《學校一のオタクは死神でした。》第68話 戦闘開始

*第68話 戦闘開始*

「じゃあ、作戦通りハーピーは雷人、希里、姉さん。マーメイドは俺、武神、風吹。兜、アラクネは援護を。親父はビンと空羽の護衛と指揮を頼む。あと、雷人は絶対に海には雷當てんなよ?魚が大量に死ぬから。」

「「「「「「「「了解」」」」」」」」

新が親父と目を合わせると、親父はこくりと頷き、のほほんとした顔が引き締まる。

「出撃!!!!!!!!」と親父の聲で全員が翼を広げ飛び立つ。

武神だけは、カードをベルトの前で通過させ、車を失くしたバイクのような乗りった。するとそれは、キュイーンと機械音を鳴らしながら、後方の小型ジェットエンジンからプラズマを放ちながら飛び立った。

意外と凝った武裝だな…いい趣味してんな!!

飛行途中、海上飛行と上空飛行の二手に分かれる。

ソレを遠くから伺っていた2は、急速に接近する。

ハーピーの方が咆哮したそれが戦闘開始の合図となった。

飛行する神々が武を召喚し、構える。

新はデスサイズではなく、トールを握っていた。

《魔力解放を確認、CONNECT開始します。システム、異常なし、魔力、異常なし、CONNECT完了しました。続けて、“グラス”裝著開始します。完了。》

「target!!」

《TARGET 確認、対象、“セイレーン”、マーメイド、TARGET完了、並びに、遠近両用魔力砲:トール、CHARGE完了。主様の神にCONNECTしました。ご命令を。》

「imagine!! 二丁拳銃!!!!」

《TRANS》

「ファイヤー!!」

銃聲が鳴り響き、弾丸が発される。targetでにはっているが、相手もただの的になるわけもなく、を翻して避ける。速い。海中にいることもあってか、中々狙いが定まらない。

だったら…

「imagine!!二丁機関砲マシンガン・ダブル!!!!」

《TRANS》

「狙いが定まらなのなら…“數”で押し通す!!!!」

銃聲が響き、海面に弾丸が次々に叩きつけられる。

が、それをマーメイドは深く潛ることで回避する。

「ダメか」

「ならば、儂の出番だな。」

と武神が、後方からエンジン音と共に、機が急速に上空へ持ち上がり、機が天地を逆転した瞬間、武神が構えていた刀を抜き…

「_剣_ 大鬼両斷オーガりょうだん!!!!」

武神が刀を抜き去った瞬間、突風とともに海面が割れ、マーメイドの姿が映る。

「“風壁エア・ウォール”」

両斷された海面が閉じ始める直前、風吹が風壁で防ぎ、のような空間が形される。

そこに新が突っ込み、風壁付近に姿を現したマーメイドを槌トンファーに変えたトールで叩く。すると、マーメイドは吹き飛び、をくの字に曲げながら海中を勢いよく割いていく。

そこに追い打ちをかけるようにdeathspearデス・スピアを叩き込むが、これは回避された。

流石に海中ではdeathspearの速度も下がってしまうためか簡単に避けられた。

やはり、より攻撃を當てるには海中で戦う方がいいのだろうが、神々のは人間そっくりな作りになっているため、“呼吸”が必要となる。人間の呼吸とは違い、魔力のに必要な質をに取り込むためだ。

つまり、呼吸をしていないと魔力がある程度制限されてしまうのだ。そして完全に魔力が切れたとき、それは“神としての死”を意味する。

の頃、邪神が死んだ原因はそこにあったのだ。しばらくすると魔力は再生されるため、生のような死とは違う死だが、それでも再生には約1ヶ月かかることが分かっている。嵐によると、邪神が死んだ後、新ので再生されたのは、新のを再生する際、邪神の魔力が新のってしまったため、そこから再生が始まってしまったのだろうどのことだ。

が小さくなったのは、新のにいた後癥だそうだ。だが、最近長がびてきているらしく、本人は喜んでいた。ロリータ型だと何かと不都合が生じるようだった。

話を戻すが、相手側のマーメイドは耳の裏と腰にエラを持つため、エラ呼吸をすることでを得ている。つまり、水中で魔力が切れることはまず無い。

水中戦では、完全に有利不利の関係にあるのだ。

やはり、風吹が作った空間でマーメイドが攻撃を仕掛けるのを逆手に取り攻撃するのが先決だろうと考える。

しかし、人生、いや、神生、何事もうまくいくわけがない。

水中から微かにしい歌聲が聴こえてきたのだ。

まるで、“何かを呼び寄せるような歌聲”が…

その歌が途絶えたと同時に、海中に黒い影が出現した。

「ッ!!退避!!」

「「!?」」

急いで空中へと逃げる。なんとか間に合ったが、新達が空間外へ出た瞬間、巨大な何かが空間を破壊した。

その何かはゆっくりと海面に浮上しその禍々しくる赤い目玉と視線が差した。

“クラーケン”

セイレーンと同様に古くから伝わる海の怪

舟を飲み込む“巨大なイカ”だ…

それこそが、セイレーンの化の正

クラーケンは海面から腕を揺らしながらこちらを見る。その際、不自然に突き出た赤い目玉がギョロギョロ蠢く。

突然、クラーケンが足を4本ばし、新達を襲う。

新達はそれをバラけて避けるが、クラーケンの足は追跡するように新達を追いかける。

「___デスサイズ!!!!」

新がデスサイズを召喚し、片手に握ると、追跡する足を々に切り裂いた。

足に痛覚がないのか、クラーケンはうんともすんとも言わなかった。

武神も、機りながら逃走し、スキを突き足を両斷する。

風吹は、見えない風の刃で足を切り裂いた。

それは、以前、兜がやっていた鎌鼬のそれに似ていた。

3人とも逃げ切り、新はそこで疑問を抱いた。

1人1本の足で3人を追いかけるならば、“足は3本”で良かったのではないかという疑問だ。しかし、それはもっと早く気づくべき疑問であった…

「___きゃっ!?」

そんな聲が聞こえた。

その聲が聞こえた方向を振り向くと、その瞬間、何かが新の顔の橫を通過した…

「_姉さん!!」

「新っ!!」

空中で戦っていた隙を突かれたのか、足を絡め取られ、海中へと飲み込まれて行った。クラーケンの足には強力な吸盤がいくつも付いており、一度摑まれたら離れない。それゆえに、いくら神の力といえど破壊神でもなければ振り切ることは不可能だ。

「チィッ!!!!」

「死神殿!!」「死神!?」

新は勢いよく海へ飛び込み、桜姬が引き込まれた方を追いかける。

海中に巨大な影とその周りを泳ぐ小さな影が見えた。

その影はどんどん深く潛っていく。

それを追いかけると、そこには海があった。影はその中へと進んでゆく。

新もそれを見て追いかけるが、やはり遅い。

泳ぎの得意なマーメイドとクラーケンとは違い、新は人型であるため、それを超えるスピードは出せない。

ならば…

「imagine!!二丁螺旋槳スクリュー・ダブル!!」

『TRANS』

トールが淡く輝き、2丁の2Lペットボトル程の小型スクリューへと形を変えた。

何でもありだなこの拳銃…

新は引き金を引き、エンジンを起させ加速してゆく。

螺旋槳は高速回転しながらも靜かにき、生み出された泡もきめ細かくなかった。

やっと追いつき、視界に桜姬の姿をとらえる。

抵抗し大分魔力を使ってしまったのかほとんど意識を失いかけていた。

急いで接近し、クラーケンの足を斬る。

それに驚いたのか、クラーケンが墨を吐き目くらましをする。

丁度いい、この隙に姉さんを回収して水面に上がろう。

片腕に桜姬を抱え、螺旋槳を起する。

螺旋槳はプロペラを高速回転させ、海面へと向かう。

墨の幕を抜けた先は開け、が見えた。が、視界の隅の方にマーメイドの命ライフが見える。マーメイドは手に握られた3本刃の槍をこちらに向け、急接近し、新の腹を抉る。

「くっ!!」

思わず、トールをマーメイドの方へ向けるが、トールの今の姿は“螺旋槳”。つまり、新は桜姬を抱えたまま、急速に方向転換し、待ち構えていたかのようなクラーケンの目の前へと移してしまう。

痛恨のミスだった。

まずいと思った頃にはもう遅かった。

クラーケンの足が新の腹に巻き付き、きを封じられ、締め付けられる。

ふと腕を見ると、桜姬は意識を失っていた。

桜姬はおそらく、からなくなり、今にも魔力が切れる寸前だった。

やばい。本當にやばい。

幸運にも桜姬はクラーケンに足に捕まってはおらず、摑んでいるのは新の腕のみだった。

まだ海面までは距離がある。このままだと桜姬は死んでしまう。

片手のトールはクラーケンの足に巻き込まれ潰れてしまった。しかし、桜姬を摑んでいる腕の方はかろうじて無事だった。

ハッとなり、新は思いついた。

自分の魔力はまだある程度殘っている。トールにかなりの魔力をつぎ込んだとはいえ、戦う量には余裕がある。

新は桜姬を抱き寄せ、頭を自分の顔の近くまで寄せると

桜姬の口を覆うように自分のを重ねた

そこから、魔力とを送り込む。

その途中、ゆっくりと桜姬は瞼を開く。

意識が戻ったのか、その狀況にし困し、目を見開く。

しかし、時間が無い。

新は桜姬バーサーカーを腕から離すと無理やりトールを押し付ける。

「トール!!姉さんを海上まで運べ!!!!」

『…了解した。』

桜姬が何かを言いかけたが、その頃には既にトールは勢いよくき出し、海面へと加速して行った。

さてと、ここからが問題だ。

「デスサイズ!!」

新はデスサイズ先程桜姬を摑んでいた方の手に握り、クラーケンを切り裂く。

そして、切り裂かれた後も締め付けるクラーケンの足も無理やり引きちぎり、自由を取り戻す。

桜姬にかなりの魔力とを送ってしまったが、まだ戦える。

背後からマーメイドが再び新たに接近する。が、新は向けられた槍を片手で摑み、手のひらにをにじませる。

「いくら水中が不利とはいえ、こっちもべつに完全に不利って訳じゃない。」

そうだ、相手の位置は何処に隠れていようがじ取れる。新は、摑んだ槍をへし折り、デスサイズを振るう。が、それは避けられてしまった。

「まぁ、限界まで頑張りますか_ッ!!」

新は苦手とする水中戦を挑むことを決意した。

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