《部活の後輩と付き合ってみた》同棲とは

予想外の戦力が増えた荷解きが始まって1時間……

「先輩、この棚どこ置きます?」

「それは……向こう側に置いてもらえるかい?」

「分かりました。森、運ぶぞ」

「よっしゃ、ばっちこい」

やっぱり単純に頭數が増えた事もあり、作業自はかなり順調に進んでいた。まぁの要因に騒がしい七海と與謝野さんがいないというのもあるかもしれないが……。

「ねぇねぇ國木田〜?」

「どうした?」

「彼のお揃いのコップなんてラブラブだね〜」

……まぁやっぱりこの人樋口さんは相変わらずである。

「はいはい、それは向こうの棚にれておいてね」

そんな同期にいちいち対応するのも面倒なのでさっさと答えだけを言っておくことにした。

「ちぇっ、つまんないの……」

と不満そうに言いながらも樋口さんは僕が言った所定の位置にそのコップをしまった。まぁなんやかんやでこの同期は仕事をしっかりするのである。

……どっかの七海とは大違いだ。

「というかそういう樋口さんだって例の彼と同じ様な事しているんじゃないの?」

「全部同じだよ。1つでも違うなんてある訳無いじゃん。

そもそも違ったら私泣くし」

「……ある意味すごいよ、君は」

こんな普通なら呆れてしまいそうな會話も僕は樋口さんと行える事に新鮮味をじる。昨年彼絡みの問題に巻き込まれたとしては彼が好きな人との生活を楽しんでいるようでとても嬉しい。

「ちなみの今、その彼は?」

「今日はバイトだって

ーー場所はここみたいよ?」

と樋口さんは自分のスマホを取り出し、見せてきた。

そこには都の地図が出ており、とある箇所に赤い點が點滅していた。

「……まさかだと思うけど、この赤い點滅している點って

彼だったりする?」

「おっ、大正解〜

ーーこれで浮気とかすぐ分かるよ〜」

「怖っ!?」

……この同期、本當に怖い。

なんていう會話をしていると隣で作業をしていた凜子さんが不意に樋口さんの方を向き……

「ところでひ、樋口先輩……」

「どうしたの凜子ちゃん?」

「……1つお聞きしたい事があるのですが」

「なんだい言ってご覧よ?」

「か、彼氏との同棲って……どんな気持ちですか?」

凜子さんがやや照れながら言っていた。

そう言えば今、ここにいる面子で同棲しているのは僕と七海

樋口さんとその彼だけであり、他の4人はそれぞれ実家だったり下宿先に住んでいる。

「そうだね〜毎日幸せだね〜。

ふとした瞬間の彼氏の表とかにドキッとしたり、たまに可らしいところも発見出來たりするよ〜」

「な、なるほど……さ、參考になります……」

「おっ、凜子ちゃんもついに彼氏との同棲を考える……

ーーあっ、でも森だと大変そうだね。朝起きないし」

「……確かに森との生活は大変そうだ。

掃除とか出來ないしな」

森の面倒を約1年見てきた僕らの率直な想であった。

……特に僕は彼の家にしょっちゅう行くのでよく分かる。

「ちょっと先輩達、本人が目の前にいないからって悪口言うのやめてもらえますか……?

結構聞こえていますからね?」

と隣の部屋で作業をしている森の聲が聞こえた。

「「だって聞こえる様に話しているもの」」

珍しく僕と樋口さんがハモった。

「……俺泣きそうっす」

そんな彼氏を見て、凜子さんはフォローをしようしたのだが

「だ、大丈夫ですよ結城先輩!!

先輩にも良いところあり……あり……あり

ーーあると思います!!」

……フォローに失敗した様だ。

「ちょっと凜子さん、それフォローになってないって」

「あ、あれ!? ち、ちょっと待ってくださいね!?

い、今必死に考えて……」

「……何気に凜子のが一番落ち込む」

「あっ、あっ、あっ……ど、ど、どうしましょう!?

か、彼氏を元気にさせる方法は……何か……」

「ハッハッハッ〜!!

凜子ちゃんやこの樋口大先輩が彼氏を一気に元気にする方法を教えてしんぜよう……この樋口大先輩が!!」

……何故今、大先輩を2回言ったんだ?

「樋口先輩……是非教えて下さい!!」

「ならば教えてあげよう〜!!

ーーまぁ簡単に言うとだね、君の立派なむ」

「やめーーい!!」

僕は全力のチョップを後輩に邪な事を吹き込もうとした同期にかました。

「痛っ!? 何するのさ國木田!!

せっかく悩める後輩を救おうとしたのに!!」

「いやいや絶対あんたロクなアドバイスするつもりなかったろ!? しかもそっち系なのかよ!!」

あんな裏で暗躍するのが得意な彼の事だ。

自分の発言が森と凜子さんの関係にどんな変化を生むのかを分かって言っている。

「何言っているのさ國木田?

ーー男が喜ぶって言ったらやっぱりソ・レ・でしょ?」

「おい黙れ、歩く有害図書」

「全く酷いな〜私の同期は〜失禮しちゃうよ全く……」

「……人の信頼って日頃の行いからだからね?

それ忘れてないよね?」

「ほら國木田、遊んでないでやるよ?

せっかく手伝いに來ているのに當の本人が遊んでちゃ終わらないでしょ?」

「テメェ……覚えておけよ……」

「忘れた〜テヘッ!! 許してっ!!」 

「……こいつ絶対許さん」

數日前に短編を1つ書き上げたので読んでくださると嬉しいです。

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