《部活の後輩と付き合ってみた》新居
七海と新居までの道のりを手を繋ぎながら歩く事10數分
「えっと……確かここを右に曲がれば……」
僕はスマホのアプリで地図を新居までの道のりを確認していた。何度も行ったとは言えども念には念をれて確かめないと落ち著かないのが僕なのである。
「ていうか、センパイだって道調べているじゃないですか」
「あのね……一応確認のためだよ」
「さっき私に偉そうに言っていたじゃないですか〜?
あれれ〜? おかしいぞ〜?」
と某探偵漫畫に出てきそうなセリフを言ってくる七海。
「なら地図を見ながらでも迷ってしまう七海はどうなんだと思うのは僕だけかな?」
「私はいいんですよ〜だって“可い”ですからね!!」
「……さいですか」
僕は七海からの言葉に適當に反応して再びスマホに目を移した。それよりも新居までの道のりを確認しないと……
「ちょっとセンパイ〜? 無視はダメだと思いますよ〜?
ーーあっ、でもそんなドSセンパイも」
「ここは左か……」
「せめて反応してよ!?」
「ん? なんか言った七海?」
「本當に聞いてなかったよこの人!! 泣きますよ!!」
……だって君の話にいちいち反応してたら終わらないもの。
なんて言ったらまた機嫌が悪くなるので言わないけど。
そんなじで更に歩く事、數分……
「著いた〜!!」
「うん、そうだね」
僕らは新居の前に著いた。
「綺麗ですね〜」
「まぁ比較対象の前のは築10數年近くたっているけど
こっちは出來てまだ2年だからね」
僕らが今日から住む場所は2年前に出來た學生よりも社會人が住みそうなマンションであった。
本來なら學生が住めなさそうな家賃らしいのだが親父のツテがありかなり安く借りれたらしい。
……今回は親父に頭が上がらない。
そんなじに僕らは自分達の部屋の前に來た。
「見て見てセンパイ!! オートロックあるよ!!」
何故かオートロックに興気味の七海。
というかそんなに珍しいものなのかそれって?
「はいはい、すごいすごい」
「よぉ〜し、試しに私達の部屋の番號を押してみよう」
「待て待て七海」
「ん? どうしたのセンパイ?」
「今、押したって誰も反応しないよ?」
「あっ、そうか」
「……気づいていなかったのね君は」
というか出てきたら怖いと思うんけどね僕は。
……反応したの誰って考えるだけでも怖いな。
「じゃセンパイ、早く鍵をれて〜」
「はいはい」
僕はポケットの中にれていた鍵を取り出して鍵をれる箇所に差し込んだ。するとドアのロックが開く音が聞こえた。
「おぉ〜未來ですね〜」
「最近だとこれぐらい普通らしいよ」
「そうなんですか?」
「森が今住んでいる家なんてまさにそうだよ」
「そういえば私、まだ森先輩の家行ったことないですね」
「森の家はやめておけ、足の踏み場が無い」
「まぁでも凜子っていう彼出來ましたから凜子が通い妻みたいな事しているかもしれませんね〜」
「あんまオススメしないかな……」
「えっ? なんでですか?」
と可らしく頭を傾ける七海。
「……深くは聞かないで、森の名譽のために」
「? 分かりました。 じゃあ行きますよ〜」
七海がドアの取手に手をかけて引っ張った。
ガチャ
「おぉ〜綺麗〜!!」
「確かに綺麗だね……」
ドアを開けるとそこには綺麗な玄関が広がっていた。
前に住んでいた玄関よりもやや広めであり、更に建築されてからあまりたって無いのもあって玄関から見える裝もとても綺麗である。
「センパイ、センパイ!! 早くろうよ!!」
「はいはい分かったって」
と七海に急かされるままに靴をぎ、家の中にる僕。
室にあるドアを開けるとそこはリビングだった。
新居の間取りは寢室とリビングに風呂とトイレが別になっており、が無いため尚更広くじる。
「おぉ〜広い〜!!」
「確かに広いね」
「これからここでセンパイとの同棲か……ワクワクしま
ーーってセンパイ?」
「このキッチン……前のより使いやすい……しかも
冷蔵庫からを取った際にすぐに切れる距離にある……」
「ってセンパイ何しているんですか?」
「ん? 何って見れば分かるでしょ? キッチンの確認だよ。
これからここで料理するんだからその確認さ。
僕個人としては風呂よりもキッチンの使いやすさを気にする格だからね」
數ない僕の人に自慢出來る點兼趣味として料理があり、キッチンとはそれらの點に直結するのでとても気にする。
……だってやるなら使いやすさを重視しないとね?
「……なんかセンパイらしいよ」
七海が何故か呆れた様に言ってくる。
僕個人として間違った事を言ったつもりはないのだが……。
「とりあえず寢室行ってみましょうよ〜」
「そうだね」
とリビングの隣にある寢室のドアを開けるとそこには……
「なんじゃこりゃ!?」
「うわぁ〜〜!! 凄い〜〜!!」
僕らの前にあったのは僕らが同時に寢ても大丈夫なサイズのベットであった。
……しかも天蓋というオプション付き。
「なんだよこのベットーー!!
というかこのオプション余計だーー!!」
僕は堪らずんだ。
だっていきなり目の前にこんなのあったら誰だってそうなるだろう。
「何言っているんですかセンパイ!!
乙のロマンに余計だなんて!!」
「君のロマンという言葉はロクな気がしないからね!?
というかこれ誰のだよ!!」
「えっ、センパイ知らないんですか?
これってセンパイのご両親がお祝いにって買ってくれたベットですよ?」
「あのバカ両親達かぁぁーー!!」
なんとなくそんな気がしたがまさかそうだとは。
數日前に電話で話していた時になんか含みがある言い方をしていたがまさかこれだとは……。
「その様子だとセンパイ知らなかったみたいですね。
でもお父さんは“拓海に許可は取った”と言っていましたよ」
「あのクソ親父めぇぇぇーー!!
僕がこんなの許可すると思ってるの!?」
「もう〜センパイったら私と一緒に寢るのが楽しみだからってそんなに照れなーー」
「ナナミンスローー!!」
僕は隣で何か言いかけた七海をベットに投げた。
「ぎゃーー!! というかいきなり投げないでよ!?」
「ごめん、イライラしていてつい
ーー後悔は七海だからしてない」
「その七海だからってなんですか!?」
「彼氏特権」
「それいつも私の口癖だよね!?」
たまには僕だって使いたい日もあるよ……。
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