《部活の後輩と付き合ってみた》バレンタインとは
「というか國木田、私より配ってるチラシの數ないじゃん!! ビビりビビり〜!!」
「そういう樋口さんだってチラシこそ配ってるけど連絡先書いてもらえてないじゃんか!!」
「質より量!!」
「それならこっちも同じだよ!!」
「この石頭!!」
「うるさいトラブルメーカー!!」
「あ、あ、あ、あの……」
「「何!?」」
「す、す、す、す、す、すみません……」
と後輩が申し訳なさそうに言ってきた。
悪いのは斷然こちら側なのだが……。
「君、名前なんて言うの!?」
樋口さんが口論の勢いそのまま、後輩に名前を聞いた。
「も、も、も、森、で、で、です……」
「森君ね、ならここに連絡先書く!!」
そして僕も口論の勢いそのままで急かした。
「い、いやで、でも……」
「「いいから書く!!」」
「は、はい!!」
と森君は恐る恐る連絡先を書く紙に自分の名前を書いていくのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「……ってじだったね」
「懐かしいっすね〜」
「待ってください、國木田先輩」
僕と森の話を聞いていた司馬が不意に僕に尋ねてきた。
「ん? どうしたの?」
「森先輩が來た時って國木田先輩ってただ樋口先輩と口論していただけじゃないですか……?」
「うん、そうだよ」
「そうっすね、あの時はお2人とも口論でしたね」
「……新生の前で口論を始める國木田先輩も凄いですがそれに怯えず部してきた森先輩も尊敬します」
「ハハッ、凄いだろ?」
森は人見知りだが結構というか度はある。
なので普通なら上級生が口論している場面しか見ていない部活にりはしないだろうが彼はってきた。
「もしかしたら自分が部してきてから初めて森先輩を心から尊敬したかもしれないです……」
「ちょっと待て!? 俺ってそこまで尊敬されないか!?
というか信頼ないのか!?」
「いやいや森、今までの日頃の行いを振り返ってみな?
練習遅刻寢坊の常習犯、滅多に喋らない
……その度に僕がでどれだけフォローをしてきたか分かるかな森結城クンや?」
「數々の無禮本當にすみませんでしたーー!!」
森が遅刻する度に何故か僕が怒られる。
理由としては僕が森の指導係だからというらしい。
そのため森が遅刻なんかをする度、僕も罰トレをする事になりかなりとぱっちりを食らっていた。
「國木田先輩は本當に凄いですね。
面倒見が良いというかお優しいというか……」
「僕がただ人に甘いだけだよ。
ーーまぁでもそんな僕でもたまに怒るけどね?」
「……本當に頭が上がらないっす」
「まぁ森はこう見えて々と良い奴だからさ、この部活にこういう奴は必要なんだよね。勿論司馬、君さ」
森には散々迷をかけられてきた自はあるがそれ以上に彼には要所要所で結構助けられている。
森の馬鹿力やその能天気な格にも僕個人は助かっているが普段の行いがあるためか素直に謝をする気持ちにならない。
「さすが國木田先輩ですね。部で1番人気があるのも理解出來ますよ」
「だろ? そりゃ俺の先輩だからな!!」
「……何故君がそれを言うんだい?」
「1番先輩に迷をかけた俺だからっす」
「じゃあしは直せやコラ」
「……すみません、善処します」
その後も僕、森、司馬という會計組は購買でお菓子や飲みを買って部室で駄弁っていた。
「そう言えばもうしでバレンタインデーですね」
司馬が炭酸を飲みながら思い出したかの様に言ってきた。
「バレンタインと言えば國木田先輩だろ。
なんせ昨年、先輩に持ってきた子部員がホワイトデーにもらったチョコを食べて意気消沈したぐらい上手いチョコを作ってきたんだからな!!」
「……それって本當だったんですね。
の先輩方がそんな話を言っていましたが」
「僕個人はそんなつもりじゃなくて、もらえたから普通にお返しをしようと思って作ったんだけどね……」
「と言う事でこちらを」
と司馬はカバンからとある紙を出してきた。
「ん? なんか君の代の子部員全員の名前が書いてあるけど……さりげなく七海もいるし」
「自分の代から先輩へのチョコの申し込み書です」
「えっ僕が作るの!? 普通バレンタインってからもらえるもんじゃないのかな!?」
「あっ、そう言えば俺も俺の代から同じものもらってました〜こちらをどうぞっす」
「はぁ!? 森の代からもかよ……これじゃあ朝から僕はチョコ製作か……僕だって食べるの好きなんだけどな……」
普通からチョコをもらってテンションが上がらない男がいるだろうか?  なくとも僕は貰えたらその日は普通にテンション高めである。
「またまた〜先輩には彼いるじゃないですか〜」
「……僕の彼を知って言ってる?」
「す、すみませんでした」
「はぁ……まぁいいか作るよ。
2人ともそれぞれの代に“作るけどお返し頂戴”って伝えておいて」
「分かりました」
「オッケーっす」
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