまくいかない時が多い。

段々と、家族への不平不満が溜まり、ついには喧嘩すらした。

一人暮らしの理由もそうだ。

別に特別頭が良かったわけでもない。でも、ここにいると、せっかくの楽しかったことも失いそうで怖かった。

だから、お義父さんと、お義母さんが選んでくれた最難関であり、家から遠く離れた高校を験した。

でも、それで良かったかもしれない。

高校になって、新に出會った。

暖かい気持ちになった。

會うたびに嬉しい。

會うたびに心が満ちるようにじる。

これが、正しく、本で読んだとおりの

今では毎日が楽しい。

だが、今ここでしだけ不満を言いたい。

大したことではない。

ちょっとした私のワガママだ。

だけど、だけど…!!

「…來ない…。」

先程、新にとあるいをしようと、ラ〇ンをうったのだが…未だ、返信どころか既読すら付かず、もうすぐ一時間が経つが全くもって反応がない。

チラリと床に丁寧に畳まれた、先日買ったばかりの新品の“水著”を橫目で見やる。

「…ちょ、ちょっと大膽過ぎるかな…」

その水著は至ってシンプルなビキニタイプの水著。特別派手という訳でもなく、しフリルの付いた可めのものだ。

別に、特別気にった訳では無いが、店員さんに勧められたものの中から自分に似合いそうなものを選択しただけといったじだ…

ついでに言うと、ご丁寧にパッドりのみを勧められた…余計なお世話だ。

次に自分の部を見やる…

ペッタンコ

し摑んでみる…が、手のひらにフィットするだけであった…

ペッタンコ!!

しもんでみる…

ボリュームは、ほぼZEROに近い…

らかさよりも毎日カルシウム満點の牛を飲んだ結果とも言えるが、丈夫で度の高い肋骨のさの方が目立ってしまっている…

ペッタンコ!!!!

「…パッドりで良かったかも…。」

しだけ涙を零しながら、進めてきた店員と、このみすぼらしいを與えた神様へ、恨みを込めて何時いつか、この拳を顔面にねじ込んでやろうと心に誓った…

だが、よくよく考えてみたら、神様と言っても、どの神様を恨めばいいのやら、さっぱり分からず、しもどかしい…

……で、でもでも、好きな人にしでも魅力的に見せたいのはする乙ならば誰しもが思うことだ。

「お、男の人は、やっ、やっぱりが大きいほうがいいのか、な…?」

ワタワタと、ひとり小パニックを起こしながら腕をパタパタと上下に振る謎の運をしながら心を沈めようと試みるが、し、新が水著姿の自分を見る姿を想像してみた。

その瞬間…

かァー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

⚠︎大パニック!!⚠︎大パニック!!⚠︎大パニック!!

自分の中で◤◢急事態発生◤◢と、アラームが鳴り響く。

落ち著け〜、落ち著け〜、と呪文を唱えるがもう遅く、顔から湯気が出るほど熱をおび、ボフッとパンクし、バタンと倒れた。

でも、と、倒れがら百合華は思うのだ。

でも、やっぱり、魅力的に見られるのは嫌じゃない…

「だから、しでも新に魅力的に見える…ように…」

再び顔が熱くなり、気紛らわしに攜帯を見やるが、畫面に変化は無く、未読、

ため息を一つ。

「…海、一緒に行きたいなぁ…」

青白いに照らされながら、ボーッと畫面を見続けるだけであった…

※新一行が海に行っていることは知りません。

* * *

「せぇーーのっ!!!!」

「「「「「「「「「「海だぁあああっ(でござる)!!!!!!!(ういりゃぁー!!  by空羽)!!!!!」」」」」」」」」」

何故かよくわからないハイテンションで、希里、桜姬、ゼウス、アラクネ、ビン、武神、兜、雷人、風吹、空羽の新を除いた計10人が海だとんでいた。

因みに、嵐は相変わらず、部屋に閉じこもり、部屋を埋め盡くすように設置されたコンピュータを再起していた。

粒の小さな白い砂浜、青くき通るしい海、SunさんSunさんと照りつける眩しい太

正に絶好の海水日和

そんな中、新は大量の荷を腕やら肩やら頭やら、首やらに乗せたり、掛けたりしながら、呆然と立ち盡くしていた。

見渡す限り、しい海岸…それは別にいいのだ、うん。別に構わない。

だが、くるりと振り向くと、扉が一つ立ててある。その扉がゲートで、家と海岸を繋ぐ架け橋となっている。

それも、別に構わない。

問題なのはその後ろだ…

目が合った

鮮やかな鳥”が翼を広げて、鳴きながら飛び去る。

青々とした葉っぱに、木や葉の影で出來た、一際黒い影。カサカサと姿は見えぬが、き回る小の足音。

上の方をよくよく見ると、“バナナ”が生えていた。

それも、スーパーで見かけるもののような小さなものではなく、酒樽くらいの塊が実っていた。

海再び見ると、遠目にマンボウの群れが跳ねる(マンボウは、についた寄生蟲を落とすために、海面に打ち付け、それを落とすそうだ。)のが見えた…

イルカならあるけど、マンボウは初めて見た…

確かに、プライベートビーチとは聞いていた。うん。確かに聞いた。でも、よくよく考えてみたら、日本にそんな土地などないだろう。じゃあここは何処いずこ?と考える間もなく、自分の目に映る景とall lifeがその答えを教えてくれる。

「……“島”じゃん…」

ゼウスこと、新の親父の所有するプライベートビーチ。

それは、オーストラリア州、ミクロネシア付近に浮かぶ、小さなとは言っても、バチカン市國よりはなくとも大きい“無人島”であった…

完全なる“熱帯”だった

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