《俺の隣の席の人が毎日違うのですが?》金曜日〜咲耶③〜不穏の予兆
金曜、今日は咲耶が來る日である。
朝登校した俺は先に來ていた咲耶に聲をかける。
「おはよう、咲耶」
「おはよう、結城」
返事を返してきた咲耶は何処か疲れたような表をしていた。なにかあったのだろうか?
「なにかあったのか?」
「昨日起きたことと言えばわかるわよね?」
なるほど、納得した。とりあえず席の橫に荷を置き機の中にある本を取り出す.....あれ?いつもここに置いてあるはずなのだが。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと本がいつもの場所に無くてね。奧かなーー痛っ!?」
機の奧に手を突っ込み手探りすると指先に切られるような痛みをじ思わず手を機から引き抜いてしまう。
「ちょっと!大丈夫!?」
「あ、あぁ。指が切れたみたいだ。案外傷深そうだ」
そうは言ったが実際は深くもなく淺くもない傷である。も出ているが切り口が案外綺麗だな。
スマホを取り出しライトを點けて機の中を確認するとを反するような刃が縦に付けられているのを確認した。切らないように機の中から出し確認するとそれはカミソリの刃だった。
「これは」
「カミソリの刃よね?」
俺は咲耶の質問に首を縦にふるので答える。
にしてもなんでこんなものをれていたのか気にるな。
そんなことを考えていると咲耶が切れた指のある方の手を突然摑んできた。一瞬心臓止まるかと思ったわ!と言えるわけも無く咲耶の方に顔を向けると絆創膏をってくれようとしていた。
「本當に綺麗に切れてるわね。これなら逆に治るのが早そうね」
「ほんと、それだけが唯一の救いかな。ただ」
「ただ?どうかしたの?」
「いいや、なんでもない。それよりありがとう」
俺が咲耶にお禮を言うと「どうってことないわよ」と答えた。
にしても咲耶と話してる時にじた気持ちの悪い視線。咲耶は気がついてないようだったから言ってないけど...し気をつけた方がいいかな。
その日これ以上なにかされることは無く學校が終わった。咲耶と一緒に帰るのも良かったのだが下校時になにかされない訳じゃないから一人で帰ることにした。
こうして不穏な空気を殘したまま金曜日が過ぎていく。
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