《僕と彼たちのありきたりなようで、ありきたりではない日常。》話をすればなんとやら
伊予達と一緒に晝ごはんを食べたその日の放課後……
「おい、転校生……調子乗んなよ?」
僕は何故かいかつい奴ら數人にに囲まれていた。
教室掃除のあと、ゴミを校舎裏に持っていこうと思っていたところ今の狀況になった。
「はぁ……」
この後、伊予と茜共に買いに行くと約束していたのでこのままだと2人に怒られる。
「おい聞いてんのかよ」
「はいはい、聞こえてますって。
てかあんたら僕になんの用?」
「ーー湊から手を引け」
「はっ?」
「湊にこれ以上、手を出すな」
「いやいや言葉の意味は分かるけど、何故だい?」
「湊は俺のもんだ。馴染だか財閥の跡取りだか知らないがお前が手を出していいもんじゃない」
「そうだ、こいつは湊を好きなんだ。
だから手を引け
ーー引かないとどうなるか分かるよな?」
とその男子生徒は手に持っている棒を見せつける様に見せてきた。よく見ると他の數人も棒などを持っていた。
「話をすればなんとやら……ってじか」
今日の晝、京介が話していた僕に恨みを持っていた奴らとは彼らの事だろう。あーちゃんは學校のアイドルであり、男共に人気があるのでこういう輩がいると思っていたがまさか本當にこういう場に巻き込まれるとは思わなかった。
「おい、分かったら手を引け」
「ーー斷る」
「あぁ?」
「だから斷るって言っているんだ。
あーちゃん自に言われたならしょうがないけど、赤の他人に言われても僕はわざわざ従う必要はないね」
あーちゃん自が僕に直接言ったのなら僕はそれに従うけど、彼とは全く関係の無いーーただ何もせずにあーちゃんから好かれようとしている奴らから言われても従う必要が無い。
ーーむしろ、こんな奴らをあーちゃんに近づけさせる訳にはいかない。
「てめぇ……この狀況分かってんのか」
「あぁ、分かっているさ。
第一、こんな事をする人間をあーちゃんが好きになるとは到底思わないけどね」
「さっきから調子に乗りやがって……!!」
「まず男なら正々堂々とやったらどうだい?
というか君はあーちゃんに好かれようと何か努力した?
多分してないよね?」
「溫室育ちの坊ちゃんが何を偉そうに言ってんじゃねぇぞ!!
おめえらやっちまえ!!」
1人が號令をかけると棒を持っている數人が一斉に僕に棒をふるってきた。僕はまず一番近くにいた人間の手首を摑んで捻り、戦闘不能にした後、棒を奪った。  
「ったく面倒な事になったな……」
こんな事伊予や茜に見つかったら、心配される。
僕・の・過・去・を知っているので尚更だろう。
僕を囲んでいた連中は僕の予想外のきを見たためか、若干狼狽えていたが、リーダー格の1人がすぐに
「さっきのまぐれだ!!
數で勝っているんだ負けるはずがねぇ!!」
「ーーじゃあやってみるかい?」
「なっ……」
「確かに數では僕が不利だよね。
でも、だ・か・ら・ど・う・し・た・?」
僕はさっきまで持っていた棒を手放した。
「ーー集団で毆る事しか出來ない様な君らに負けるほど
僕はやわじゃないよ? 」
數分後……
「片付いたかな」
見渡すとそこにはさっきまで僕と喧嘩していた連中らが全員倒れていた。喧嘩してみて分かったのだが連中は集団で數にモノを言わせた喧嘩しか出來ない様で大して張り合いが無かった。
ーーほぼ一方的に僕が毆っていた気がする……。
「……溫室育ちの坊ちゃんに負けんのかよ」
倒れている1人がそう苦しそうにつぶやく。
「そうだね、君らは溫室育ちの坊ちゃんに負けたんだ。
今日はこれぐらいにしてやるよ」
まぁ喧嘩を振られた方からそのセリフをいうのはなんかおかしい気がするけどとりあえず言っておく。
「……てめぇ、本當に溫室育ちかよ。
さっき……毆っている際の顔……普通じゃ」
「さぁどうだろうね。
ーーなからずそれを言う必要が僕には無いかな」
「……ハハッ」
「どうした? 痛みで頭がおかしくなったか?」
「お前……終わったな……」
「終わった?」
「う、後ろ……見てみろよ……」
「後ろ?」
と言われるまま後ろを見るとそこには……
「ーーゆ、ゆ、ゆーちゃん……?」
そこにはあーちゃんが驚きの表を浮かべ立っていた。
「あーちゃん……どうして……ここに?」
「ゴミ出しから帰ってこないから……見にきたら……
ゆーちゃん……噓だよね? ゆーちゃんがこんな事するはずが無いよね……?」
「あーちゃん……こ、これには……」
とりあえずあーちゃんの誤解を解こうと彼に近づこうとしたのだが……
「い、嫌……來ないで……」
「……っ!?」
彼から言われた一言が僕のに強く刺さる。
そうーーまるであ・の・時・の様に
「あっ……」
「……だよね、ごめんあーちゃん。
普通こういう事する人間に対してそんな反応するよね」
「ご、ごめん!! そ、そうじゃないの……ゆ、ゆーちゃんが
何も考えずにそんな事しないよね……」
「ううん、無理しなくていいよ」
「な、何か理由があったんだよね?
そ、そうだ!! あの人達から挑まれたんだーー」
「ーー早くどっか行きなよ。
ここは危険だからさ」
「ゆーちゃん!!」
「早く行けっての!!」
「っ!?
ーーご、ご、ごめんなさい!!」
あーちゃんは泣きながらその場から走り去っていった。
「あぁ……なんで僕は……こういう事しか出來ない……
やってられないな……」
誰に言い聞かせる訳でも無く、ただ1人呟いた。
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